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3 懲りない男
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「アイラ嬢、好きだ。結婚して欲しい」
「しません」
「アイラ嬢、可愛いな。結婚しよう」
「嫌です」
「アイラ、愛してる。結婚してくれないか」
「お断りします」
アイラはオスカーに会うたびに毎回毎回、求婚されていた。日を重ねる中でいつの間にか、アイラへの敬称も勝手に取られて呼び捨てにされてしまっている。
やめてくださいと伝えても『アイラも俺のことを呼び捨てにしたらいい』なんて意味の分からないことを言われるので、アイラはもう指摘することを諦めた。
ちなみにアイラはもちろん、オスカーのことをしっかりと様付けで呼んでいる。
アイラは毎回求婚を断っていた。しかしオスカーは騎士団の隊長という忙しい立場でありながら、心折れることなくアイラの生家があるロッシュ領に毎日のように来ていたのだ。
今や毎日繰り広げられるこの光景は、ロッシュ領の名物のようになってしまっている。
オスカーが来るようになって三ヶ月ちょっと。今日はなんと五十回目の求婚だったそうだ。もちろんこれはアイラが数えたわけではなく、街の野次馬たちが面白がって一回一回記録して数えていたらしい。
「残念でしたね。今日で五十回目だったのに」
「そうか。たった五十回じゃ、アイラに気持ちが伝わってねぇってことだな」
「断られるのも仕方ありませんよ。アイラ様は、我々領民たちの姫ですからね。すぐには渡せませんよ」
「そりゃそうだな」
「でも、まだ諦めないのでしょう?」
「当たり前だ! これからが勝負だろ」
「ははは、隊長さん。いいぞ。可愛いアイラ様を手に入れるには、それくらいの気概がないといけません!」
そんな会話が聞こえてきて、アイラは頭が痛くなった。
「……オスカー様、あなたは暇なのですか」
「いや、まあまあ忙しいな」
「なら、どうして毎日ここに来られているんですか!」
「なんでって、アイラに逢いに来てるに決まってんだろ?」
ロッシュ領は小さいが、王都から近い場所にある。だから、王家直属騎士のオスカーが毎日通うのも無理な話ではない。だが、それでも大変なことには変わりはなかった。
「私はそんなこと頼んでいませんが」
「ははは、俺がアイラに一目でもいいから逢いたいんだよ」
オスカーはニカッと笑い、アイラを真っ直ぐ見つめた。
「これ、美味いらしいから食べてくれ」
「あの、いつも困ります」
「まあ、いいから。食べ物に罪はないんだし、受け取ってくれ」
オスカーはいつもアイラに何かしらプレゼントをくれる。ある日は人気のお菓子だったり、綺麗な花だったり、可愛らしい小さなアクセサリーだったり色々だ。
毎回困ると伝えても、なんだかんだと言いくるめられて結局持って帰る羽目になってしまう。
「……ありがとうございます」
「おう。そろそろ騎士団に戻るわ」
今日の滞在時間はたった十分ほど。そのためにわざわざここまで来ているのだ。
「お気をつけて」
「ああ! ありがとな。アイラ、愛してる」
「……」
「そろそろ俺と結婚……」
「しません!」
アイラが食い気味に求婚を断ると、オスカーはカカカと大声で笑い「じゃあまた明日な」と手を振って去って行った。
オスカーはロッシュ領に通う内に、いつの間に領民たちとも仲良くなっており今や街の人気者だ。
「隊長さん、この前の嵐で倒れてしまった木が邪魔なんです」
「おお、どこだ? どけてやるよ」
「隊長さん、最近酒場で暴れる男がいて困っています」
「なんだって? 俺が話をつけてやろう」
「隊長さん、屋台で新作を出そうと思ってるんだがこれとこれどっちがいいですか」
「どっちも美味いぞ。でも、強いて言うならこっちかな」
なんて調子に、いつも人に囲まれている。アイラはこの前もお年寄りの荷物を運んだり、小さな迷子の母親を一緒に探したりしているのを見かけた。
「良い人……なのよね」
遠巻きにオスカーを眺めながら、アイラはそう呟いた。もしオスカーがアイラの顔以外の部分を好きだと言ってくれていたら、もしかしたら今頃自分も彼を好きになっているかもしれないと思っていた。
オスカーは基本的に誰に対しても明るくて、温かい。ガサツで豪快なところはあるが、おおらかだ。
ロッシュ領にオスカーが通うようになってから、何故か彼の部下たちも来る機会が増えた。
「アイラ嬢、隊長は本当に優しくて強いんですよ。部下たちの面倒見もいいし」
「はぁ……」
「見た目はアイラ嬢と並ぶと月とスッポン……天使とゴリラって感じだと思いますけど」
「ゴ、ゴリラですか?」
「あ、でも! ゴリラはゴリラでもイケメンゴリラなんで、その辺は安心してください」
「……」
アイラはオスカーのことを見た目で拒否しているわけではなかった。確かに美形ではないが、背が高く筋肉で引き締まった体は頼もしい感じがするし、漆黒の短髪と太めの凛々しい眉毛も好感を持っていた。
「隊長の実家は田舎なんですけど、なかなかの金持ちなんですよ。家族仲も良好だし、結婚しても嫁姑問題もなくて安心です! 嫡男じゃないけど、騎士団長候補って言われてるし金はありますよ」
「あの、私は別にお金の心配をしているわけではないのですが」
本人のいない時にオスカーの財政事情を知るのはなんだか、いたたまれない。
「隊長は酒は飲むけど、煙草も博打も女もしねぇしな。金の使い道がないもんな」
「女はただもてないだけだろ! エイベルさんなんか、いつも違う綺麗な女連れてるのに」
「あはは、間違いない!」
色んな若い騎士たちが入れ替わり立ち替わり、アイラを呼び止めて、オスカーの褒めているような貶しているような情報を教えてくれるのだ。
「実は俺たち孤児院出身で。王家の騎士団の入団時に、上層部の人たちが反対したらしいんですけど、何かあったらオスカー隊長が『全部責任取る』って言ってくれて入れたんです。本当にあの人には世話になっています」
「お恥ずかしい話ですけど、俺たち力は強かったけど読み書きすら碌にできなかったんですよ」
「それなのに……迷惑がらずに根気よく一から教えてくれました。だから幸せになって欲しいんですよね」
数人の騎士がうんうんと頷いている。アイラはその話を聞いて、オスカーはやはり優しい人なんだと思った。
「惚れたのがアイラ嬢って聞いて『そりゃ無理でしょう』ってやめた方がいいって説得したんですけど、あの人『やる前から諦める奴がいるか』とか言うんですよ」
「エイベル様は『いや、もうすでに何度も振られてるからやる前じゃない』ってツッコんでましたけど」
若い騎士たちはゲラゲラと笑っている。アイラは苦笑いをしながら、その話を聞いていた。
自分が婚約を断っていることが、騎士たちの間でそんなに噂になっていることを申し訳なく思ったからだ。
「別にいいんです。アイラ嬢が隊長を選ばなくても。あなたにも色んなご事情があるでしょうし」
若い騎士は眉を下げて、少し寂しそうにアイラに微笑んだ。
「でもアイラ嬢には、あの人の良いところたくさん知って欲しいんです。知った上で振られるなら、隊長も諦めるしかないですしね」
若い騎士たちはそう言ってハハハと笑い「また来ます。あ、俺たちが話したってことは隊長には内緒にしてください」と言って、手を振って帰って行った。
初めて求婚された時と比べて、アイラはオスカーに情が湧いていた。正直に言えばまだ愛や恋という気持ちはわからないが、オスカーのことを『人間的に素敵な人』だとは思っていた。
オスカーは八歳も年上で家格も上の男性なのに、威圧感というものがなくて話しやすい。それにあれだけ熱心にロッシュ領まで通ってくれているのをみて、心が動くのは自然な乙女心というものだろう。
だが、アイラは実は『先生』になりたいという夢がある。貴族令嬢が仕事をするなんて非常識だし、ましてや結婚をしてしまえばそんなことは許されなくなる。
貴族の妻の役割は『子を産み育てること』だ。しかし、今のところアイラは結婚したい相手もいない。なので結婚はせずに、一人で生きていきたいと思うようになっていた。
「まずは両親を説得しないとね」
結婚は自由にしていいとは言われたが、それは『相手』を好きに選んでもいいという意味だろう。まさか結婚しないとは、きっと両親も思っていないはずだ。だから反対されるに決まっている。
「勉強、頑張らないと」
アイラは自室に戻って、年に一度ある教員試験に向けての勉強に集中した。
「しません」
「アイラ嬢、可愛いな。結婚しよう」
「嫌です」
「アイラ、愛してる。結婚してくれないか」
「お断りします」
アイラはオスカーに会うたびに毎回毎回、求婚されていた。日を重ねる中でいつの間にか、アイラへの敬称も勝手に取られて呼び捨てにされてしまっている。
やめてくださいと伝えても『アイラも俺のことを呼び捨てにしたらいい』なんて意味の分からないことを言われるので、アイラはもう指摘することを諦めた。
ちなみにアイラはもちろん、オスカーのことをしっかりと様付けで呼んでいる。
アイラは毎回求婚を断っていた。しかしオスカーは騎士団の隊長という忙しい立場でありながら、心折れることなくアイラの生家があるロッシュ領に毎日のように来ていたのだ。
今や毎日繰り広げられるこの光景は、ロッシュ領の名物のようになってしまっている。
オスカーが来るようになって三ヶ月ちょっと。今日はなんと五十回目の求婚だったそうだ。もちろんこれはアイラが数えたわけではなく、街の野次馬たちが面白がって一回一回記録して数えていたらしい。
「残念でしたね。今日で五十回目だったのに」
「そうか。たった五十回じゃ、アイラに気持ちが伝わってねぇってことだな」
「断られるのも仕方ありませんよ。アイラ様は、我々領民たちの姫ですからね。すぐには渡せませんよ」
「そりゃそうだな」
「でも、まだ諦めないのでしょう?」
「当たり前だ! これからが勝負だろ」
「ははは、隊長さん。いいぞ。可愛いアイラ様を手に入れるには、それくらいの気概がないといけません!」
そんな会話が聞こえてきて、アイラは頭が痛くなった。
「……オスカー様、あなたは暇なのですか」
「いや、まあまあ忙しいな」
「なら、どうして毎日ここに来られているんですか!」
「なんでって、アイラに逢いに来てるに決まってんだろ?」
ロッシュ領は小さいが、王都から近い場所にある。だから、王家直属騎士のオスカーが毎日通うのも無理な話ではない。だが、それでも大変なことには変わりはなかった。
「私はそんなこと頼んでいませんが」
「ははは、俺がアイラに一目でもいいから逢いたいんだよ」
オスカーはニカッと笑い、アイラを真っ直ぐ見つめた。
「これ、美味いらしいから食べてくれ」
「あの、いつも困ります」
「まあ、いいから。食べ物に罪はないんだし、受け取ってくれ」
オスカーはいつもアイラに何かしらプレゼントをくれる。ある日は人気のお菓子だったり、綺麗な花だったり、可愛らしい小さなアクセサリーだったり色々だ。
毎回困ると伝えても、なんだかんだと言いくるめられて結局持って帰る羽目になってしまう。
「……ありがとうございます」
「おう。そろそろ騎士団に戻るわ」
今日の滞在時間はたった十分ほど。そのためにわざわざここまで来ているのだ。
「お気をつけて」
「ああ! ありがとな。アイラ、愛してる」
「……」
「そろそろ俺と結婚……」
「しません!」
アイラが食い気味に求婚を断ると、オスカーはカカカと大声で笑い「じゃあまた明日な」と手を振って去って行った。
オスカーはロッシュ領に通う内に、いつの間に領民たちとも仲良くなっており今や街の人気者だ。
「隊長さん、この前の嵐で倒れてしまった木が邪魔なんです」
「おお、どこだ? どけてやるよ」
「隊長さん、最近酒場で暴れる男がいて困っています」
「なんだって? 俺が話をつけてやろう」
「隊長さん、屋台で新作を出そうと思ってるんだがこれとこれどっちがいいですか」
「どっちも美味いぞ。でも、強いて言うならこっちかな」
なんて調子に、いつも人に囲まれている。アイラはこの前もお年寄りの荷物を運んだり、小さな迷子の母親を一緒に探したりしているのを見かけた。
「良い人……なのよね」
遠巻きにオスカーを眺めながら、アイラはそう呟いた。もしオスカーがアイラの顔以外の部分を好きだと言ってくれていたら、もしかしたら今頃自分も彼を好きになっているかもしれないと思っていた。
オスカーは基本的に誰に対しても明るくて、温かい。ガサツで豪快なところはあるが、おおらかだ。
ロッシュ領にオスカーが通うようになってから、何故か彼の部下たちも来る機会が増えた。
「アイラ嬢、隊長は本当に優しくて強いんですよ。部下たちの面倒見もいいし」
「はぁ……」
「見た目はアイラ嬢と並ぶと月とスッポン……天使とゴリラって感じだと思いますけど」
「ゴ、ゴリラですか?」
「あ、でも! ゴリラはゴリラでもイケメンゴリラなんで、その辺は安心してください」
「……」
アイラはオスカーのことを見た目で拒否しているわけではなかった。確かに美形ではないが、背が高く筋肉で引き締まった体は頼もしい感じがするし、漆黒の短髪と太めの凛々しい眉毛も好感を持っていた。
「隊長の実家は田舎なんですけど、なかなかの金持ちなんですよ。家族仲も良好だし、結婚しても嫁姑問題もなくて安心です! 嫡男じゃないけど、騎士団長候補って言われてるし金はありますよ」
「あの、私は別にお金の心配をしているわけではないのですが」
本人のいない時にオスカーの財政事情を知るのはなんだか、いたたまれない。
「隊長は酒は飲むけど、煙草も博打も女もしねぇしな。金の使い道がないもんな」
「女はただもてないだけだろ! エイベルさんなんか、いつも違う綺麗な女連れてるのに」
「あはは、間違いない!」
色んな若い騎士たちが入れ替わり立ち替わり、アイラを呼び止めて、オスカーの褒めているような貶しているような情報を教えてくれるのだ。
「実は俺たち孤児院出身で。王家の騎士団の入団時に、上層部の人たちが反対したらしいんですけど、何かあったらオスカー隊長が『全部責任取る』って言ってくれて入れたんです。本当にあの人には世話になっています」
「お恥ずかしい話ですけど、俺たち力は強かったけど読み書きすら碌にできなかったんですよ」
「それなのに……迷惑がらずに根気よく一から教えてくれました。だから幸せになって欲しいんですよね」
数人の騎士がうんうんと頷いている。アイラはその話を聞いて、オスカーはやはり優しい人なんだと思った。
「惚れたのがアイラ嬢って聞いて『そりゃ無理でしょう』ってやめた方がいいって説得したんですけど、あの人『やる前から諦める奴がいるか』とか言うんですよ」
「エイベル様は『いや、もうすでに何度も振られてるからやる前じゃない』ってツッコんでましたけど」
若い騎士たちはゲラゲラと笑っている。アイラは苦笑いをしながら、その話を聞いていた。
自分が婚約を断っていることが、騎士たちの間でそんなに噂になっていることを申し訳なく思ったからだ。
「別にいいんです。アイラ嬢が隊長を選ばなくても。あなたにも色んなご事情があるでしょうし」
若い騎士は眉を下げて、少し寂しそうにアイラに微笑んだ。
「でもアイラ嬢には、あの人の良いところたくさん知って欲しいんです。知った上で振られるなら、隊長も諦めるしかないですしね」
若い騎士たちはそう言ってハハハと笑い「また来ます。あ、俺たちが話したってことは隊長には内緒にしてください」と言って、手を振って帰って行った。
初めて求婚された時と比べて、アイラはオスカーに情が湧いていた。正直に言えばまだ愛や恋という気持ちはわからないが、オスカーのことを『人間的に素敵な人』だとは思っていた。
オスカーは八歳も年上で家格も上の男性なのに、威圧感というものがなくて話しやすい。それにあれだけ熱心にロッシュ領まで通ってくれているのをみて、心が動くのは自然な乙女心というものだろう。
だが、アイラは実は『先生』になりたいという夢がある。貴族令嬢が仕事をするなんて非常識だし、ましてや結婚をしてしまえばそんなことは許されなくなる。
貴族の妻の役割は『子を産み育てること』だ。しかし、今のところアイラは結婚したい相手もいない。なので結婚はせずに、一人で生きていきたいと思うようになっていた。
「まずは両親を説得しないとね」
結婚は自由にしていいとは言われたが、それは『相手』を好きに選んでもいいという意味だろう。まさか結婚しないとは、きっと両親も思っていないはずだ。だから反対されるに決まっている。
「勉強、頑張らないと」
アイラは自室に戻って、年に一度ある教員試験に向けての勉強に集中した。
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