上 下
9 / 10
番外編

3 ※幸せな夜

しおりを挟む
「エステル、愛してる」

 結婚式を終えて家に帰ってきたロドリゴは、エステルへの愛が溢れていた。

「んんっ、……ロロ、ちょっと待って」
「待てない」

 軽いキスだけのつもりだったのに、一度してまうと止まらなかった。

 ちゅっ……くちゅ……ちゅっ……

 舌を絡めるとエステルも真っ赤に頬を染めながらも、一生懸命それに応えてくれるのがとても可愛らしい。

「ふっ……あっ……」

 ロドリゴはキスをしながら服の中に手を入れて、ぷるんとした豊かな胸に触れ柔らかさを堪能した。

 女嫌いだったロドリゴは、エステルと恋人になって胸に触れるのがこんなに気持ちがいいものだと初めて知った。

『な、なんだ。この……心地よさは』
『ロロ、そんなに触ったら恥ずかしいです』
『すごい。これは……すごいな!』
『な、何がすごいのですか』
『ものすごく気持ちがいい』

 初めて触れた時は、ロドリゴは感動を覚えた。エステルの胸は手に吸い付くようにしっとりしているが、ハリがあるので手を離すとすぐにぷるんと形が戻る。柔らかくて、温かくて……こんなに素晴らしい物がこの世にあるのかと驚いていた。

『一日中、触っていたいくらいだ』
『そんな……困ります』

 触れているだけで、ものすごく癒される。だが、エステルに気持ち良くなってほしいとロドリゴは思った。そして騎士団長に聞いた話を思い出し、胸を手で愛撫しながら先端をペロリと舐めてみた。

『やぁっ……!』
『どうやら、良さそうだな』

 反応が良いことに安心したロドリゴは、緩急をつけながら舐めたり吸ったりを繰り返した。

『ああっ!』
『可愛い』

 ビクビクと身体を震わす姿に嬉しくなったロドリゴは、さらにエステルに快感を与えた。

 お互い早く一つになりたい、という欲は大きくなっていたが一線を越えていなかった。

 真面目な二人は、きちんと結婚してから夫婦になりたいと思っていたからだ。なので結婚するまでの三ヶ月間ゆっくりと関係を深めてきた。

 初心者同士のため、試行錯誤な毎日だったが……何事にも器用なロドリゴはすぐにエステルの感じる部分がわかってきた。

 そして結婚式の終わった今夜は、とうとう二人が結ばれる日だった。

「……ここじゃ嫌です」
「そうだな」
「ちゃんと準備をさせてください」

 あれだけ今日まで大事に取っておいたにも関わらず、余裕なく玄関でガッついてしまった自分に、ロドリゴは恥ずかしくなっていた。

「すまない、余裕がなくて。格好悪いな」
「……私も余裕なんてありませんよ」
「そうか。じゃあ、同じだな」

 二人は微笑みあって、夫婦になるための準備をはじめた。お風呂から上がるとお互い、少し照れくさくてソワソワした空気が流れた。

「こっちにおいで」

 ベッドに腰掛けているロドリゴが、手招きをしてエステルを呼んだ。

「エステル、俺は一生君だけを大事にする」
「はい。私もロロだけです」
「俺の妻になって欲しい」
「はい。もちろんです」

 ちゅっ

 優しくキスをすると、エステルはとろんと熱を帯びた瞳でロドリゴを見つめた。

「好きだよ」
「んっ……はい。私も……好きです」

 エステルの快感を得られる場所を集中的に触ると、白い肌はすぐに赤く染まった。

 ロドリゴは今夜、自分の手も舌も……全てを使ってエステルを味わいたかった。

 ちゅっちゅと首から順番に胸からおへそ……そして太ももへとキスを落としていく。

 ロドリゴはエステルの秘部に顔を埋めながら、尖った両胸の先端を指でピンピンと何度も弾いた。

「あっ……!」

 甲高い声く甘い声をあげたエステルを見て、ロドリゴは感じてくれているのだと嬉しくなった。

 どうやら、エステルは同時に二箇所以上愛されることが好きらしい。

「可愛いな。もうビクビクしてる」
「や、やだ……そんなこと言わないでください」
「どうして? 俺に反応してくれて嬉しい」

 そろそろ頃合いかと思いたっぷりと濡れた中に指を入れて、ある部分を狙って擦るとさらに蜜が溢れてきた。

「あっ……ああぅ」
「ここが好きか? 溢れてる」
「ああっ……んっ……す……き……」
「そうか。なら、もっとしよう」
「んん……すきぃ……ロロっ……すき……」

 とろんとしたら顔で『好きだ』と何度もくり返すエステルが、ロドリゴは愛おしくて仕方がなかった。

 そんな色っぽい顔を見せられたら、自分が耐えられなくなりそうだ。

 余裕ぶって結婚するまでは身体を重ねないと、宣言したものの……本当は何度後悔したかわからない。一つになる日を指折り数えて、ものすごく楽しみにしていたことはエステルには内緒にしている。年上男のせめてものプライドだ。

 しかし身体は正直なもので……エステルとキスをした時から、自分のモノはすでに昂っていた。

 受け入れる側は、初めてはとても痛いらしい。それを知ったロドリゴは、なるべくエステルに痛みを与えないように……幸せだと思ってもらえるように抱きたいと思っていた。

「はぁ……エステル、すまない。もう……限界だ」

 もう腹につくほど興奮してしまっている。このままだと、外で爆発してしまいそうだ。それは……絶対に避けたい。

「はい。してください」
「いいのか?」
「はい。私を……ロドリゴ様の妻にして……ください」

 その言葉を聞いて、ロドリゴはエステルの足をそっと持ち上げてとろりとした秘部に自身の昂りをグッと挿れた。

 潤ってはいるが、狭いので入口がとてもきつい。

「……ゔうっ!」

 だが、そのきつさや圧迫感がロドリゴには堪らない。苦しそうなエステルの顔を見て申し訳ないと思いながらも、ロドリゴは言葉にできないほど気持ちよくて早く先に進みたかった。

「愛してる。エステル……エステルっ!」
「ううっ……!」
「はぁ、すごい。すごく……気持ちいい」

 エステルの中は温かくてねっとりとして……さらにきゅうっとモノを締め付けてくる。

 ロドリゴは『ゆっくりと、そして傷つけぬように丁寧に』と頭の中で何度も自分に言い聞かせた。そうしないと、今にもエステルの腰を掴んで激しく突きたいという気持ちになったからだ。

 でも、そんなことはしたくない。傷つけたくないという思いから、ゆっくりゆっくりと昂りを中に沈めていった。

「全部入った」
「ほ……本当……ですか?」

 エステルの濡れた目元を、ロドリゴはそっと指で拭った。

「ああ。大丈夫……か?」
「は、はい」
「痛いよな。動かないから……安心してくれ」

 ロドリゴは、必死に自分を受け入れてくれているエステルをぎゅっと抱き締めた。エステルのことが、愛おしくて堪らない。

「やっと……ロロと繋がれたんですね」
「ああ、そうだ。すごく……幸せだ」
「私も……幸せです」

 繋がった状態でキスをすると、本当に一つになったような感覚だった。キスを深くしていくと、ふっとエステルの身体の力抜けたのがわかった。

「初めてで緊張しましたが、無事にできたのですね。嬉しいです」

 エステルはくりっとした大きな目を、ふにゃりと細めて嬉しそうにロドリゴを見つめた。

「……」
「どうかしましたか?」
「すまないが、まだ終わっていない」
「え? でも、その……閨の勉強では、旦那様にここに挿れてもらったら終わりだと習いました」

 パチパチと瞬きをして、純粋な瞳でロドリゴに質問を投げかけている。

「それは間違いではないが、説明が……足りていないな」

 ロドリゴはものすごく言いにくかったが、嘘をつくわけにもいかない。これからのこともあるし、大事なことだ。

「そう……なのですか?」
「ああ」
「では、どうしたらいいのか教えてください」

 そんな可愛いことを愛する妻に言われて、制御できる男がいるだろうか。

「……わかった」
「はい」
「では、遠慮なく君の奥まで愛を伝えることにする」

 エステルの中で大人しくしていたロドリゴのモノが、さらにムクムクと質量を増した。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者候補が同僚の師団長だった件~女嫌いの氷の騎士と貴族嫌いの公爵令嬢~

白雲八鈴
恋愛
 公爵令嬢であるが、騎士団に在籍し、一個師団を率いる第8師団長であるアリシアローズは、心の中で大いに頭を抱えていた。何故なら、次の縁談として用意された相手が、『氷の騎士』の二つ名をもつ第3師団長だったからだ。  それも彼はアスールヴェント公爵家の嫡男であり、女嫌いで有名な人物だった。  そんな公爵令嬢のアリシアローズの36番目の婚約者候補に上げられた公爵令息であり師団長であるレイラファールとの間に繰り広げられる攻防とは? *作品の内容に不快感を感じましたら、そのままそっと閉じてください。 *作者の目は節穴のため、誤字脱字は存在します。 *カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。 *第16回恋愛小説大賞参加作品ですのでよろしくお願いいたします。 2/3 投票ありがとうございます! 御礼に閑話を追加させていただきました。

ただの政略結婚だと思っていたのにわんこ系騎士から溺愛――いや、可及的速やかに挿れて頂きたいのだが!!

藤原ライラ
恋愛
 生粋の文官家系の生まれのフランツィスカは、王命で武官家系のレオンハルトと結婚させられることになる。生まれも育ちも違う彼と分かり合うことなどそもそも諦めていたフランツィスカだったが、次第に彼の率直さに惹かれていく。  けれど、初夜で彼が泣き出してしまい――。    ツンデレ才女×わんこ騎士の、政略結婚からはじまる恋のお話。  ☆ムーンライトノベルズにも掲載しています☆

慰み者の姫は新皇帝に溺愛される

苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。 皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。 ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。 早速、二人の初夜が始まった。

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

こっそり片想いしていた敵将の妻になれましたが、私とはデキないと言われました。

野地マルテ
恋愛
【R18】亡国の第八王女イムリタは、敵国の若き将軍アーロックの戦果の褒賞として嫁ぐ事になった。イムリタは約一年にも及ぶ捕虜生活でアーロックとは顔見知りだったが、彼が自分のことをどう思っているのか不安に感じていた。イムリタは、言葉数は少ないが、いつも礼儀正しいアーロックに好意を抱いていたのである。しかし初夜の晩、アーロックはイムリタにこう言った。「貴女とはできません」と。イムリタはショックを受けるが、落ち込んでいても仕方ないとすぐに気持ちを切り替え、妻としての役目をなんとか全うしようと明るく頑張るのであった。 ◆全体的にR18表現を含みますが、特に強い性描写のある回には見出しに※をつけています。 ◆ご感想はコチラまでお願い致します。 ▼Web拍手へのアクセス方法(感想の送り方) 【アプリ】マルティン三行のプロフィールページからWebサイトへ飛ぶ。 【本サイト】マルティン三行のページへ入り、メニューアイコンからWebサイト(青いボックス)をタップする。

【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした

楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。 仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。 ◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪ ◇全三話予約投稿済みです

【完結】金で買ったお飾りの妻 〜名前はツヴァイ 自称詐欺師〜

hazuki.mikado
恋愛
彼女の名前はマリア。 実の父と継母に邪険にされ、売られるように年上の公爵家の当主に嫁ぐことになった伯爵家の嫡女だ。 婿養子だった父親が後妻の連れ子に伯爵家を継がせるために考え出したのが、格上の公爵家に嫡女であるマリアを嫁がせ追い出す事だったのだが・・・ 完結後、マリア視点のお話しを10話アップします(_ _)8/21 12時完結予定

辺境騎士の夫婦の危機

世羅
恋愛
絶倫すぎる夫と愛らしい妻の話。

処理中です...