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番外編
1 相談
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「騎士団長、ご相談があります」
「なんだ? そんなに改まって」
ロドリゴのあまりに真剣な表情に、騎士団長はごくりと唾を飲み込んだ。美形の真顔は怖い。普段から表情が乏しいので、何を考えているのかわからない節がある。
「……まさか辞めたいとかじゃないよな?」
「なぜ俺が騎士を辞めるのですか。せっかく階級も上がったのに」
「そ、そうだよな。わかった、時間を取ろう」
部下の話を聞くのも上司の役目だ。女好きだが、人の良い騎士団長はそう返事をした。
「……経験がない?」
「はい」
「女嫌いとは知っていたが、まさかそこまでとは」
ロドリゴは至極真面目な顔で、騎士団長に自分には女性経験がないという相談をしていた。
もちろん、他の人間には聞こえないように仕事が終わってから個室のある酒場で。
まさかそんな話とは思っていなかった騎士団長は、反応に困っていた。
「その……聞きにくいが、そういう店には?」
「行ったことはありません。知らない女に触れられたくもないし、触れたくもなかったので」
「……だよな」
もしこれだけ美しい男が、夜の店に行った日にはそれなりに騒ぎになっているはずだ。下手をしたら、誰が相手をするかで女たちが争う可能性もある。
ロドリゴは複雑な出生と、その美しい容姿のせいでかなりの女嫌いになったとは聞いていた。
だが十代の頃から男ばかりの騎士団にいたら、一回や二回くらいは先輩や同僚に『店に行くぞ! 奢ってやる』なんて連れて行かれることが多い。
だからこそ大抵の騎士は、そこで経験を済ましてしまう。しかし、目の前の部下は二十五歳になった今でも未経験だという。
「誰も……お前が経験がないとは思わなかったんだろうな」
その美しい顔みれば、まさか女を知らないようには見えない。受け答えも常に落ち着いているし、かなりモテそうだからだ。だから、必要ないだろうと思われたのだろう。
そして下手に『夜の店に行こう』なんて誘えば、ロドリゴから軽蔑した眼差しを浴びそうなイメージもある。そんなリスクを冒すことは皆しないだろう。
「……で、ロドリゴは結婚したい女性ができたのだな」
「はい」
「いい人と出逢えて、よかったな」
「はい、本当に良かったです。一生大事にしたいと思ってます。だから……今のままではまずいと思いまして」
どうやら愛する女と愛し合うために、経験を積んでおきたいらしい。ロドリゴの気持ちは痛いほどわかる。初めて好きになった相手に、格好悪いところを見せたくないのだろう。
「わかった。全て任せておけ」
「本当ですか?」
「ああ、上司として世話をさせてくれ」
「ありがとうございます。勇気を出して、団長に相談して良かったです」
ロドリゴは思いの外、真剣に悩んでいたらしく安心したようにホッと胸を撫で下ろした。
それを見て『可愛いところもあるな』なんて、騎士団長は上司風を吹かせていた。
「準備が必要だ。一週間待て」
「わかりました」
そしてその約束の一週間後、また騎士団長と二人で夜の街に出てきていた。
「ここだ! 安心しろ。きちんと根回しして箝口令を敷いてある」
「え? ここって」
「好みの女を言えば、指名できる。あとは向こうが教えてくれる。百戦錬磨だから心配せずともよい」
騎士団長は、夜の店の中でも一番高級な場所にロドリゴを連れてきていた。
「俺からの結婚前祝いだ。男になってこい」
ドヤ顔をしながらポンと肩に手を置かれ、ロドリゴはワナワナと震え出した。
「なんだ、震えるほどに嬉しいか。悪かったな。もっと早く連れてきてやるべきだった」
「……りえない」
「ん?」
「なぜ俺をこんな場所に? 好きな女がいるのに、他の女と寝るなどあり得ません! 何が任しておけですか」
ロドリゴがギロリと睨みつけるので、団長は不思議そうに首を捻った。
「え? そういう話じゃないのか」
「誰がそんな話をしましたか!」
「だって……このままじゃまずいって」
「だから! なんの知識もないまま、結婚はまずいと言ったんです」
その言葉を聞いて団長は目を丸くした。まさか、ロドリゴは貴族なのに閨の教育もまともに受けていないのだろうか?
「何も知らないということか?」
「なんとなくは分かりますが、曖昧な知識です」
「成人する前にきちんと習わなかったのか?」
「……その頃は、家にほとんど寄り付きませんでしたから」
「そうか。つまり、実戦ではなく俺がお前に具体的に言葉で教えたらいいとそういうことか?」
「そうです」
そうとわかったら、ここにいる意味はない。騎士団長は店に「今夜の予約はキャンセルだ」と伝えると、店の女たちの落胆ぶりは凄かった。
高い店だけあってどの女性も見栄えが良い。そんな美女たちみんなが口々に「一晩中可愛がってあげたかった」なんて言っているのが聞こえてくる。
男として羨ましいことこの上ないが、当のロドリゴはきっと一生店には来ないだろう。
「他言無用だからな」
「わかっております」
「この埋め合わせは、きちんとする」
「ふふ、お待ちしております」
するりと頬をなぞられて、妖艶に微笑まれれば……商売とはわかっていても、抗えないのが男というものだ。
「よし、話はついた。話せる場所に行くぞ」
「……」
「団長、まさかこの店に通うつもりですか」
「今回の詫びで一度行くだけだ」
一度で済まなくなるに決まっていると、ロドリゴは内心呆れていた。
「これ以上、女に騙されないでくださいよ」
ロマンス詐欺に引っかかったことを知っているロドリゴは、じとりと横目で見ながら団長にそう伝えた。
「この世に女に騙されない男なんていないぜ?」
ニッとそう笑った騎士団長を見て、自分もエステルをマリナだと信じ騙されていたことを思い出した。あれは仕方のない嘘ではあったけれど。
「……まあ、そうかもしれませんね」
「お、成長したな。以前のお前なら『俺は騙されたりしません!』と言っていたのに」
「好きな女には敵いません」
「俺は好きじゃなくても負けっぱなしだ!」
ゲラゲラと笑いながら、団長にバシバシと背中を叩かれてロドリゴはげんなりとしていた。
「男は女の嘘を許さないとな」
「……ロマンス詐欺もですか?」
「あれは犯罪だ! 絶対に許さん」
格好をつけたことを言っても、結局は『許せない』らしい。
それから騎士団長に男女のあれこれを具体的に聞いたロドリゴは、内心驚いていた。
「……俺にちゃんとできますかね」
「できる、できる。まあ、慣れたら大丈夫だ」
「そ、そうですか」
「あと俺たちは基本馬鹿力だから、女に触れる時は優しく……羽根を撫でるようにしろ。あとは自分が暴走しないように、好きな女を一番に考えること。それで全て解決だっ!」
ロドリゴはエステルを大切にするために、恥を忍んで騎士団長に夜の話を聞いた。自分の乏しい知識では、何が本当で何が嘘か分からなかったからだ。
「わかりました。ありがとうございました」
「健闘を祈る!」
「はい」
いきなりはお互いハードルが高そうなので、結婚式までの期間でゆっくりと愛し合うことに慣れていこうとロドリゴは心に決めた。
「なんだ? そんなに改まって」
ロドリゴのあまりに真剣な表情に、騎士団長はごくりと唾を飲み込んだ。美形の真顔は怖い。普段から表情が乏しいので、何を考えているのかわからない節がある。
「……まさか辞めたいとかじゃないよな?」
「なぜ俺が騎士を辞めるのですか。せっかく階級も上がったのに」
「そ、そうだよな。わかった、時間を取ろう」
部下の話を聞くのも上司の役目だ。女好きだが、人の良い騎士団長はそう返事をした。
「……経験がない?」
「はい」
「女嫌いとは知っていたが、まさかそこまでとは」
ロドリゴは至極真面目な顔で、騎士団長に自分には女性経験がないという相談をしていた。
もちろん、他の人間には聞こえないように仕事が終わってから個室のある酒場で。
まさかそんな話とは思っていなかった騎士団長は、反応に困っていた。
「その……聞きにくいが、そういう店には?」
「行ったことはありません。知らない女に触れられたくもないし、触れたくもなかったので」
「……だよな」
もしこれだけ美しい男が、夜の店に行った日にはそれなりに騒ぎになっているはずだ。下手をしたら、誰が相手をするかで女たちが争う可能性もある。
ロドリゴは複雑な出生と、その美しい容姿のせいでかなりの女嫌いになったとは聞いていた。
だが十代の頃から男ばかりの騎士団にいたら、一回や二回くらいは先輩や同僚に『店に行くぞ! 奢ってやる』なんて連れて行かれることが多い。
だからこそ大抵の騎士は、そこで経験を済ましてしまう。しかし、目の前の部下は二十五歳になった今でも未経験だという。
「誰も……お前が経験がないとは思わなかったんだろうな」
その美しい顔みれば、まさか女を知らないようには見えない。受け答えも常に落ち着いているし、かなりモテそうだからだ。だから、必要ないだろうと思われたのだろう。
そして下手に『夜の店に行こう』なんて誘えば、ロドリゴから軽蔑した眼差しを浴びそうなイメージもある。そんなリスクを冒すことは皆しないだろう。
「……で、ロドリゴは結婚したい女性ができたのだな」
「はい」
「いい人と出逢えて、よかったな」
「はい、本当に良かったです。一生大事にしたいと思ってます。だから……今のままではまずいと思いまして」
どうやら愛する女と愛し合うために、経験を積んでおきたいらしい。ロドリゴの気持ちは痛いほどわかる。初めて好きになった相手に、格好悪いところを見せたくないのだろう。
「わかった。全て任せておけ」
「本当ですか?」
「ああ、上司として世話をさせてくれ」
「ありがとうございます。勇気を出して、団長に相談して良かったです」
ロドリゴは思いの外、真剣に悩んでいたらしく安心したようにホッと胸を撫で下ろした。
それを見て『可愛いところもあるな』なんて、騎士団長は上司風を吹かせていた。
「準備が必要だ。一週間待て」
「わかりました」
そしてその約束の一週間後、また騎士団長と二人で夜の街に出てきていた。
「ここだ! 安心しろ。きちんと根回しして箝口令を敷いてある」
「え? ここって」
「好みの女を言えば、指名できる。あとは向こうが教えてくれる。百戦錬磨だから心配せずともよい」
騎士団長は、夜の店の中でも一番高級な場所にロドリゴを連れてきていた。
「俺からの結婚前祝いだ。男になってこい」
ドヤ顔をしながらポンと肩に手を置かれ、ロドリゴはワナワナと震え出した。
「なんだ、震えるほどに嬉しいか。悪かったな。もっと早く連れてきてやるべきだった」
「……りえない」
「ん?」
「なぜ俺をこんな場所に? 好きな女がいるのに、他の女と寝るなどあり得ません! 何が任しておけですか」
ロドリゴがギロリと睨みつけるので、団長は不思議そうに首を捻った。
「え? そういう話じゃないのか」
「誰がそんな話をしましたか!」
「だって……このままじゃまずいって」
「だから! なんの知識もないまま、結婚はまずいと言ったんです」
その言葉を聞いて団長は目を丸くした。まさか、ロドリゴは貴族なのに閨の教育もまともに受けていないのだろうか?
「何も知らないということか?」
「なんとなくは分かりますが、曖昧な知識です」
「成人する前にきちんと習わなかったのか?」
「……その頃は、家にほとんど寄り付きませんでしたから」
「そうか。つまり、実戦ではなく俺がお前に具体的に言葉で教えたらいいとそういうことか?」
「そうです」
そうとわかったら、ここにいる意味はない。騎士団長は店に「今夜の予約はキャンセルだ」と伝えると、店の女たちの落胆ぶりは凄かった。
高い店だけあってどの女性も見栄えが良い。そんな美女たちみんなが口々に「一晩中可愛がってあげたかった」なんて言っているのが聞こえてくる。
男として羨ましいことこの上ないが、当のロドリゴはきっと一生店には来ないだろう。
「他言無用だからな」
「わかっております」
「この埋め合わせは、きちんとする」
「ふふ、お待ちしております」
するりと頬をなぞられて、妖艶に微笑まれれば……商売とはわかっていても、抗えないのが男というものだ。
「よし、話はついた。話せる場所に行くぞ」
「……」
「団長、まさかこの店に通うつもりですか」
「今回の詫びで一度行くだけだ」
一度で済まなくなるに決まっていると、ロドリゴは内心呆れていた。
「これ以上、女に騙されないでくださいよ」
ロマンス詐欺に引っかかったことを知っているロドリゴは、じとりと横目で見ながら団長にそう伝えた。
「この世に女に騙されない男なんていないぜ?」
ニッとそう笑った騎士団長を見て、自分もエステルをマリナだと信じ騙されていたことを思い出した。あれは仕方のない嘘ではあったけれど。
「……まあ、そうかもしれませんね」
「お、成長したな。以前のお前なら『俺は騙されたりしません!』と言っていたのに」
「好きな女には敵いません」
「俺は好きじゃなくても負けっぱなしだ!」
ゲラゲラと笑いながら、団長にバシバシと背中を叩かれてロドリゴはげんなりとしていた。
「男は女の嘘を許さないとな」
「……ロマンス詐欺もですか?」
「あれは犯罪だ! 絶対に許さん」
格好をつけたことを言っても、結局は『許せない』らしい。
それから騎士団長に男女のあれこれを具体的に聞いたロドリゴは、内心驚いていた。
「……俺にちゃんとできますかね」
「できる、できる。まあ、慣れたら大丈夫だ」
「そ、そうですか」
「あと俺たちは基本馬鹿力だから、女に触れる時は優しく……羽根を撫でるようにしろ。あとは自分が暴走しないように、好きな女を一番に考えること。それで全て解決だっ!」
ロドリゴはエステルを大切にするために、恥を忍んで騎士団長に夜の話を聞いた。自分の乏しい知識では、何が本当で何が嘘か分からなかったからだ。
「わかりました。ありがとうございました」
「健闘を祈る!」
「はい」
いきなりはお互いハードルが高そうなので、結婚式までの期間でゆっくりと愛し合うことに慣れていこうとロドリゴは心に決めた。
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