24 / 32
本編
24 幸せの報告①
しおりを挟む
そして結婚して二年が経過した。つまり本物の夫婦になって一年が経過した頃、私は妊娠していることがわかった。最近ずっと体調が悪かったが、彼に毎晩のように愛されているのでもしかして……と期待していた。
そして今日きちんとお医者様に診てもらって子どもができたことが判明したのだ。
「クリス、君になにかあったらと思うと心配でしょうがない。お願いだから俺を置いて死なないでくれ」
お医者様に診てもらう前、エルはベッドで寝ている私の手を握りそんな深刻なことを言っていた。明らかに大袈裟だ。
「大丈夫、ちょっとしんどいだけだから」
「でもご飯も食べれないなんて、おかしいだろ。君に何かあったら俺は生きていけない。午前中に医者を呼んだから診てもらってくれ。もし難しい病気なら、俺が君を治してくれる医者を必ずみつけ出すからな。安心してくれ!」
「……ありがとうございます」
エルはめちゃくちゃ心配性だ。でも本当に……彼の愛があれば、どんな病気でも治すお医者さんを連れて来そうだ。
「仕事を休もう」
「だめです。働いてきてくださいませ」
「……だめか? 絶対にだめ?」
「だめです」
「……行ってきます。早く帰るから」
エルはちゅっと軽いキスをして心配そうな顔をしながら、とぼとぼと仕事へ向かった。
そして、先程妊娠が判明したのだ。よかった……病気ではなかった。エルが早く帰ってこないかな、と思っているとまだ昼なのに彼が「クリス! 医者は何と言っていた?」といきなり部屋に入ってきた。
「エル? お仕事はどうされたのですか」
「昼休憩だ。どうしても心配でステラで駆けてきた」
彼は、はぁはぁ……と息を切らしているのでかなり急いで来てくれたみたいだ。私はくすりと笑って、ベッドの近くに彼を手招きして呼ぶとエルは少し不安そうにベッド横の椅子に座った。
「エル、この体調不良はしばらく続くらしいです」
「なんだと! チッ……あのヤブ医者め。クリス、俺が別の医者を探してくる」
「ふふ、エル……先生はヤブ医者なんかじゃありませんわ。撤回してくださいませ」
「ん? どういう意味だ?」
「あなたと私の子がお腹にいるらしいです」
「ほぉ……俺と君の子が……子が……子が!? 俺と君の子ができた……それは本当か?」
エルは驚いてガターンと椅子を倒しながら立ち上がった。
「ええ。本当です」
私はそっとお腹を撫でて、彼を見上げて微笑んだ。彼の瞳からはポタポタと涙が落ちた。
「クリス……ありがとう。ありがとう」
彼は私を優しくギュッと抱きしめた。エルは私の前では結構泣き虫だ。きっと騎士団の部下がこの姿を見たらかなり驚くだろうけれど。でも私は泣き顔も可愛いと思っているし、彼が素直な感情を私の前だけで出してくれるのがとても嬉しい。
「嬉しいですね」
「ああ、嬉しい。俺に家族を作ってくれてありがとう。君との子なんて夢のようだ」
ご両親が亡くなられて、私が嫁ぐまでは彼は天涯孤独だった。だから、家族を増やせたことはとても嬉しい。
「より一層身体を大事にしてくれ」
それからのエルはさらに愛情深く、毎日甲斐甲斐しくお世話をしてくれるようになった。使用人達も私が妊娠したことを知って喜び、より一層優しくされてなんだかくすぐったかった。
「これなら食べれそうか?」
悪阻で苦しんでいる時は、サッパリとした果物のゼリーやジュースを自ら口に運んでくれる。
「はい。ごめんなさい……あなたもお忙しいのに、こんなお世話をかけて」
「君の世話をできるなんてむしろとても幸せだ。しかもクリスは俺との子を育ててるんだから」
彼は本当に私のお世話を全く負担と思っていないようで「早く逢いたい」と毎日お腹にちゅっちゅとキスをして撫でている。
「ただ、君に触れられないのは寂しいな。落ち着いたら、たっぷり愛したい」
そんなことを耳元で甘く囁かれて、私は真っ赤になった。エルのたっぷりなんて、考えただけで大変そうだ。だけどしばらく触れられていないので、彼に妻として愛して欲しいと思う私もいる。
「私もあなたに愛されたい……デス」
素直にそう伝えて、潤んだ瞳でチラリとエルを見つめた。
「あー……その顔は反則。可愛すぎて襲いたくなる。襲わないけど」
彼はゔーっと変な呻き声をあげながら、ガシガシと頭をかいていた。
「いや、本来の俺は楽しみは後に取っておけるタイプなんだ。君の方が何十倍も大変なんだし、俺も頑張れる」
懸命に自分にそう言い聞かせている姿が面白くて、くすりと笑ってしまう。
酷い話だが世の中の男性は、妻の妊娠中に愛人をつくる場合が多いらしい。お腹が大きくなると、女性として見れないと酷いことを言う男性もいると聞いたことがある。
しかし、エルの場合は浮気の心配はなさそうだった。妊娠してからも、夫婦のスキンシップはしっかりととっていたし相変わらずの溺愛っぷりだったから。
「クリス、愛してるよ」
優しくハグをされて、甘いキスをされるととても心地が良い。
「私もエルを愛しています」
嬉しそうに目を細めたエルに、私からキスをしようとすると……お腹の中をドンと蹴られた。
「あ……! 今、中で蹴りました」
「本当か?」
「ええ、ほら。触ってください」
エルがお腹に触れると、さらにドンドンと蹴飛ばしている。
「おお! すごいな。この子はなんて元気なんだ」
「こんなに動いているのは初めてです」
「そうか。すごいな……本当にいるんだな」
私のお腹をそっと撫でて、二人で微笑んだ。そしてもう一度キスをしようとすると……
ドンドンドン
「あ! また蹴っています」
キスをする寸前で中断されるので、エルは真顔でお腹に話しかけている。
「……いい子だから、少しだけ大人しくしててくれ。頼む」
「ふふ、聞こえるのかしら」
「聞こえているさ。クリスは君の母親だが、俺の妻だ。そして、今は俺とクリスの大事な時間なんだ。賢い君ならわかるな?」
真剣な声でお腹の子どもに語りかけているエルを見て、私は声を殺して笑い続けていた。
そして今日きちんとお医者様に診てもらって子どもができたことが判明したのだ。
「クリス、君になにかあったらと思うと心配でしょうがない。お願いだから俺を置いて死なないでくれ」
お医者様に診てもらう前、エルはベッドで寝ている私の手を握りそんな深刻なことを言っていた。明らかに大袈裟だ。
「大丈夫、ちょっとしんどいだけだから」
「でもご飯も食べれないなんて、おかしいだろ。君に何かあったら俺は生きていけない。午前中に医者を呼んだから診てもらってくれ。もし難しい病気なら、俺が君を治してくれる医者を必ずみつけ出すからな。安心してくれ!」
「……ありがとうございます」
エルはめちゃくちゃ心配性だ。でも本当に……彼の愛があれば、どんな病気でも治すお医者さんを連れて来そうだ。
「仕事を休もう」
「だめです。働いてきてくださいませ」
「……だめか? 絶対にだめ?」
「だめです」
「……行ってきます。早く帰るから」
エルはちゅっと軽いキスをして心配そうな顔をしながら、とぼとぼと仕事へ向かった。
そして、先程妊娠が判明したのだ。よかった……病気ではなかった。エルが早く帰ってこないかな、と思っているとまだ昼なのに彼が「クリス! 医者は何と言っていた?」といきなり部屋に入ってきた。
「エル? お仕事はどうされたのですか」
「昼休憩だ。どうしても心配でステラで駆けてきた」
彼は、はぁはぁ……と息を切らしているのでかなり急いで来てくれたみたいだ。私はくすりと笑って、ベッドの近くに彼を手招きして呼ぶとエルは少し不安そうにベッド横の椅子に座った。
「エル、この体調不良はしばらく続くらしいです」
「なんだと! チッ……あのヤブ医者め。クリス、俺が別の医者を探してくる」
「ふふ、エル……先生はヤブ医者なんかじゃありませんわ。撤回してくださいませ」
「ん? どういう意味だ?」
「あなたと私の子がお腹にいるらしいです」
「ほぉ……俺と君の子が……子が……子が!? 俺と君の子ができた……それは本当か?」
エルは驚いてガターンと椅子を倒しながら立ち上がった。
「ええ。本当です」
私はそっとお腹を撫でて、彼を見上げて微笑んだ。彼の瞳からはポタポタと涙が落ちた。
「クリス……ありがとう。ありがとう」
彼は私を優しくギュッと抱きしめた。エルは私の前では結構泣き虫だ。きっと騎士団の部下がこの姿を見たらかなり驚くだろうけれど。でも私は泣き顔も可愛いと思っているし、彼が素直な感情を私の前だけで出してくれるのがとても嬉しい。
「嬉しいですね」
「ああ、嬉しい。俺に家族を作ってくれてありがとう。君との子なんて夢のようだ」
ご両親が亡くなられて、私が嫁ぐまでは彼は天涯孤独だった。だから、家族を増やせたことはとても嬉しい。
「より一層身体を大事にしてくれ」
それからのエルはさらに愛情深く、毎日甲斐甲斐しくお世話をしてくれるようになった。使用人達も私が妊娠したことを知って喜び、より一層優しくされてなんだかくすぐったかった。
「これなら食べれそうか?」
悪阻で苦しんでいる時は、サッパリとした果物のゼリーやジュースを自ら口に運んでくれる。
「はい。ごめんなさい……あなたもお忙しいのに、こんなお世話をかけて」
「君の世話をできるなんてむしろとても幸せだ。しかもクリスは俺との子を育ててるんだから」
彼は本当に私のお世話を全く負担と思っていないようで「早く逢いたい」と毎日お腹にちゅっちゅとキスをして撫でている。
「ただ、君に触れられないのは寂しいな。落ち着いたら、たっぷり愛したい」
そんなことを耳元で甘く囁かれて、私は真っ赤になった。エルのたっぷりなんて、考えただけで大変そうだ。だけどしばらく触れられていないので、彼に妻として愛して欲しいと思う私もいる。
「私もあなたに愛されたい……デス」
素直にそう伝えて、潤んだ瞳でチラリとエルを見つめた。
「あー……その顔は反則。可愛すぎて襲いたくなる。襲わないけど」
彼はゔーっと変な呻き声をあげながら、ガシガシと頭をかいていた。
「いや、本来の俺は楽しみは後に取っておけるタイプなんだ。君の方が何十倍も大変なんだし、俺も頑張れる」
懸命に自分にそう言い聞かせている姿が面白くて、くすりと笑ってしまう。
酷い話だが世の中の男性は、妻の妊娠中に愛人をつくる場合が多いらしい。お腹が大きくなると、女性として見れないと酷いことを言う男性もいると聞いたことがある。
しかし、エルの場合は浮気の心配はなさそうだった。妊娠してからも、夫婦のスキンシップはしっかりととっていたし相変わらずの溺愛っぷりだったから。
「クリス、愛してるよ」
優しくハグをされて、甘いキスをされるととても心地が良い。
「私もエルを愛しています」
嬉しそうに目を細めたエルに、私からキスをしようとすると……お腹の中をドンと蹴られた。
「あ……! 今、中で蹴りました」
「本当か?」
「ええ、ほら。触ってください」
エルがお腹に触れると、さらにドンドンと蹴飛ばしている。
「おお! すごいな。この子はなんて元気なんだ」
「こんなに動いているのは初めてです」
「そうか。すごいな……本当にいるんだな」
私のお腹をそっと撫でて、二人で微笑んだ。そしてもう一度キスをしようとすると……
ドンドンドン
「あ! また蹴っています」
キスをする寸前で中断されるので、エルは真顔でお腹に話しかけている。
「……いい子だから、少しだけ大人しくしててくれ。頼む」
「ふふ、聞こえるのかしら」
「聞こえているさ。クリスは君の母親だが、俺の妻だ。そして、今は俺とクリスの大事な時間なんだ。賢い君ならわかるな?」
真剣な声でお腹の子どもに語りかけているエルを見て、私は声を殺して笑い続けていた。
79
お気に入りに追加
1,183
あなたにおすすめの小説
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を
川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」
とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。
これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。
だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。
これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。
完結まで執筆済み、毎日更新
もう少しだけお付き合いください
第22回書き出し祭り参加作品
2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
聖獣の卵を保護するため、騎士団長と契約結婚いたします。仮の妻なのに、なぜか大切にされすぎていて、溺愛されていると勘違いしてしまいそうです
石河 翠
恋愛
騎士団の食堂で働くエリカは、自宅の庭で聖獣の卵を発見する。
聖獣が大好きなエリカは保護を希望するが、領主に卵を預けるようにと言われてしまった。卵の保護主は、魔力や財力、社会的な地位が重要視されるというのだ。
やけになったエリカは場末の酒場で酔っ払ったあげく、通りすがりの騎士団長に契約結婚してほしいと唐突に泣きつく。すると意外にもその場で承諾されてしまった。
女っ気のない堅物な騎士団長だったはずが、妻となったエリカへの態度は甘く優しいもので、彼女は思わずときめいてしまい……。
素直でまっすぐ一生懸命なヒロインと、実はヒロインにずっと片思いしていた真面目な騎士団長の恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID749781)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる