20 / 32
本編
20 ※※触れ合い【エルベルト視点】
しおりを挟む
「しょうがないから、そろそろ帰ってやるか」
ジェフのその言葉に、俺は自然と笑みが溢れる。
「そんな喜ぶの酷くないか? 今夜はお前の金で街の高級ホテル泊まるからな!」
「いいぞ、そうしろ」
こいつがいなくなれば、今夜はクリスとゆっくりできる。明日から仕事だが……俺はそんなの全然問題ない。
「そんで、明日お前の騎士団連中を冷やかしてから王都戻るわ。エドは強くなった?」
「それは助かるな、鍛え直してくれ。エドは前より強くなったよ。今は隊長してる」
「そうか。ガキだと思ってたけど、成長が早いねえ。男前で強くてモテる男はシメとかねえとな。俺とキャラ被るなんて許せないぜ」
そんなことを言っているが、実際はエドを可愛がっていることを知っている。
「被ってない。エドのが人懐っこくて素直で可愛いぞ。お前みたいに捻くれてない」
「馬鹿だなぁ。男はミステリアスで、少し悪い方がモテんだよ。エドは顔と性格が良いだけ……女は物足りないはずさ。だから、あいつはまだまだだな」
ジェフはニヤリと笑い、荷物をまとめて帰り支度をしている。帰ると決めたら行動は早い。
「ジェフ様、帰られるのですか? お怪我されているのに大丈夫でしょうか?」
クリスが気が付いて、心配そうに駆け寄ってきた。パタパタと走る姿が可愛い。でも、そいつの傍から一刻も早く離れてほしい。
「クリスティンちゃんの可愛い顔見たら、痛いの治った」
「……っ! そ、そんなはずありません」
「ふふ、本当だよ。騎士はこれくらいではなんてことないんだ。世話になったね、ありがとう。クリスティンちゃんに会えてよかったよ」
「はい、私もジェフ様にお会いできてよかったです。またいつでも、遊びにいらしてください」
彼女はふんわりと、美しく微笑んだ。それを見てジェフも嬉しそうに微笑んだ。
「次はエルが長期遠征中に来るよ」
そんなとんでもないことを言って、クリスのおでこにちゅっとキスをした。クリスは何をされたのかわからず、ポカンとしている。
「ジェフ! 触るな」
これから俺がいない時は、絶対こいつを家に入れるなと使用人達に徹底させる。俺は怒りでわなわなと身体中が震える。あいつ……俺のクリスにキスを……! 例えおでこでも許せない。
「ただの別れの挨拶だろ? 怒んなよ。じゃあ、失礼するよ。エル、また明日な」
そして、嵐のように去って行った。クリスはやっと何をされたのかわかったようで、ポッと頬を染めた。俺は不機嫌に彼女のおでこを、自分のシャツで擦ってからチュッとキスをした。
「気をつけてくれ。俺はたとえおでこでも……君が他の男にキスされるのは嫌だ」
「は、はい」
俺は彼女をひょいと横抱きにして、夫婦の寝室のベッドに優しくおろした。オリバーには隣の部屋に軽食と飲み物を用意してもらうように言い、その後は朝まで誰も近付くなと指示してある。
――つまり、そういうことだ。
「今からクリスを愛したい」
「えっ!? でもまだ夕方ですし……」
「夕方だね。俺の愛を伝えるには、時間が足りないくらいかも。クリス不足で死にそうだから助けてくれ」
俺は甘えるようにそう言って、熱く濃厚なキスをした。
「ま、待ってください。先にお風呂……入らせてください」
「これ以上待てない。大丈夫だよ、俺は試合の後シャワーしたから安心して」
「私が困りますっ! だ、だめ……! 出掛けて汗かいてるから近付かないでください。汚いから」
「どこも綺麗だ。それに君のいい匂いがする。どうしても君が嫌ならやめるけど……俺はこのまま愛したい。だめかな?」
俺はずっとこうしてみたかった。嫌がるかなとずっと言い出せなかったけど。だってこの方が君の甘い香りがするから。
俺は懇願するように甘く潤んだ目で、彼女をじっと見つめた。
「その顔はずるいです」
「後で一緒に入ろう」
「そんな……無理で……す……あっ……」
了承されたと都合よく解釈して、結局そのまま愛し合った。数日ぶりの触れ合いな上に、まだ明るい外やお風呂に入っていないという羞恥心も相まって……お互い普段の何倍も盛り上がってしまった。
「まだ触れていないのに、ここはもう気持ちよさそうだね。どうして?」
「言わない……で」
「キスだけで感じるなんて、可愛いな」
クリスの美しく柔らかい膨らみの先端は、もうツンと存在感をもっている。俺は胸を手で中心に寄せて、両方同時に舐めた。
「ああっ……だめ……りょう……ほう……」
「クリスは同時にされるの好きだろ」
「んんっ……! んっ……」
「可愛い」
そのまま舐めたり吸ったりしてると、クリスが何かに耐えるように俺の背中に縋り付いてきた。
それを見た俺は、舌を離して指で両方の先端を摘んで強めにピンと弾いた。
「ああっ……!」
その瞬間、クリスの背中は大きく弓形になって震えた。
「……上手にイけて偉いね」
胸だけで快感を得ることができたクリスを、優しく甘く褒めながら下に手を伸ばした。
そこはもうたっぷりと蜜が溢れていた。それは俺と繋がりたいと言ってくれているようで、嬉しくて興奮してしまう。
つぷりと指を入れると、何の抵抗もなく中に迎え入れてくれた。熱くて気持ちがいい。
「……もう限界だ」
俺は下着に手をかけて、熱をもった昂りを取りだした。
「なんか……いつもより……」
クリスが頬を染めながら、俺のをチラチラと見つめている。
「可愛いクリスのせいでこうなった」
「あの……ちょっと待ってください。まだ……さっきの余韻が」
「もう待てない。クリスの好きな場所、いっぱいしてあげるから」
彼女の美しくスラッとした両足を抱え上げ、まだビクビクと痙攣しているクリスの中に一気に昂りを沈めた。
「あっ……!」
「くっ……すごいな……」
気を抜けばすぐに果ててしまいそうな程、気持ちがいい。歯を食いしばってその快感を逃し、奥を何度も突き上げた。もうクリスの感じる場所は、熟知している。
「エルっ……エルっ……」
「クリス……クリス……」
お互いの名前を呼び合いながら、俺はクリスの中で果てた。
好きな人と触れ合うことは、どうしてこんなに幸せで甘いのだろうか。
「好きだ……愛してる」
なんて可愛いのだろう。可愛いのに綺麗で……俺の前では色っぽくもなるクリスが堪らない。今もとろんと蕩けた顔で、俺を見つめている。
その顔をみるとまた欲望がむくむくと出てきそうになるが、一度お風呂に入れてあげないと……と自分にブレーキをかけた。
「なんだか……ジェフ様にエルを盗られたようで寂しかった」
「……え?」
「だって……あなたは一晩中ジェフ様と一緒にいるから。久々に戻って来られたのだから、私だってかまって欲しかっ……た」
まさか、彼女はジェフ相手に嫉妬しているというのか? な……なんてことだ。
「かまって欲しかったのか?」
「はい……ご、ごめんなさい! 私が別に寝ると言ったのに我儘ですよね。しかもあなたの親友の方に嫉妬するなんて、変ですよね」
彼女はオロオロと視線を彷徨わせた後、恥ずかしかったのかシーツを被った。それをゆっくりめくって、顔を覗き込んだ。
「変じゃない……なんて可愛いんだ。悪かった、せっかくの休みだったのに君と過ごせなかった。お詫びに……もっと俺に愛を伝えさせて」
「愛してる」
「君だけだよ」
「可愛い」
結局彼女を風呂に入れてあげれたのは、朝方だった。クリスが可愛すぎるので、体位を変えて何度も愛し合ってしまった。
疲れて俺に身を任せてる彼女の身体を、丁寧に洗っていく。これも幸せだが、今度は元気な状態の時にイチャイチャしながら一緒に入りたいなと思った。
彼女を拭いて、夜着を着せて……俺の部屋に運ぶ。夫婦の寝室のシーツが汚れているからだ。
「おやすみ」
俺は仕事までのあと僅かな時間、彼女を優しく抱きしめて眠ることにした。なんて心地よくて幸せなんだ。
扉のノックの音で目が覚めた。いつもなら朝の準備に入ってくるオリバーも、今朝は勝手には開かない。
「旦那様、おはようございます。そろそろお時間です」
「おはよう。ありがとう、一人で準備できるから入って来ないでくれ」
「かしこまりました」
優秀なオリバーはスッと離れて行った。俺は隣で眠る彼女の寝顔を別の男に見られたくない。例えそれがオリバーでも。だから、二人で寝た翌朝は侍女に世話を頼んでいた。
「無理をさせたね。まだゆっくりおやすみ」
俺は唇に軽いキスをして、身なりを整え部屋を静かに出た。ノエルに「クリスが起きたら何か食べさせてやって欲しい」と伝え、朝食を食べて仕事場へ向かった。
ジェフのその言葉に、俺は自然と笑みが溢れる。
「そんな喜ぶの酷くないか? 今夜はお前の金で街の高級ホテル泊まるからな!」
「いいぞ、そうしろ」
こいつがいなくなれば、今夜はクリスとゆっくりできる。明日から仕事だが……俺はそんなの全然問題ない。
「そんで、明日お前の騎士団連中を冷やかしてから王都戻るわ。エドは強くなった?」
「それは助かるな、鍛え直してくれ。エドは前より強くなったよ。今は隊長してる」
「そうか。ガキだと思ってたけど、成長が早いねえ。男前で強くてモテる男はシメとかねえとな。俺とキャラ被るなんて許せないぜ」
そんなことを言っているが、実際はエドを可愛がっていることを知っている。
「被ってない。エドのが人懐っこくて素直で可愛いぞ。お前みたいに捻くれてない」
「馬鹿だなぁ。男はミステリアスで、少し悪い方がモテんだよ。エドは顔と性格が良いだけ……女は物足りないはずさ。だから、あいつはまだまだだな」
ジェフはニヤリと笑い、荷物をまとめて帰り支度をしている。帰ると決めたら行動は早い。
「ジェフ様、帰られるのですか? お怪我されているのに大丈夫でしょうか?」
クリスが気が付いて、心配そうに駆け寄ってきた。パタパタと走る姿が可愛い。でも、そいつの傍から一刻も早く離れてほしい。
「クリスティンちゃんの可愛い顔見たら、痛いの治った」
「……っ! そ、そんなはずありません」
「ふふ、本当だよ。騎士はこれくらいではなんてことないんだ。世話になったね、ありがとう。クリスティンちゃんに会えてよかったよ」
「はい、私もジェフ様にお会いできてよかったです。またいつでも、遊びにいらしてください」
彼女はふんわりと、美しく微笑んだ。それを見てジェフも嬉しそうに微笑んだ。
「次はエルが長期遠征中に来るよ」
そんなとんでもないことを言って、クリスのおでこにちゅっとキスをした。クリスは何をされたのかわからず、ポカンとしている。
「ジェフ! 触るな」
これから俺がいない時は、絶対こいつを家に入れるなと使用人達に徹底させる。俺は怒りでわなわなと身体中が震える。あいつ……俺のクリスにキスを……! 例えおでこでも許せない。
「ただの別れの挨拶だろ? 怒んなよ。じゃあ、失礼するよ。エル、また明日な」
そして、嵐のように去って行った。クリスはやっと何をされたのかわかったようで、ポッと頬を染めた。俺は不機嫌に彼女のおでこを、自分のシャツで擦ってからチュッとキスをした。
「気をつけてくれ。俺はたとえおでこでも……君が他の男にキスされるのは嫌だ」
「は、はい」
俺は彼女をひょいと横抱きにして、夫婦の寝室のベッドに優しくおろした。オリバーには隣の部屋に軽食と飲み物を用意してもらうように言い、その後は朝まで誰も近付くなと指示してある。
――つまり、そういうことだ。
「今からクリスを愛したい」
「えっ!? でもまだ夕方ですし……」
「夕方だね。俺の愛を伝えるには、時間が足りないくらいかも。クリス不足で死にそうだから助けてくれ」
俺は甘えるようにそう言って、熱く濃厚なキスをした。
「ま、待ってください。先にお風呂……入らせてください」
「これ以上待てない。大丈夫だよ、俺は試合の後シャワーしたから安心して」
「私が困りますっ! だ、だめ……! 出掛けて汗かいてるから近付かないでください。汚いから」
「どこも綺麗だ。それに君のいい匂いがする。どうしても君が嫌ならやめるけど……俺はこのまま愛したい。だめかな?」
俺はずっとこうしてみたかった。嫌がるかなとずっと言い出せなかったけど。だってこの方が君の甘い香りがするから。
俺は懇願するように甘く潤んだ目で、彼女をじっと見つめた。
「その顔はずるいです」
「後で一緒に入ろう」
「そんな……無理で……す……あっ……」
了承されたと都合よく解釈して、結局そのまま愛し合った。数日ぶりの触れ合いな上に、まだ明るい外やお風呂に入っていないという羞恥心も相まって……お互い普段の何倍も盛り上がってしまった。
「まだ触れていないのに、ここはもう気持ちよさそうだね。どうして?」
「言わない……で」
「キスだけで感じるなんて、可愛いな」
クリスの美しく柔らかい膨らみの先端は、もうツンと存在感をもっている。俺は胸を手で中心に寄せて、両方同時に舐めた。
「ああっ……だめ……りょう……ほう……」
「クリスは同時にされるの好きだろ」
「んんっ……! んっ……」
「可愛い」
そのまま舐めたり吸ったりしてると、クリスが何かに耐えるように俺の背中に縋り付いてきた。
それを見た俺は、舌を離して指で両方の先端を摘んで強めにピンと弾いた。
「ああっ……!」
その瞬間、クリスの背中は大きく弓形になって震えた。
「……上手にイけて偉いね」
胸だけで快感を得ることができたクリスを、優しく甘く褒めながら下に手を伸ばした。
そこはもうたっぷりと蜜が溢れていた。それは俺と繋がりたいと言ってくれているようで、嬉しくて興奮してしまう。
つぷりと指を入れると、何の抵抗もなく中に迎え入れてくれた。熱くて気持ちがいい。
「……もう限界だ」
俺は下着に手をかけて、熱をもった昂りを取りだした。
「なんか……いつもより……」
クリスが頬を染めながら、俺のをチラチラと見つめている。
「可愛いクリスのせいでこうなった」
「あの……ちょっと待ってください。まだ……さっきの余韻が」
「もう待てない。クリスの好きな場所、いっぱいしてあげるから」
彼女の美しくスラッとした両足を抱え上げ、まだビクビクと痙攣しているクリスの中に一気に昂りを沈めた。
「あっ……!」
「くっ……すごいな……」
気を抜けばすぐに果ててしまいそうな程、気持ちがいい。歯を食いしばってその快感を逃し、奥を何度も突き上げた。もうクリスの感じる場所は、熟知している。
「エルっ……エルっ……」
「クリス……クリス……」
お互いの名前を呼び合いながら、俺はクリスの中で果てた。
好きな人と触れ合うことは、どうしてこんなに幸せで甘いのだろうか。
「好きだ……愛してる」
なんて可愛いのだろう。可愛いのに綺麗で……俺の前では色っぽくもなるクリスが堪らない。今もとろんと蕩けた顔で、俺を見つめている。
その顔をみるとまた欲望がむくむくと出てきそうになるが、一度お風呂に入れてあげないと……と自分にブレーキをかけた。
「なんだか……ジェフ様にエルを盗られたようで寂しかった」
「……え?」
「だって……あなたは一晩中ジェフ様と一緒にいるから。久々に戻って来られたのだから、私だってかまって欲しかっ……た」
まさか、彼女はジェフ相手に嫉妬しているというのか? な……なんてことだ。
「かまって欲しかったのか?」
「はい……ご、ごめんなさい! 私が別に寝ると言ったのに我儘ですよね。しかもあなたの親友の方に嫉妬するなんて、変ですよね」
彼女はオロオロと視線を彷徨わせた後、恥ずかしかったのかシーツを被った。それをゆっくりめくって、顔を覗き込んだ。
「変じゃない……なんて可愛いんだ。悪かった、せっかくの休みだったのに君と過ごせなかった。お詫びに……もっと俺に愛を伝えさせて」
「愛してる」
「君だけだよ」
「可愛い」
結局彼女を風呂に入れてあげれたのは、朝方だった。クリスが可愛すぎるので、体位を変えて何度も愛し合ってしまった。
疲れて俺に身を任せてる彼女の身体を、丁寧に洗っていく。これも幸せだが、今度は元気な状態の時にイチャイチャしながら一緒に入りたいなと思った。
彼女を拭いて、夜着を着せて……俺の部屋に運ぶ。夫婦の寝室のシーツが汚れているからだ。
「おやすみ」
俺は仕事までのあと僅かな時間、彼女を優しく抱きしめて眠ることにした。なんて心地よくて幸せなんだ。
扉のノックの音で目が覚めた。いつもなら朝の準備に入ってくるオリバーも、今朝は勝手には開かない。
「旦那様、おはようございます。そろそろお時間です」
「おはよう。ありがとう、一人で準備できるから入って来ないでくれ」
「かしこまりました」
優秀なオリバーはスッと離れて行った。俺は隣で眠る彼女の寝顔を別の男に見られたくない。例えそれがオリバーでも。だから、二人で寝た翌朝は侍女に世話を頼んでいた。
「無理をさせたね。まだゆっくりおやすみ」
俺は唇に軽いキスをして、身なりを整え部屋を静かに出た。ノエルに「クリスが起きたら何か食べさせてやって欲しい」と伝え、朝食を食べて仕事場へ向かった。
81
お気に入りに追加
1,181
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる