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番外編
あなたがいれば
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ゴロゴロゴロゴロ……ピッシャーン!
「きゃあーっ!」
打ちつけるようなザーザーとした雨と共に、雷が光ってけたたましい音が鳴っている。私は寝室で一人枕を抱きながらシーツに包まってガタガタと震えていた。
――雷怖い。なにあの音。
まだランディ様は戻られていない。だからしっかりしなくてはいけないのに、やはり怖い。ファンタニエ領が貧しくなった原因である大飢饉は、天候不良によるものだった。あの日……激しい大雨で川が溢れて作物が全てダメになったのだ。そのトラウマもあり、余計にこんな天気は苦手だった。
さっきまで私はこの家の女主人として、毅然としていなければとテキパキと指示をして使用人達に動いてもらっていた。
優秀な皆は素早く雨戸を閉めたり外にある風で飛びそうな危ないものを引き上げたりしてくれた。外にある馬小屋もなるべく風が入らないようして、今のところ被害はないらしい。
「みんな協力ありがとう。外に出て濡れてしまった人は、遠慮なく先にお風呂に入って温まってね」
「奥様、ありがとうございます」
そう言ったまでは良かった。みんなもいたし、しっかりしなければと気を張っていたから怖くなかった。だけど部屋に一人になると怖い。ガタガタと大きく震える窓……雨戸を閉めていても隙間から雷がビカビカと光っているのがわかる。
この大雨ならランディ様はきっと戻って来られないだろう。きっと宿舎に泊まられるはずだ。恥ずかしいけれど、ミアと一緒に寝てもらおうかしら。いや、もう大人でこの家の女主人なのにそんなこと頼めない。
そんな時、玄関がガタガタと大きな音がした。そんなまさか……もしかして!
私は急いで階段を下りると、そこには全身ぐっしょりと濡れているランディ様が立っていた。
「ランディ様っ!今日は宿舎にお泊まりになられるかと思っていました」
「騎士団の馬を借りてなんとか帰って来られた。雷が苦手なヴィヴィが心配でね」
――私が心配で?
ランディ様は私が怖がっているかもしれないと思って、わざわざ帰ってきてくださったの?
彼は玄関でタオルを受け取り、乱暴にゴシゴシと髪や身体を拭いている。私はぎゅっとランディ様に抱きついた。全身とても冷たい。彼がかなり無理をして、ここまで帰って来てくださったことがわかる。
「ヴィヴィ!そんなことをしては君も濡れてしまう。それに冷えてしまうから離れてくれ」
「離れません。お帰りなさいませ。ここに帰ってきてくださって嬉しい」
「……困った奥さんだ。ただいま」
彼にちゅっと唇を吸われたが、やはり氷のように冷たい。顔が離れた瞬間、彼は私を横抱きにした。
「風邪をひいてはいけないから、このまま風呂に入ろう」
「はい。ゆっくり温まってくださいませ」
「何を言ってるんだ?二人で入るんだ」
そんなとんでもないことを言われて、私はバタバタともがいて抵抗したが彼はご機嫌なままズンズンと部屋に進んで行った。
「お湯は沸かしてありますので」
テッドがそう言うと「さすがは優秀な俺の執事だ」と満足そうに笑い、ランディ様は寝室のお風呂に直行した。彼にくっついたことで濡れて肌に張り付いてしまった服をあっという間に脱がされ……泡をたっぷりつけて丁寧に髪や身体を洗われて今はお湯の中にいる。そしてランディ様は自分の身体も洗い終え、お湯の中に入ってきた。
「ああ、温まるな」
彼は私を後ろからぎゅっと抱き締めた。そして首筋にちゅっちゅと吸い付いてくる。
「やっ……ランディ様、くすぐったいです」
「こんな魅力的な君を前にして、触れずにいられるはずがない」
「あ、明るくて恥ずかしいです」
ランディ様とはもう何度も肌を合わせているが、一緒にお風呂に入ったのは初めてだ。勝手に入れられている時はあるが……意識のある時は初めて。
「もう身体の隅々まで知ってるのに、まだ恥ずかしいのか?」
そう言われて私は真っ赤になった。もしかしたら、私の身体のことは私よりもランディ様の方が詳しいかもしれないのだから。
彼の大きな手が私の胸辺りをふにふにと怪しく触っている。
「んっ……だめです。悪戯しないでください」
「柔らかくて気持ちいいな。蕩けそうだ」
「は、恥ずかしいです」
「照れてるヴィヴィも可愛い」
くるりと、彼と対面するように抱き直されて口付けをされた。ちゅっちゅ、とだんだん濃厚になっていき……頭がぼーっとする。
「名残惜しいけれど、このままだとのぼせてしまうな。あがろうか」
彼にふかふかのタオルで身体や髪を拭かれる。自分の身体は適当に拭く彼だが、私を拭いてくれる時はとても丁寧に優しく水気を取ってくれた。
素肌にタオル生地のガウンを羽織らされ、すぐに横抱きにされた。
「あ、あの……服……」
私が真っ赤になってもじもじとそう伝えると、ランディ様は艶っぽく笑った。
「いらないだろ?」
「……っ!」
それはつまり。そういうことですよね!?そして、ゆっくりとベッドにおろされた。
その瞬間に強い風が吹いてガタガタと窓が大きく震えて、身体がピクリと強張った。
「大丈夫、俺がいる。何があっても守るから」
ランディ様にキスをされ、大きな手で頭を撫でられた。すると一人だとあんなに怖かったはずなのに、すっかり怖くなくなってしまった。我ながら現金なものだ。
「俺だけ感じてて」
その言葉通り、外の激しい雷や雨を気にする暇もないくらい彼に沢山愛された。
「ヴィヴィ、おやすみ」
その優しい声を聞きながら、いつの間にかすやすやと眠りについた。ランディ様の腕の中は、私にとってこの世で一番安心で安全な場所だから。
私は明るい日差しで目を覚ました。ベッドからゆっくり起き上がると、彼が振り向いた。
「おはよう。すまない、さっき窓を開けたんだ。眩しくて起こしてしまったな」
「いえ。晴れたのですね」
「ああ、こっちに来て外を見てくれ」
彼が手招きするところまで行き、窓から顔を出した。そこは見事な景色だった。
「うわぁ……!綺麗ですね」
外は晴天で、大きな虹がかかっていた。私はこんなにハッキリと虹を見たことがなかった。
「虹は幸運の象徴だ。ある国では『雨が降らないと虹は出ない』という言葉があるらしい。雨という困難がなければ虹という幸運は来ないそうだ」
「いい言葉ですね」
興奮してつい身を乗り出した私を「危ない」と肩を抱き寄せてくれた。
「朝早く家を出て、街の様子も見てきたが川の水が増えていただけで何も問題はなかった。安心してくれ。もう晴れているし、きっとファンタニエ領も問題ないだろう」
「えっ!?すでに外に出られたのですか。何も知らずに寝てしまっていて……申し訳ありません」
私は全く気が付かずに、今まで爆睡していたことが恥ずかしくなった。
「いいんだ。ヴィヴィが気にするかと思って、勝手にしただけだ」
そう言って微笑んだ彼を見て、私は泣きそうになった。彼はきっと知っていたのだ。私が雷や大雨が苦手なこと、そしてあの日のファンタニエ領の氾濫がトラウマになっていることを。
ベルナール家の支援のおかげで、今はファンタニエ領も雨の影響を受けないように堤防を作ることができている。
「ランディ様、ありがとうございます」
「結婚する前にね、義父上に聞いていたんだ。ヴィヴィは雷が苦手だから、その時は傍にいてくれと。帰るのが遅くなって悪かった。使用人達は君がテキパキと指示してくれたと言っていた。君は立派だな」
そんなことを言いながら、頭をよしよしと撫でて褒めてくださった。
「ランディ様がいてくださったら、雨も雷も全然怖くありませんでした。こんなの初めてです」
「それは良かった。俺はヴィヴィの不安を全て取り除いてあげたいから」
ランディ様は目を細めて、私の頬をするりと撫でた。嬉しさと恥ずかしさで頬が赤く染まる。
「私もあなたの不安を全て取り除いてあげたいです!きっとランディ様の力になりますからなんでも仰ってくださいね!」
私が得意気に胸をドンと叩いて大きな声でそう伝えると、彼は優しく微笑んだ。
「ありがとう、でも何もいらない。俺はヴィヴィが隣にいてくれるだけで、強くなれるから」
「ランディ様……」
「雨もやんだし、心配はなくなったな。まだ朝は早い。もう一回寝よう」
真剣な表情だったランディの様が急にパッと笑顔になって、手を引かれ……一瞬のうちに私はベッドに逆戻りになった。
この日を境に、私は一人でも雷や大雨も怖くなくなった。これは愛する旦那様のおかげだが『もっと俺に甘えてくれていいのに……』と天候が悪くなるたびランディ様が拗ねるようになってしまった。
でも仕方がない。ランディ様がいてくだされば、私はいくらでも強くなれるのだから。
END
………………………………………………
これで本編、番外編ともに最後になります。
二人の恋を皆様に応援していただき幸せでした。
感想もとても嬉しいです。
たくさんの小説がある中、最後までお読みいただきありがとうございました。
大森 樹
………………………………………………
「きゃあーっ!」
打ちつけるようなザーザーとした雨と共に、雷が光ってけたたましい音が鳴っている。私は寝室で一人枕を抱きながらシーツに包まってガタガタと震えていた。
――雷怖い。なにあの音。
まだランディ様は戻られていない。だからしっかりしなくてはいけないのに、やはり怖い。ファンタニエ領が貧しくなった原因である大飢饉は、天候不良によるものだった。あの日……激しい大雨で川が溢れて作物が全てダメになったのだ。そのトラウマもあり、余計にこんな天気は苦手だった。
さっきまで私はこの家の女主人として、毅然としていなければとテキパキと指示をして使用人達に動いてもらっていた。
優秀な皆は素早く雨戸を閉めたり外にある風で飛びそうな危ないものを引き上げたりしてくれた。外にある馬小屋もなるべく風が入らないようして、今のところ被害はないらしい。
「みんな協力ありがとう。外に出て濡れてしまった人は、遠慮なく先にお風呂に入って温まってね」
「奥様、ありがとうございます」
そう言ったまでは良かった。みんなもいたし、しっかりしなければと気を張っていたから怖くなかった。だけど部屋に一人になると怖い。ガタガタと大きく震える窓……雨戸を閉めていても隙間から雷がビカビカと光っているのがわかる。
この大雨ならランディ様はきっと戻って来られないだろう。きっと宿舎に泊まられるはずだ。恥ずかしいけれど、ミアと一緒に寝てもらおうかしら。いや、もう大人でこの家の女主人なのにそんなこと頼めない。
そんな時、玄関がガタガタと大きな音がした。そんなまさか……もしかして!
私は急いで階段を下りると、そこには全身ぐっしょりと濡れているランディ様が立っていた。
「ランディ様っ!今日は宿舎にお泊まりになられるかと思っていました」
「騎士団の馬を借りてなんとか帰って来られた。雷が苦手なヴィヴィが心配でね」
――私が心配で?
ランディ様は私が怖がっているかもしれないと思って、わざわざ帰ってきてくださったの?
彼は玄関でタオルを受け取り、乱暴にゴシゴシと髪や身体を拭いている。私はぎゅっとランディ様に抱きついた。全身とても冷たい。彼がかなり無理をして、ここまで帰って来てくださったことがわかる。
「ヴィヴィ!そんなことをしては君も濡れてしまう。それに冷えてしまうから離れてくれ」
「離れません。お帰りなさいませ。ここに帰ってきてくださって嬉しい」
「……困った奥さんだ。ただいま」
彼にちゅっと唇を吸われたが、やはり氷のように冷たい。顔が離れた瞬間、彼は私を横抱きにした。
「風邪をひいてはいけないから、このまま風呂に入ろう」
「はい。ゆっくり温まってくださいませ」
「何を言ってるんだ?二人で入るんだ」
そんなとんでもないことを言われて、私はバタバタともがいて抵抗したが彼はご機嫌なままズンズンと部屋に進んで行った。
「お湯は沸かしてありますので」
テッドがそう言うと「さすがは優秀な俺の執事だ」と満足そうに笑い、ランディ様は寝室のお風呂に直行した。彼にくっついたことで濡れて肌に張り付いてしまった服をあっという間に脱がされ……泡をたっぷりつけて丁寧に髪や身体を洗われて今はお湯の中にいる。そしてランディ様は自分の身体も洗い終え、お湯の中に入ってきた。
「ああ、温まるな」
彼は私を後ろからぎゅっと抱き締めた。そして首筋にちゅっちゅと吸い付いてくる。
「やっ……ランディ様、くすぐったいです」
「こんな魅力的な君を前にして、触れずにいられるはずがない」
「あ、明るくて恥ずかしいです」
ランディ様とはもう何度も肌を合わせているが、一緒にお風呂に入ったのは初めてだ。勝手に入れられている時はあるが……意識のある時は初めて。
「もう身体の隅々まで知ってるのに、まだ恥ずかしいのか?」
そう言われて私は真っ赤になった。もしかしたら、私の身体のことは私よりもランディ様の方が詳しいかもしれないのだから。
彼の大きな手が私の胸辺りをふにふにと怪しく触っている。
「んっ……だめです。悪戯しないでください」
「柔らかくて気持ちいいな。蕩けそうだ」
「は、恥ずかしいです」
「照れてるヴィヴィも可愛い」
くるりと、彼と対面するように抱き直されて口付けをされた。ちゅっちゅ、とだんだん濃厚になっていき……頭がぼーっとする。
「名残惜しいけれど、このままだとのぼせてしまうな。あがろうか」
彼にふかふかのタオルで身体や髪を拭かれる。自分の身体は適当に拭く彼だが、私を拭いてくれる時はとても丁寧に優しく水気を取ってくれた。
素肌にタオル生地のガウンを羽織らされ、すぐに横抱きにされた。
「あ、あの……服……」
私が真っ赤になってもじもじとそう伝えると、ランディ様は艶っぽく笑った。
「いらないだろ?」
「……っ!」
それはつまり。そういうことですよね!?そして、ゆっくりとベッドにおろされた。
その瞬間に強い風が吹いてガタガタと窓が大きく震えて、身体がピクリと強張った。
「大丈夫、俺がいる。何があっても守るから」
ランディ様にキスをされ、大きな手で頭を撫でられた。すると一人だとあんなに怖かったはずなのに、すっかり怖くなくなってしまった。我ながら現金なものだ。
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「ヴィヴィ、おやすみ」
その優しい声を聞きながら、いつの間にかすやすやと眠りについた。ランディ様の腕の中は、私にとってこの世で一番安心で安全な場所だから。
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「おはよう。すまない、さっき窓を開けたんだ。眩しくて起こしてしまったな」
「いえ。晴れたのですね」
「ああ、こっちに来て外を見てくれ」
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「うわぁ……!綺麗ですね」
外は晴天で、大きな虹がかかっていた。私はこんなにハッキリと虹を見たことがなかった。
「虹は幸運の象徴だ。ある国では『雨が降らないと虹は出ない』という言葉があるらしい。雨という困難がなければ虹という幸運は来ないそうだ」
「いい言葉ですね」
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「いいんだ。ヴィヴィが気にするかと思って、勝手にしただけだ」
そう言って微笑んだ彼を見て、私は泣きそうになった。彼はきっと知っていたのだ。私が雷や大雨が苦手なこと、そしてあの日のファンタニエ領の氾濫がトラウマになっていることを。
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「ランディ様、ありがとうございます」
「結婚する前にね、義父上に聞いていたんだ。ヴィヴィは雷が苦手だから、その時は傍にいてくれと。帰るのが遅くなって悪かった。使用人達は君がテキパキと指示してくれたと言っていた。君は立派だな」
そんなことを言いながら、頭をよしよしと撫でて褒めてくださった。
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「それは良かった。俺はヴィヴィの不安を全て取り除いてあげたいから」
ランディ様は目を細めて、私の頬をするりと撫でた。嬉しさと恥ずかしさで頬が赤く染まる。
「私もあなたの不安を全て取り除いてあげたいです!きっとランディ様の力になりますからなんでも仰ってくださいね!」
私が得意気に胸をドンと叩いて大きな声でそう伝えると、彼は優しく微笑んだ。
「ありがとう、でも何もいらない。俺はヴィヴィが隣にいてくれるだけで、強くなれるから」
「ランディ様……」
「雨もやんだし、心配はなくなったな。まだ朝は早い。もう一回寝よう」
真剣な表情だったランディの様が急にパッと笑顔になって、手を引かれ……一瞬のうちに私はベッドに逆戻りになった。
この日を境に、私は一人でも雷や大雨も怖くなくなった。これは愛する旦那様のおかげだが『もっと俺に甘えてくれていいのに……』と天候が悪くなるたびランディ様が拗ねるようになってしまった。
でも仕方がない。ランディ様がいてくだされば、私はいくらでも強くなれるのだから。
END
………………………………………………
これで本編、番外編ともに最後になります。
二人の恋を皆様に応援していただき幸せでした。
感想もとても嬉しいです。
たくさんの小説がある中、最後までお読みいただきありがとうございました。
大森 樹
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