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本編
9 子犬
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家に着くと「お二人ともお帰りなさいませ」と使用人達がお出迎えをしてくれた。何故かよくわからないが、みんなニコニコと嬉しそうだ。何かいいことでもあったのかな?
「疲れた。俺は寝る」
どうやら旦那様はまだ寝不足らしく、モーニングも取らずにお休みになられるようだ。もしかして昨日眠れなかったのかな?
「あの!」
「……なんだ?」
「抱き枕が必要になったら、いつでも呼んでくださいね?」
私がへらりと笑ってそう言うと、彼は「不要だ!」と扉をバタンと乱暴に閉めた。
「あー……怒らせちゃったかしら。冗談だったのに」
私は拗ねて唇を尖らせた。いや、半分冗談で半分本気だったけれど。
「ふふ、旦那様は素直じゃありませんからね。さあ、モーニングの用意できてますよ」
「はーい!今日は何かしら」
私はご機嫌にモーニングを食べて、お庭を散歩して……庭師に部屋に飾るお花を沢山切り分けてもらい、部屋ごとに生けて行った。そしてテラスでランチを食べ……旦那様のハンカチの刺繍を完成させ幸せな一日を過ごした。
旦那様は夜まで部屋でお休みになられていたが、会えなくても彼がこの家にいるのだと思ったら気分が違う。なんだか楽しいし、嬉しいのだ。
そしてディナーの時間に旦那様は、リビングに下りて来てくださった。すごくスッキリした顔をされていて、目の下の隈も消えていた。ああ、良かったわ。
「お元気になられて良かったです!」
「……ああ」
「ディナー食べましょう!シェフが旦那様はお腹が減っているだろうと沢山作ってくれましたよ」
テーブルには豪華なご飯が並べられていた。彼と一緒のご飯も久しぶりなので、すごく嬉しい。
「なんだか君は犬みたいだな」
「いぬ……」
「私の後を追いかけてくる子犬だ」
何故犬なのか?しかも子犬。男性が愛おしい彼女を甘い言葉で呼ぶときは『猫』のはずだ。私の愛おしい子猫ちゃんとか……そういうの。なぜか子犬は恋人にはなれない。
「……どうせなら猫がいいです」
私はムッとしてちょっと怒ったように、旦那様を見つめた。
「君に猫の要素はない。絶対に犬だ、子犬」
それが『女性扱いはしないぞ』と言われているようで嫌だった。ぶすくれた私に気が付いたミアが、フォローを入れてくれる。
「旦那様、奥様を犬とか猫とか言うのは大変失礼です。やめてくだいませ」
「小さくて可愛らしく素直だという意味で言っただけだ」
はいはい、人間の女ではなく犬みたいに可愛いってことですね。わかりましたよ。
「油断されていたら、私はあっという間に大型犬になりますからお気をつけくださいまし」
「くくっ、そうか。沢山食べて早く大きくなりなさい。ほら、俺の分も食べろ」
旦那様は面白そうに笑っていた。そして自分のお皿から私の好物だけを選んで、分けてくださった。彼は私の好きな物をよくご存知だ。一見私のことなんて興味がなさそうなのに……そういう気遣いが優しくて困る。
もう大人な私はおそらく、どれだけ栄養を取ってもこれ以上は身長は伸びない。つまりは彼好みのセクシーボンキュッボン女性にはなれる見込みがないことが哀しい。
「ああ、そういえば来週に第一王子の生誕祭を兼ねた舞踏会がある。これは流石に欠席ができぬから、すまないがパートナーとして付き合ってくれないか」
パートナー……私が彼の横に立ってもいいの!?結婚してから二人で舞踏会に参加したことはなかった。旦那様は、私と行くのが嫌なんだろうなと思っていたのに。
「いいのですか!?行きたいです」
「……あ、ああ。君は嫌ではないのか?俺のような年の離れた男とパーティに行くなんて」
「嫌なはずないではありませんか。精一杯努めさせていただきます」
私はこの時ウキウキしていた。旦那様と初めてのパーティ!しかも、彼がわざわざ私にドレスや宝石を用意してくれた。しかも彼の瞳と同じ紫色なことが私のテンションを上げさせた。それに紫だけどシフォン生地になってて、可愛らしいデザインになっていて私にピッタリだ。
「綺麗な紫色……いいのですか!?」
相手の瞳の色を身につけるのは、周囲にラブラブですよとアピールするようなものだ。
「なるべく円満な夫婦だと思われたいからな。周囲から色々詮索されるのは面倒だし、おそらくロドリー卿も来る。これくらいしておいた方がいいだろう」
なんとも色気のない理由だったが、それでも嬉しかった。
「では、旦那様も私の瞳の色をつけてくださるのですか?」
「ああ、タイとチーフをピンクにしようと思う」
うわー……それは嬉しい。それに振りだけど公式の場で仲良くしていいなんて幸せだ。
「あの!お願いがあります」
私はずっと思っていたことを勇気を出して言うことにした。
「なんだ?」
「旦那様に私の名前を呼んでいただきたいんです!いつも『君』って言われるので……ちょっと哀しいです。夫婦なのにお外でそれでは変です」
「ゔっ……!」
旦那様は急に嫌そうな顔をした。そんなに妻の名前を呼ぶのが嫌なのだろうか。
「名前……呼……と……情がうつる……」
なんかむにゃむにゃと小声で何かを言っているが、はっきりとは聞こえない。何か呼べない理由でもあるんだろうか。
「……ヴィヴィアンヌという名前は長いから呼びにくいんだ」
なるほど。確かに私の名前は長くて『君』の方が二文字だ。じゃあ良いことを思いついたと、私はパチンと手を叩いた。
「是非ヴィヴィと呼んでくださいませ。じゃあ短くて呼びやすいと思いますわ」
「ええ!?君を愛称で」
「ええ、呼んでみてくださいませ。さあ!」
私が背伸びをしながら、ずいっと彼の顔に詰め寄ると視線をあからさまに逸らされた。
「と、当日に呼ぶ。それに……君も『旦那様』ではなく愛称で呼ぶんだ。俺だけ恥ずかしいのは不公平だ!」
そう言われたので、当日のお楽しみにすることにした。不公平って……ランドルフ様の愛称ってなんだろう?ランディ様とかかな。
ドキドキしながら迎えた、舞踏会当日。旦那様は黒のジャケットでビシッと決めていて、とっても凛々しくて男前だった。約束通り、暗めのピンクのタイとチーフもしてくださっている。
私も素敵なドレスに似合うように、普段より丁寧にお化粧とヘアセットをしてもらった。
「お待たせしました」
「……似合っている」
「ありがとうございます。旦那様も素敵ですわ。ドレスとアクセサリーありがとうございました」
彼にエスコートされて、馬車に乗り込み王宮へ向かう。彼は窓の外をぼんやりと眺めていた。
「ランディ様、今夜は踊ってくださいますか?私舞踏会が久しぶりなので練習したんです!」
私が先に愛称で呼んでみると、彼は驚いた顔でぐるんとこちらを向いて真っ赤に頬を染めていた。
「はぁ!?ラ、ランディだと」
「愛称違いますか?ご希望があれば仰ってください」
「初めて……言われたから戸惑っただけだ。別に……それでいい」
ふふ、照れていらっしゃるようだ。ランディ様は案外こういうことを恥ずかしがられる傾向がある。大人な彼は恋愛も経験豊富そうなのに。
私も呼んでください!とばかりに期待に胸を膨らませて彼を見つめた。
「……ヴィヴィ」
小さな声でそう言ってくれたが、馬車の中で呼んでくれたのはその一回だけだった。
そして、王宮の舞踏会会場にたどり着いた。彼と一緒だと思うと嬉しくてドキドキしていた。
そして私のおねだり通り、ランディ様がダンスに誘ってくださった。身長差があって踊りにくいだろうに、彼がしっかりとリードしてくれて楽しく踊れて幸せだった。
「上手じゃないか」
「へへ、嬉しいです。ランディ様もさすがです!ダンスもお得意なんですね」
「……好きではないがな。だが、たまには良い」
そのたまの相手に私を選んでくださったことが光栄だった。しかし、その幸せは長くは続かなかった。
「ランドルフ様、今日も素敵ですわ」
「お久しぶりです。なかなか舞踏会来てくださらないから寂しかったです」
「一曲踊ってくださいませんか?」
彼はあっという間に色気ムンムンのボンキュッボンな肉食系のお姉様方に囲まれてしまったからだ。
――ランディ様、やっぱりモテるんだ。
腹の立つことに、群がる彼女達には私の姿は見えていないようだった。
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「……なんだ?」
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旦那様は夜まで部屋でお休みになられていたが、会えなくても彼がこの家にいるのだと思ったら気分が違う。なんだか楽しいし、嬉しいのだ。
そしてディナーの時間に旦那様は、リビングに下りて来てくださった。すごくスッキリした顔をされていて、目の下の隈も消えていた。ああ、良かったわ。
「お元気になられて良かったです!」
「……ああ」
「ディナー食べましょう!シェフが旦那様はお腹が減っているだろうと沢山作ってくれましたよ」
テーブルには豪華なご飯が並べられていた。彼と一緒のご飯も久しぶりなので、すごく嬉しい。
「なんだか君は犬みたいだな」
「いぬ……」
「私の後を追いかけてくる子犬だ」
何故犬なのか?しかも子犬。男性が愛おしい彼女を甘い言葉で呼ぶときは『猫』のはずだ。私の愛おしい子猫ちゃんとか……そういうの。なぜか子犬は恋人にはなれない。
「……どうせなら猫がいいです」
私はムッとしてちょっと怒ったように、旦那様を見つめた。
「君に猫の要素はない。絶対に犬だ、子犬」
それが『女性扱いはしないぞ』と言われているようで嫌だった。ぶすくれた私に気が付いたミアが、フォローを入れてくれる。
「旦那様、奥様を犬とか猫とか言うのは大変失礼です。やめてくだいませ」
「小さくて可愛らしく素直だという意味で言っただけだ」
はいはい、人間の女ではなく犬みたいに可愛いってことですね。わかりましたよ。
「油断されていたら、私はあっという間に大型犬になりますからお気をつけくださいまし」
「くくっ、そうか。沢山食べて早く大きくなりなさい。ほら、俺の分も食べろ」
旦那様は面白そうに笑っていた。そして自分のお皿から私の好物だけを選んで、分けてくださった。彼は私の好きな物をよくご存知だ。一見私のことなんて興味がなさそうなのに……そういう気遣いが優しくて困る。
もう大人な私はおそらく、どれだけ栄養を取ってもこれ以上は身長は伸びない。つまりは彼好みのセクシーボンキュッボン女性にはなれる見込みがないことが哀しい。
「ああ、そういえば来週に第一王子の生誕祭を兼ねた舞踏会がある。これは流石に欠席ができぬから、すまないがパートナーとして付き合ってくれないか」
パートナー……私が彼の横に立ってもいいの!?結婚してから二人で舞踏会に参加したことはなかった。旦那様は、私と行くのが嫌なんだろうなと思っていたのに。
「いいのですか!?行きたいです」
「……あ、ああ。君は嫌ではないのか?俺のような年の離れた男とパーティに行くなんて」
「嫌なはずないではありませんか。精一杯努めさせていただきます」
私はこの時ウキウキしていた。旦那様と初めてのパーティ!しかも、彼がわざわざ私にドレスや宝石を用意してくれた。しかも彼の瞳と同じ紫色なことが私のテンションを上げさせた。それに紫だけどシフォン生地になってて、可愛らしいデザインになっていて私にピッタリだ。
「綺麗な紫色……いいのですか!?」
相手の瞳の色を身につけるのは、周囲にラブラブですよとアピールするようなものだ。
「なるべく円満な夫婦だと思われたいからな。周囲から色々詮索されるのは面倒だし、おそらくロドリー卿も来る。これくらいしておいた方がいいだろう」
なんとも色気のない理由だったが、それでも嬉しかった。
「では、旦那様も私の瞳の色をつけてくださるのですか?」
「ああ、タイとチーフをピンクにしようと思う」
うわー……それは嬉しい。それに振りだけど公式の場で仲良くしていいなんて幸せだ。
「あの!お願いがあります」
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「なんだ?」
「旦那様に私の名前を呼んでいただきたいんです!いつも『君』って言われるので……ちょっと哀しいです。夫婦なのにお外でそれでは変です」
「ゔっ……!」
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「名前……呼……と……情がうつる……」
なんかむにゃむにゃと小声で何かを言っているが、はっきりとは聞こえない。何か呼べない理由でもあるんだろうか。
「……ヴィヴィアンヌという名前は長いから呼びにくいんだ」
なるほど。確かに私の名前は長くて『君』の方が二文字だ。じゃあ良いことを思いついたと、私はパチンと手を叩いた。
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「ええ、呼んでみてくださいませ。さあ!」
私が背伸びをしながら、ずいっと彼の顔に詰め寄ると視線をあからさまに逸らされた。
「と、当日に呼ぶ。それに……君も『旦那様』ではなく愛称で呼ぶんだ。俺だけ恥ずかしいのは不公平だ!」
そう言われたので、当日のお楽しみにすることにした。不公平って……ランドルフ様の愛称ってなんだろう?ランディ様とかかな。
ドキドキしながら迎えた、舞踏会当日。旦那様は黒のジャケットでビシッと決めていて、とっても凛々しくて男前だった。約束通り、暗めのピンクのタイとチーフもしてくださっている。
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「……似合っている」
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