1 / 35
本編
1 好みではない妻
しおりを挟む
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
それは好みの問題なので理解はできる。でもそれはわざわざ初夜の前に、本人に言わねばならぬことなのだろうか?無駄に傷付くんですけれど。
「だが……後継の問題もある。君には酷な話だと思うが、婚姻を結んだ以上は諦めてくれ」
「はい」
これはつまり全く私のことは好きではないが、子どもを授かるまではそういう行為はするという言い訳だろうか。
「いいのか……?」
何故か旦那様は、眉を顰めて怖い顔のまま私にそう尋ねた。いいも何も今日結婚してしまったし、後継の大切さは私も一応貴族令嬢なのでちゃんとわかっている。
「嫁ぐと決めた時に覚悟はしております。旦那様こそ大丈夫ですか?その……好みでない私でそういう気分になれます?」
私は不安だったことを聞くことにした。身体の大きな旦那様の顔を見るためには、首をかなり上げないといけないのでしんどい。
閨の教育を受けた時に、男性は好みでない女の前ではできない場合があると教わった。何がどうできないのか乙女の私には具体的にはよくわからないが、とりあえずできないらしい。だからこそ、妻は常に美しく着飾り旦那様に愛されるように努力しなければいけないそうだ。
「……問題ない」
彼は低く冷たい声でそう呟き、ぐっと唇を噛み締めた。なんだ、問題ないのか。事前に聞いていた話と違うらしい。
「女性なら誰でも大丈夫ってことですか?」
「……」
彼にギロリと睨まれて、私はこれは聞いてはいけなかったことなんだと手で口を押さえた。
「へ、変なことを聞いてすみません」
私は慌てて頭を下げた。しかしこの気まずい雰囲気をどうしたらいいかわからない。
「……誰でもいいわけじゃない。君が俺の妻だから抱く。それだけだ」
妻だから抱くのか。なんかぶっきらぼうな物言いだけど、女なら誰でも抱けると言われるよりはまだましかもしれない。
「見せるほどの身体でもありませんが、旦那様の好きになさってください」
私は意を決してそう言った。私が作法をわからない以上は旦那様に委ねるしかない。
「……そんな危ないことを、男の前で口にするものではないな」
旦那様は呆れるようにそう言った後、私の唇にキスをした。僅かに触れるだけだったが、結婚式の時もしたので二回目になる。そのまま軽いキスを何度かされた後、彼に頭をグッと抱え込まれ……食べられるような深い口付けをされた。
熱い舌が口内をなぞり、身体がゾクゾクする。そして激しい口付けをされながら、頭を優しく撫でられ続けた。
「んんっ……!」
色気のない変な声が漏れて恥ずかしい。そして息ができない。気持ちいいような苦しいような。キスってこんなものなの?でも旦那様は好みじゃない女にもこんなことできるんだと、複雑な気持ちになった。
苦しそうな私に気が付いて、彼はそっと唇を離した。彼はとても色っぽくって、旦那様は私と違って大人の男性なんだと再認識してしまった。
彼は私のガウンに手をかけ、するりとそれを脱がした。夜着はあえてセクシーな物を選んだ。恥ずかしいけれど、侍女のミアにこれくらいは普通ですと言われてしまった。
「……似合わないな」
旦那様は私の身体を凝視しながら、不機嫌そうにそう言った。そんなことは言われなくてもわかっている。童顔の私には白とかベビーピンクのリボンやフリルが沢山ついた可愛い系の方が似合う。
今身につけているのは、黒と紫を基調としていて蝶々の刺繍がされているかなり大人っぽいものだ。そりゃあ似合わないだろう……でもそれは!セクシー系の女性ばかりをお相手していると噂の旦那様に、少しでも喜んで欲しかったからなのに。
「ひっく……ひっく……ひどい……酷いです」
私は堪えられずに泣き出してしまった。旦那様は泣き出した私を見て、流石に少し焦り驚いていた。
「な……泣くな!女の泣き顔は好きじゃない」
泣かせているのはあなたです、と言いたいが言葉にならない。少しでも好かれたいと思うのは、過ぎた願いなのだろうか。
「変なものをお見せして申し訳ありませんでした」
私はシーツを手繰り寄せて、身体をすっぽりと隠した。自分が惨めすぎてまた泣けてくる。似合わないと言われた夜着をこれ以上見せる勇気はない。これならばガウンの下に何も着ない方がましだった。
「……悪かった。もう触れないから寝なさい」
そう言って彼はパタンと扉を閉めて、寝室を出て行った。静かになった部屋に余計に胸が苦しくなる。
私は今すぐ荷物を纏めるべきだろうか?好みでない私が妻としてここにいても彼に迷惑なだけだろう。でも……お金を支援してもらった以上ここをすぐに去るわけにはいかない。
さっきは私に酷いことを言った旦那様だが、彼には返しきれない大きな恩がある。それなのに私は妻としての責務も果たさず、泣き出すなんて最低だ。子どもだと言われても仕方がない。
私は手でグイッと涙を拭き取り、彼に好かれる努力をしようと心に決めた。
――出て行けと言われるまでは頑張ろう。
そうと決まれば、早く寝なければいけない。明日寝坊しては旦那様に謝れないからだ。涙に濡れた顔を洗い、ふかふかのベッドに入ると……結婚式の疲れもあったのかすぐに眠りについた。
それは好みの問題なので理解はできる。でもそれはわざわざ初夜の前に、本人に言わねばならぬことなのだろうか?無駄に傷付くんですけれど。
「だが……後継の問題もある。君には酷な話だと思うが、婚姻を結んだ以上は諦めてくれ」
「はい」
これはつまり全く私のことは好きではないが、子どもを授かるまではそういう行為はするという言い訳だろうか。
「いいのか……?」
何故か旦那様は、眉を顰めて怖い顔のまま私にそう尋ねた。いいも何も今日結婚してしまったし、後継の大切さは私も一応貴族令嬢なのでちゃんとわかっている。
「嫁ぐと決めた時に覚悟はしております。旦那様こそ大丈夫ですか?その……好みでない私でそういう気分になれます?」
私は不安だったことを聞くことにした。身体の大きな旦那様の顔を見るためには、首をかなり上げないといけないのでしんどい。
閨の教育を受けた時に、男性は好みでない女の前ではできない場合があると教わった。何がどうできないのか乙女の私には具体的にはよくわからないが、とりあえずできないらしい。だからこそ、妻は常に美しく着飾り旦那様に愛されるように努力しなければいけないそうだ。
「……問題ない」
彼は低く冷たい声でそう呟き、ぐっと唇を噛み締めた。なんだ、問題ないのか。事前に聞いていた話と違うらしい。
「女性なら誰でも大丈夫ってことですか?」
「……」
彼にギロリと睨まれて、私はこれは聞いてはいけなかったことなんだと手で口を押さえた。
「へ、変なことを聞いてすみません」
私は慌てて頭を下げた。しかしこの気まずい雰囲気をどうしたらいいかわからない。
「……誰でもいいわけじゃない。君が俺の妻だから抱く。それだけだ」
妻だから抱くのか。なんかぶっきらぼうな物言いだけど、女なら誰でも抱けると言われるよりはまだましかもしれない。
「見せるほどの身体でもありませんが、旦那様の好きになさってください」
私は意を決してそう言った。私が作法をわからない以上は旦那様に委ねるしかない。
「……そんな危ないことを、男の前で口にするものではないな」
旦那様は呆れるようにそう言った後、私の唇にキスをした。僅かに触れるだけだったが、結婚式の時もしたので二回目になる。そのまま軽いキスを何度かされた後、彼に頭をグッと抱え込まれ……食べられるような深い口付けをされた。
熱い舌が口内をなぞり、身体がゾクゾクする。そして激しい口付けをされながら、頭を優しく撫でられ続けた。
「んんっ……!」
色気のない変な声が漏れて恥ずかしい。そして息ができない。気持ちいいような苦しいような。キスってこんなものなの?でも旦那様は好みじゃない女にもこんなことできるんだと、複雑な気持ちになった。
苦しそうな私に気が付いて、彼はそっと唇を離した。彼はとても色っぽくって、旦那様は私と違って大人の男性なんだと再認識してしまった。
彼は私のガウンに手をかけ、するりとそれを脱がした。夜着はあえてセクシーな物を選んだ。恥ずかしいけれど、侍女のミアにこれくらいは普通ですと言われてしまった。
「……似合わないな」
旦那様は私の身体を凝視しながら、不機嫌そうにそう言った。そんなことは言われなくてもわかっている。童顔の私には白とかベビーピンクのリボンやフリルが沢山ついた可愛い系の方が似合う。
今身につけているのは、黒と紫を基調としていて蝶々の刺繍がされているかなり大人っぽいものだ。そりゃあ似合わないだろう……でもそれは!セクシー系の女性ばかりをお相手していると噂の旦那様に、少しでも喜んで欲しかったからなのに。
「ひっく……ひっく……ひどい……酷いです」
私は堪えられずに泣き出してしまった。旦那様は泣き出した私を見て、流石に少し焦り驚いていた。
「な……泣くな!女の泣き顔は好きじゃない」
泣かせているのはあなたです、と言いたいが言葉にならない。少しでも好かれたいと思うのは、過ぎた願いなのだろうか。
「変なものをお見せして申し訳ありませんでした」
私はシーツを手繰り寄せて、身体をすっぽりと隠した。自分が惨めすぎてまた泣けてくる。似合わないと言われた夜着をこれ以上見せる勇気はない。これならばガウンの下に何も着ない方がましだった。
「……悪かった。もう触れないから寝なさい」
そう言って彼はパタンと扉を閉めて、寝室を出て行った。静かになった部屋に余計に胸が苦しくなる。
私は今すぐ荷物を纏めるべきだろうか?好みでない私が妻としてここにいても彼に迷惑なだけだろう。でも……お金を支援してもらった以上ここをすぐに去るわけにはいかない。
さっきは私に酷いことを言った旦那様だが、彼には返しきれない大きな恩がある。それなのに私は妻としての責務も果たさず、泣き出すなんて最低だ。子どもだと言われても仕方がない。
私は手でグイッと涙を拭き取り、彼に好かれる努力をしようと心に決めた。
――出て行けと言われるまでは頑張ろう。
そうと決まれば、早く寝なければいけない。明日寝坊しては旦那様に謝れないからだ。涙に濡れた顔を洗い、ふかふかのベッドに入ると……結婚式の疲れもあったのかすぐに眠りについた。
130
お気に入りに追加
2,354
あなたにおすすめの小説

このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

王女を好きだと思ったら
夏笆(なつは)
恋愛
「王子より王子らしい」と言われる公爵家嫡男、エヴァリスト・デュルフェを婚約者にもつバルゲリー伯爵家長女のピエレット。
デビュタントの折に突撃するようにダンスを申し込まれ、望まれて婚約をしたピエレットだが、ある日ふと気づく。
「エヴァリスト様って、ルシール王女殿下のお話ししかなさらないのでは?」
エヴァリストとルシールはいとこ同士であり、幼い頃より親交があることはピエレットも知っている。
だがしかし度を越している、と、大事にしているぬいぐるみのぴぃちゃんに語りかけるピエレット。
「でもね、ぴぃちゃん。私、エヴァリスト様に恋をしてしまったの。だから、頑張るわね」
ピエレットは、そう言って、胸の前で小さく拳を握り、決意を込めた。
ルシール王女殿下の好きな場所、好きな物、好みの装い。
と多くの場所へピエレットを連れて行き、食べさせ、贈ってくれるエヴァリスト。
「あのね、ぴぃちゃん!エヴァリスト様がね・・・・・!」
そして、ピエレットは今日も、エヴァリストが贈ってくれた特注のぬいぐるみ、孔雀のぴぃちゃんを相手にエヴァリストへの想いを語る。
小説家になろうにも、掲載しています。
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる