13 / 36
番外編
花火デート②
しおりを挟む そして安息日になりました。
今日は冒険者服を買いに行く予定だけど、午前中はまたバーボルド伯爵領の教会の治療施設に向かう事になりました。
今日は、イストワールさんだけでなくシャンティさんも慰問に同行する事になりました。
みんなで馬車に乗って、教会に向かいます。
パカパカパカ。
「今日も、沢山の人が街を歩いていますね。人だかりが凄いです!」
「それだけ、このバーボルド伯爵領が賑わっていてとても嬉しいですわ」
「市場も商店も本当に忙しそうにしていて、その分私達も頑張らないとっておもいますわよ」
シロちゃんをイストワールさん、ユキちゃんをシャンティさんが抱っこしているけど、何だか久々に誰も僕のところにいなくて手持ち無沙汰になっちゃった。
僕も馬車の窓から外を見るけど、安息日なのに本当に忙しく人が歩いていますね。
という事で、無事に馬車は教会に到着しました。
まずは挨拶をするので、教会の中に入ります。
「これはこれは皆さまお揃いで、ご足労をおかけいたします」
「こちらこそ、日々民のために色々と尽力頂き感謝申し上げます」
おおー、イストワールさんがニコリとしながら威厳を持って話をしたよ。
僕もシロちゃんもユキちゃんも、思わず拍手をしちゃった。
この後は、予定通りに治療施設に移動します。
「わあ、もう多くの人が入院しているんてますね」
「風邪の流行は落ち着いてきたのですが、怪我人が多く出ています。どうも、先ほど街道で多くの魔物が出たそうですよ」
シスターさんの言葉を聞いた瞬間、イストワールさんとシャンティさんはビックリした表情に変わりました。
そして、直ぐに護衛の兵に何かを指示していました。
「レオ君、もしかしたら怪我人が増えるかもしれないわ」
「あの、僕が戦わなくて良いんですか?」
「バーボルド伯爵領の兵はとても強いから大丈夫よ。万が一の時は、レオ君に助けて貰うわ」
ちょうどタイミング的に、さっき魔物が現れたのかもしれない。
となると、今は目の前の怪我人を頑張って治療しないと駄目だね。
よーし、頑張るぞ。
さっそく僕たちは、それぞれ別れて治療を始めます。
シュイン、ぴかー。
「これで、胸のつっかえは良くなったと思いますよ」
「あら、本当に良くなっているわ。流石は、黒髪の天使様ね」
今日はユキちゃんが一頭で動けているので、僕とシロちゃんも付きっ切りじゃなくてすみます。
なので、どんどんと入院患者の治療が進んでいきます。
「奥様、若奥様、黒髪の天使様は今日も物凄い勢いで治療していきますわ」
「まあ、レオ君ですから、このくらいはやりますわよ」
「そうですわね。今朝の訓練でも、気持ちよさそうに空を飛んでおりましたわ」
「はっ? 空を、飛んだ?」
あっ、シャンティさんが今朝の訓練で飛行魔法を使ったと言ったら、付き添いの年配のシスターさんがポカーンとしちゃった。
全員の治療が終わったら、飛行魔法を見せてあげないと。
こうしてみんなで分担したので、あっという間に治療施設に入院している人の治療が終わりました。
僕達は治療施設の前にある、ちょっとした芝生のあるスペースに移動します。
ここで、僕とシロちゃんが使う飛行魔法を見せてあげる事にしました。
「クゥーン……」
「ユキちゃんも、頑張れば飛行魔法を覚えられるよ」
「キューン……」
ユキちゃんはまだ魔法を覚えて直ぐなので、もっと頑張って訓練をしないと飛行魔法は使えないね。
ちょっとしゅんとしちゃったけど、これから頑張ればきっと大丈夫です。
という事で、さっそく飛行魔法を使います。
シュイン、ふわっ。
「あ、あわわわわ。黒髪の天使様が宙に浮きましたわ」
えっと、宙に浮いただけで、もうシスターさんが驚愕の表情に変わっちゃった。
だ、大丈夫かな?
僕とシロちゃんはそう思いながら、一分間だけ飛行魔法を使いました。
ヒュン、ヒュン!
「す、凄い。本当に空を飛んでおりますわ。飛行魔法は、失われた魔法と聞いておりました……」
そして、シスターさんは空を飛ぶ僕とシロちゃんを見て再びポカーンとしちゃいました。
飛行魔法は難しいだけで、失われた魔法じゃないんだけどね。
「ふう、こんな感じです。今日は近くで戦いが起きているって聞いたので、魔力を残すためにこのくらいにしました」
「さ、流石は黒髪の天使様。何事もなかったの様にしておりますわ」
あの、シスターさんが僕の方を向いて手を組んで祈り始めているのですが。
僕だけでなくイストワールさんとシャンティさんも、そんなシスターさんの姿を見て思わず苦笑しちゃいました。
すると、イストワールさんのところに兵がやってきました。
「報告します、魔物は全て撃退しました。倒したのは、オオカミの魔物となります。ただ、怪我人が複数出ております」
「そう、ありがとう。レオ君がいるから、怪我をした守備隊員を運んで頂戴」
「はっ」
無事に魔物退治が終わったんだね。
これから治療第二段を頑張らないと。
今日は冒険者服を買いに行く予定だけど、午前中はまたバーボルド伯爵領の教会の治療施設に向かう事になりました。
今日は、イストワールさんだけでなくシャンティさんも慰問に同行する事になりました。
みんなで馬車に乗って、教会に向かいます。
パカパカパカ。
「今日も、沢山の人が街を歩いていますね。人だかりが凄いです!」
「それだけ、このバーボルド伯爵領が賑わっていてとても嬉しいですわ」
「市場も商店も本当に忙しそうにしていて、その分私達も頑張らないとっておもいますわよ」
シロちゃんをイストワールさん、ユキちゃんをシャンティさんが抱っこしているけど、何だか久々に誰も僕のところにいなくて手持ち無沙汰になっちゃった。
僕も馬車の窓から外を見るけど、安息日なのに本当に忙しく人が歩いていますね。
という事で、無事に馬車は教会に到着しました。
まずは挨拶をするので、教会の中に入ります。
「これはこれは皆さまお揃いで、ご足労をおかけいたします」
「こちらこそ、日々民のために色々と尽力頂き感謝申し上げます」
おおー、イストワールさんがニコリとしながら威厳を持って話をしたよ。
僕もシロちゃんもユキちゃんも、思わず拍手をしちゃった。
この後は、予定通りに治療施設に移動します。
「わあ、もう多くの人が入院しているんてますね」
「風邪の流行は落ち着いてきたのですが、怪我人が多く出ています。どうも、先ほど街道で多くの魔物が出たそうですよ」
シスターさんの言葉を聞いた瞬間、イストワールさんとシャンティさんはビックリした表情に変わりました。
そして、直ぐに護衛の兵に何かを指示していました。
「レオ君、もしかしたら怪我人が増えるかもしれないわ」
「あの、僕が戦わなくて良いんですか?」
「バーボルド伯爵領の兵はとても強いから大丈夫よ。万が一の時は、レオ君に助けて貰うわ」
ちょうどタイミング的に、さっき魔物が現れたのかもしれない。
となると、今は目の前の怪我人を頑張って治療しないと駄目だね。
よーし、頑張るぞ。
さっそく僕たちは、それぞれ別れて治療を始めます。
シュイン、ぴかー。
「これで、胸のつっかえは良くなったと思いますよ」
「あら、本当に良くなっているわ。流石は、黒髪の天使様ね」
今日はユキちゃんが一頭で動けているので、僕とシロちゃんも付きっ切りじゃなくてすみます。
なので、どんどんと入院患者の治療が進んでいきます。
「奥様、若奥様、黒髪の天使様は今日も物凄い勢いで治療していきますわ」
「まあ、レオ君ですから、このくらいはやりますわよ」
「そうですわね。今朝の訓練でも、気持ちよさそうに空を飛んでおりましたわ」
「はっ? 空を、飛んだ?」
あっ、シャンティさんが今朝の訓練で飛行魔法を使ったと言ったら、付き添いの年配のシスターさんがポカーンとしちゃった。
全員の治療が終わったら、飛行魔法を見せてあげないと。
こうしてみんなで分担したので、あっという間に治療施設に入院している人の治療が終わりました。
僕達は治療施設の前にある、ちょっとした芝生のあるスペースに移動します。
ここで、僕とシロちゃんが使う飛行魔法を見せてあげる事にしました。
「クゥーン……」
「ユキちゃんも、頑張れば飛行魔法を覚えられるよ」
「キューン……」
ユキちゃんはまだ魔法を覚えて直ぐなので、もっと頑張って訓練をしないと飛行魔法は使えないね。
ちょっとしゅんとしちゃったけど、これから頑張ればきっと大丈夫です。
という事で、さっそく飛行魔法を使います。
シュイン、ふわっ。
「あ、あわわわわ。黒髪の天使様が宙に浮きましたわ」
えっと、宙に浮いただけで、もうシスターさんが驚愕の表情に変わっちゃった。
だ、大丈夫かな?
僕とシロちゃんはそう思いながら、一分間だけ飛行魔法を使いました。
ヒュン、ヒュン!
「す、凄い。本当に空を飛んでおりますわ。飛行魔法は、失われた魔法と聞いておりました……」
そして、シスターさんは空を飛ぶ僕とシロちゃんを見て再びポカーンとしちゃいました。
飛行魔法は難しいだけで、失われた魔法じゃないんだけどね。
「ふう、こんな感じです。今日は近くで戦いが起きているって聞いたので、魔力を残すためにこのくらいにしました」
「さ、流石は黒髪の天使様。何事もなかったの様にしておりますわ」
あの、シスターさんが僕の方を向いて手を組んで祈り始めているのですが。
僕だけでなくイストワールさんとシャンティさんも、そんなシスターさんの姿を見て思わず苦笑しちゃいました。
すると、イストワールさんのところに兵がやってきました。
「報告します、魔物は全て撃退しました。倒したのは、オオカミの魔物となります。ただ、怪我人が複数出ております」
「そう、ありがとう。レオ君がいるから、怪我をした守備隊員を運んで頂戴」
「はっ」
無事に魔物退治が終わったんだね。
これから治療第二段を頑張らないと。
10
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する
雨香
恋愛
美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。最終話まで書き終わったので7:00と19:00の1日2回に戻します!
ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。
「シェイド様、大好き!!」
「〜〜〜〜っっっ!!???」
逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

竜帝は番に愛を乞う
浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿で両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる