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番外編
花火デート②
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まこまことしーちゃんは凄く、いや物っ凄く優しくて、すぐに私の話に乗ってくれた。
「私さ、ずっと美菜月ちゃんと話したかったんだよね!でも、美菜月ちゃんいつもこういう難しい顔してたから話しかけない方がいいのかなーって思って」
まこまこはお喋りで、ひょうきんな明るい性格の子で。
「美菜月ちゃん、まこまこの話は半分しか聞かなくていいからね」
まこまこの保護者のようにフォローしてくれるしーちゃんは、大人っぽい気遣い屋さんだった。
「私、そんな顔してた?」
まこまこの顔真似に思わず笑ってしまう。どうやら私は自分から話しかけられづらい雰囲気を作ってしまっていたらしい。
「あ!美菜月ちゃん笑った顔かわいい!」
「ほんと、いつもその顔でいればいいのに」
急に褒められると照れてしまう。可愛いなんて言われたのは、記憶にある限り初めてで、女ともだちの距離感というものはこんなにも近いのかと思う。
でも、嫌ではない。
心地よい恥ずかしさを感じながら、まこまことしーちゃんにバイト先の事を話した。
おじさんの事は、ただのバイト先の人として、バイトを始めた理由もただ家から近かったからという事にして。
2人は「神社で花火なんてめっちゃいいじゃん!」と喜んで曲尾神社ヘ行くことに賛成してくれた。
嬉しくて嬉しくて、今日は学校帰りにおじさんに話しに行こうと思った。
あなたのおかげで友だちが出来ましたと、お礼を言って抱きつきたかった。
放課後になると、まこまことしーちゃんとLINEを交換した。
家族以外で、グループじゃない初めての連絡先。
「美菜月ちゃんの初友LINEゲットだぜ」とメッセージを送ってきたのはまこまこだった。
でも「このまま遊びに行く?」というしーちゃんの誘いは断った。
こういう所が友だちが出来ない原因だとは分かっていたけど、早くおじさんに報告したかったのだ。
少し早足で、家より先に曲尾神社に向かった。
何回も昇り降りした階段は今じゃもうそこまで大変じゃない。
見慣れた境内を歩き、社務所に行くと、いた。おじさんだ。
相変わらずのTシャツとジーンズで、タバコをふかしながら地面を見ている。
今の私には見えないけど、きっとその目にはあの大蛇が映っているのだ。
「おじさん!」
声をかけると、おじさんはこちらを見て、タバコを消した。
そうやって気を使ってくれる所が好きだ、と思う。
「友だちできたよ!」
おじさんに駆け寄ると、まだタバコの匂いがした。
「おぉ、すげえな、もうできたのか?」
頭を撫でてくれるかなと思ったけど、撫でてはくれなった。
あの告白から、おじさんは少しだけ私から距離を取っている。
嫌われてるからじゃないと分かっていたけど、その距離が少しだけ寂しい。
「だからさ、おじさんのLINEも教えてよ」
スマホをおじさんに突きつけてLINEの画面を見せる。
家が近いからとか、家の電話番号を知ってるからとか言われて今まで教えて貰っていなかったのだ。
でも、今日は引き下がらない。
頑張って友だちを作ったご褒美くらいもらってもバチは当たらないはずだ。
「おじさん、スマホ持ってないから・・・」
「うそ!この前使ってるの見たよ!」
おじさんは頬をボリボリと掻いた。
私を見て、視線を逸らして、また私を見る。
ハァとため息をついてから、ポケットから何かを取りだした。
おじさんのスマホだ。
「必要最低限しか返さねぇからな」
そう言い訳しながら連絡先を交換してくれる。
もう、抱きついてしまいたいくらい嬉しかった。でも我慢。我慢だ。
「私さ、ずっと美菜月ちゃんと話したかったんだよね!でも、美菜月ちゃんいつもこういう難しい顔してたから話しかけない方がいいのかなーって思って」
まこまこはお喋りで、ひょうきんな明るい性格の子で。
「美菜月ちゃん、まこまこの話は半分しか聞かなくていいからね」
まこまこの保護者のようにフォローしてくれるしーちゃんは、大人っぽい気遣い屋さんだった。
「私、そんな顔してた?」
まこまこの顔真似に思わず笑ってしまう。どうやら私は自分から話しかけられづらい雰囲気を作ってしまっていたらしい。
「あ!美菜月ちゃん笑った顔かわいい!」
「ほんと、いつもその顔でいればいいのに」
急に褒められると照れてしまう。可愛いなんて言われたのは、記憶にある限り初めてで、女ともだちの距離感というものはこんなにも近いのかと思う。
でも、嫌ではない。
心地よい恥ずかしさを感じながら、まこまことしーちゃんにバイト先の事を話した。
おじさんの事は、ただのバイト先の人として、バイトを始めた理由もただ家から近かったからという事にして。
2人は「神社で花火なんてめっちゃいいじゃん!」と喜んで曲尾神社ヘ行くことに賛成してくれた。
嬉しくて嬉しくて、今日は学校帰りにおじさんに話しに行こうと思った。
あなたのおかげで友だちが出来ましたと、お礼を言って抱きつきたかった。
放課後になると、まこまことしーちゃんとLINEを交換した。
家族以外で、グループじゃない初めての連絡先。
「美菜月ちゃんの初友LINEゲットだぜ」とメッセージを送ってきたのはまこまこだった。
でも「このまま遊びに行く?」というしーちゃんの誘いは断った。
こういう所が友だちが出来ない原因だとは分かっていたけど、早くおじさんに報告したかったのだ。
少し早足で、家より先に曲尾神社に向かった。
何回も昇り降りした階段は今じゃもうそこまで大変じゃない。
見慣れた境内を歩き、社務所に行くと、いた。おじさんだ。
相変わらずのTシャツとジーンズで、タバコをふかしながら地面を見ている。
今の私には見えないけど、きっとその目にはあの大蛇が映っているのだ。
「おじさん!」
声をかけると、おじさんはこちらを見て、タバコを消した。
そうやって気を使ってくれる所が好きだ、と思う。
「友だちできたよ!」
おじさんに駆け寄ると、まだタバコの匂いがした。
「おぉ、すげえな、もうできたのか?」
頭を撫でてくれるかなと思ったけど、撫でてはくれなった。
あの告白から、おじさんは少しだけ私から距離を取っている。
嫌われてるからじゃないと分かっていたけど、その距離が少しだけ寂しい。
「だからさ、おじさんのLINEも教えてよ」
スマホをおじさんに突きつけてLINEの画面を見せる。
家が近いからとか、家の電話番号を知ってるからとか言われて今まで教えて貰っていなかったのだ。
でも、今日は引き下がらない。
頑張って友だちを作ったご褒美くらいもらってもバチは当たらないはずだ。
「おじさん、スマホ持ってないから・・・」
「うそ!この前使ってるの見たよ!」
おじさんは頬をボリボリと掻いた。
私を見て、視線を逸らして、また私を見る。
ハァとため息をついてから、ポケットから何かを取りだした。
おじさんのスマホだ。
「必要最低限しか返さねぇからな」
そう言い訳しながら連絡先を交換してくれる。
もう、抱きついてしまいたいくらい嬉しかった。でも我慢。我慢だ。
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