37 / 38
37
しおりを挟む
レオに先程の内容を聞きたい気持ちはありましたが、宰相様とのお話を終えた後、後ろから声をかけられました。
「失礼。アンサス国から見えたとお話が少し聞こえましてね。」
振り返るとボタンがはち切れんばかりのタキシードに身を包んだ大柄な中年男性がそこにいらっしゃいました。
「あなたは、プランジャ伯爵。」
様々な貿易で莫大な資産を築いたプランジャ伯爵当主様ですが、莫大な資産を築くということは、いい噂もあれば悪い噂も必然とついてくるものです。中でもこの伯爵家は、人身売買をしている。高額で転売を繰り返しているなど悪い噂の方が目立つことが多いので、あまり、近づきたくない方ではあります。ですが、この方もレオが接触したい相手の一人。頑張って姿勢を正し、静かに微笑みます。
「おお!!私の名前はアンサス国まで響くようになったとは、これから更に貿易を発展させて頑張りたいものですな。」
「そうですね。伯爵程の方ならば、アンサス国でも、上手く利益を上げていけるでしょう。」
「はっはっは!!やはり、君に声を掛けた私の目に狂いはないなぁ。世辞だとしても私の気迫に負けず対等に話すその姿勢、素晴らしいっ!良ければ新しい輸入品なども他国から手に入りましてね。お安く得ることも出来ますので、お名前を改めてお聞きしても?」
「これはこれは、名乗るのが遅れて申し訳ありません。私は、レオン・ブランカと申します。以後お見知り置きを。」
「レオン・ブランカ。ブランカ家どこかで聞いた覚えが。」
「あら、貴方。ブランカ家と言ったら、私のお友達のルージュの家だわ。」
「おお、我が愛しのマリア。紹介しよう。私の妻のローザだ。」
ゆっくりとこちらに歩いてくる黒髪の長い髪を翻しながら、真紅のドレスを纏った美しいというよりも、妖艶という言葉が相応しい女性です。近くまで来られると圧倒的なローザ様の存在感の雰囲気にのまれてしまいそうです。
「お久しぶりですね。レオン様。あの悲しい事件以来ですが、お元気そうな姿を拝見出来て光栄ですわ。」
レオンの方をチラリと見ると一瞬怒ったような雰囲気を出しましたが、すぐに切り替えて、
「これはこれは、まさかローザ様の旦那様がブランシェ伯爵だとは知りませんでした。」
と笑顔で言い返していました。
「失礼。アンサス国から見えたとお話が少し聞こえましてね。」
振り返るとボタンがはち切れんばかりのタキシードに身を包んだ大柄な中年男性がそこにいらっしゃいました。
「あなたは、プランジャ伯爵。」
様々な貿易で莫大な資産を築いたプランジャ伯爵当主様ですが、莫大な資産を築くということは、いい噂もあれば悪い噂も必然とついてくるものです。中でもこの伯爵家は、人身売買をしている。高額で転売を繰り返しているなど悪い噂の方が目立つことが多いので、あまり、近づきたくない方ではあります。ですが、この方もレオが接触したい相手の一人。頑張って姿勢を正し、静かに微笑みます。
「おお!!私の名前はアンサス国まで響くようになったとは、これから更に貿易を発展させて頑張りたいものですな。」
「そうですね。伯爵程の方ならば、アンサス国でも、上手く利益を上げていけるでしょう。」
「はっはっは!!やはり、君に声を掛けた私の目に狂いはないなぁ。世辞だとしても私の気迫に負けず対等に話すその姿勢、素晴らしいっ!良ければ新しい輸入品なども他国から手に入りましてね。お安く得ることも出来ますので、お名前を改めてお聞きしても?」
「これはこれは、名乗るのが遅れて申し訳ありません。私は、レオン・ブランカと申します。以後お見知り置きを。」
「レオン・ブランカ。ブランカ家どこかで聞いた覚えが。」
「あら、貴方。ブランカ家と言ったら、私のお友達のルージュの家だわ。」
「おお、我が愛しのマリア。紹介しよう。私の妻のローザだ。」
ゆっくりとこちらに歩いてくる黒髪の長い髪を翻しながら、真紅のドレスを纏った美しいというよりも、妖艶という言葉が相応しい女性です。近くまで来られると圧倒的なローザ様の存在感の雰囲気にのまれてしまいそうです。
「お久しぶりですね。レオン様。あの悲しい事件以来ですが、お元気そうな姿を拝見出来て光栄ですわ。」
レオンの方をチラリと見ると一瞬怒ったような雰囲気を出しましたが、すぐに切り替えて、
「これはこれは、まさかローザ様の旦那様がブランシェ伯爵だとは知りませんでした。」
と笑顔で言い返していました。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる