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第17話 〜自宅に拉致られる〜
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アホ二人組に連れ出された俺は駐車場に停められてるブラウンのコンパクトカーにぶち込まれる。これは陽ちゃんの愛車、彼思考は至ってマトモやのに人付き合いが良すぎてアホ共にしょっちゅう振り回されてる。それさえ無くなりゃ恋人のユイさんこと田中唯子との喧嘩はかなり減る思うけど。
「陽平、出してくれ」
うん。陽ちゃんは従順にアホ共の指示に従いエンジンをかける。さっきは気付かんかったけど、助手席には制服姿のルミちゃんも相乗りしてる。おっさん共ルミちゃんまで拉致ったんかい!?
「てっぺちゃん?仕事大丈夫なん?」
「大丈夫や、仕事はサボるためにある!」
と啓さん、何『約束は破るためにある』ちっくな事言うとんねん?俺は今からでも降りて仕事させてほしいくらいや。
「仕事しとる方がマシや、停めてくれ陽ちゃん」
「無茶言わんといて、この辺駐停車禁止区域やもん」
陽ちゃんは困ったように言うてるが完全に楽しんでる風で減速する素振りすら見せん。
「あんたらルミちゃんまで拉致ったんか?」
「んな事するか!サキに殺されるわ!」
と剛さんの必死の弁明、確かに彼女はガサツな上に獰猛な生き物や。
「違うよてっぺちゃん、テスト中で今日は一限で終わってん。最近学校の近所で痴漢被害が出とって、この時間は暇やからって陽平ちゃんが迎えに来てくれたんや」
なるほどそういう事か。ルミちゃんはテレビに出てくるアイドルレベルの可愛さやからな、どこぞに潜んどる変態オヤジに目ぇ付けられたら真っ先に狙われてまうタイプやわ。ちょっと都会に出れば芸能事務所にスカウトされ、部活動で遠征すればそこの男子生徒に囲まれるほどのモテっぷりで、時々自宅を訪ねて告ってくる強者も居るくらいや。俺のモテ期でもそこまでは無かったわ。
「被害が出てからじゃ遅いやろ?うちの仕事夜からやし水嶋家かて可愛い娘に怖い思いさせたないやんか」
そっか陽ちゃん家居酒屋経営やもんな。
「せやかてこのおっさん二人居ったら誘拐と間違えられんか?」
「そんなんルミちゃんを先に乗せて学校から離れてからに決まってるやん、それこそ通報されてまう」
陽ちゃん口調こそ穏やかやけどちょいちょい毒を盛り込んでくる。
「くぉら陽平、失礼やろそれ」
まぁこの二人でなければかなり失礼なセリフではあるな。
「鏡見てから言うてくれる?」
そう言い切るだけあって陽ちゃんはかなりのイケメンだ、高校時代は『王子』の称号をほしいままにし、文化祭のイケメンコンテストでは伝説の三連覇を成し遂げた唯一の男である。
「イケメン腹立つ!」
「滅べやリア充!」
気持ちは分からんでもないがおっさんの遠吠えは正直見苦しいわ、長年の付き合いで慣れてるとは言え職務放棄でこの状況下におる俺も同類なんやろなとため息が出てしまう。それでも車は無情に走り続け、そのまま一時帰宅する羽目になってしまった。
「陽平、出してくれ」
うん。陽ちゃんは従順にアホ共の指示に従いエンジンをかける。さっきは気付かんかったけど、助手席には制服姿のルミちゃんも相乗りしてる。おっさん共ルミちゃんまで拉致ったんかい!?
「てっぺちゃん?仕事大丈夫なん?」
「大丈夫や、仕事はサボるためにある!」
と啓さん、何『約束は破るためにある』ちっくな事言うとんねん?俺は今からでも降りて仕事させてほしいくらいや。
「仕事しとる方がマシや、停めてくれ陽ちゃん」
「無茶言わんといて、この辺駐停車禁止区域やもん」
陽ちゃんは困ったように言うてるが完全に楽しんでる風で減速する素振りすら見せん。
「あんたらルミちゃんまで拉致ったんか?」
「んな事するか!サキに殺されるわ!」
と剛さんの必死の弁明、確かに彼女はガサツな上に獰猛な生き物や。
「違うよてっぺちゃん、テスト中で今日は一限で終わってん。最近学校の近所で痴漢被害が出とって、この時間は暇やからって陽平ちゃんが迎えに来てくれたんや」
なるほどそういう事か。ルミちゃんはテレビに出てくるアイドルレベルの可愛さやからな、どこぞに潜んどる変態オヤジに目ぇ付けられたら真っ先に狙われてまうタイプやわ。ちょっと都会に出れば芸能事務所にスカウトされ、部活動で遠征すればそこの男子生徒に囲まれるほどのモテっぷりで、時々自宅を訪ねて告ってくる強者も居るくらいや。俺のモテ期でもそこまでは無かったわ。
「被害が出てからじゃ遅いやろ?うちの仕事夜からやし水嶋家かて可愛い娘に怖い思いさせたないやんか」
そっか陽ちゃん家居酒屋経営やもんな。
「せやかてこのおっさん二人居ったら誘拐と間違えられんか?」
「そんなんルミちゃんを先に乗せて学校から離れてからに決まってるやん、それこそ通報されてまう」
陽ちゃん口調こそ穏やかやけどちょいちょい毒を盛り込んでくる。
「くぉら陽平、失礼やろそれ」
まぁこの二人でなければかなり失礼なセリフではあるな。
「鏡見てから言うてくれる?」
そう言い切るだけあって陽ちゃんはかなりのイケメンだ、高校時代は『王子』の称号をほしいままにし、文化祭のイケメンコンテストでは伝説の三連覇を成し遂げた唯一の男である。
「イケメン腹立つ!」
「滅べやリア充!」
気持ちは分からんでもないがおっさんの遠吠えは正直見苦しいわ、長年の付き合いで慣れてるとは言え職務放棄でこの状況下におる俺も同類なんやろなとため息が出てしまう。それでも車は無情に走り続け、そのまま一時帰宅する羽目になってしまった。
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