40 / 117
quarante
しおりを挟む
「……」
「申し訳無いねぇ、生憎満席なんですよ」
小百合さんがある意味招かれざる客に申し訳無さそうに言う。
「いえ、客として伺った訳ではありません」
「そしたら何しに来たんだい?」
イケメンボイスの返答に小百合さんは眉を顰めてる。招かれざる客こと郡司君は他のお客さんの視線も一切気にせず奥に進み、私の傍らに立った。
「五条、ちょっと話せんか?」
これどうしたらいいんだろう? 確かに今日夕飯誘われたけど断ったよね? だってこの集まり八月から約束してたんだよ。
「今日じゃないといけない話で……なの?」
おっとまだ敬語が抜け切れないわ。
「あぁ、手間は取らせへんから」
本当なら日を改めてほしい、けど今じゃないといけないのであれば少し席を外すくらいご容赦願おう。この仲間たちはそんなに細かい事でグズグズ言う連中ではない、頑なに断り続ける方が店内の空気を悪くすることも十分に考えられたからだ。
「ちょっとだけ席外すね」
「おぅ、大根は貰うからな」
「何でよ! 私まだ食べてな……うわっ!」
私は物凄い勢いで体を引っ張られ、不可抗力だが郡司君の体に身を預けるような格好でずるずると店の外に引き出されてしまう。
「おいっ! ちょっと話すだけで何で荷物まで持ってくんだよっ!」
こうたの声を最後に私は店から連れ出され、すぐ前に停まっていた車に詰め込まれた。
「出してください」
郡司君のひと声で車は無情にも発車する。私の気持ちは無視か? ちょっと話をするだけなのに何で車に乗せられにゃならんのだ? これって拉致だろ! 今すぐ降ろせ!
「停めてくださいっ!」
「へっ?」
運転手の男性は素っ頓狂な声を上げながらもブレーキを踏む。
「停めんなっ!」
「はい? 一体どっちなんです?」
運転手さんは困惑していたが、車道のど真ん中で右往左往も出来ず仕方無く車を走らせているといった感じだ。
「さっき言った目的地まで行ってください」
「……」
運転手さんは肩を竦めるだけで返事もしない。そりゃそうだ、たまたま乗せただけなのか予約したのかは知らないが、全く関係の無いタクシーの運転手さんにとっては迷惑千万な客である事は間違いないのだから。
「女性客様、申し訳無いけど今停車するのは難しいです」
うんそうだよね、しょうがない。私は運転手さんが悪いとは思っていない、むしろこの方だって巻き込まれただけだ。
「はい、もう諦めます」
今日は幼馴染七人揃っての飲み会、楽しみにしてたのに。
「そう言えば女性客様。先程出られたお店からご友人らしき男性三名ほどが追いかけてきてましたが、せめてご連絡だけでも差し上げた方が……」
あっそうだ! 皆にきっと心配させてる! しかも明日朝から出掛けるのにあまり遠出はしたくない。
「それタクの運ちゃんが介入する事?」
郡司君は運転手さんの親切にケチを付ける。その言葉そっくりあなたにお返ししたい、私の予定を勝手にぶった斬ってこうなってるんでしょ?
「友達に連絡だけさせてください」
私のバック持ち出してるんだよね?
「……」
勝手ついたら物悲しそうな表情で同情買うとかやめてほしい、だったら始めからやらなければ済む話なのだから。なかなかバッグを返してくれない郡司君にしびれを切らしたかのように、静かになった車内でケータイの振動音が聞こえてくる。これは間違いなく私のケータイ、幼馴染七人専用のグループメールの着信バイブだ。
私は郡司君の体の後ろにあるバッグの紐を引っ張って体に引き寄せる。ビンゴ! 振動はバッグにも伝わっており、ケータイを引っ張り出すと三人どころか五人からのメールが続々と届いていた。まこっちゃんとげんとく君来てるんだね、まこっちゃんとは一年近く会ってないから今日会っておきたかったんだけどなぁ……。
こうた:【無事か!?】
ぐっちー:【ケガしてないか?】
てつこ:【こっちは大丈夫だから気にするな】
ぐっちー:【日を改めてまた集まろうな】
まこっちゃん:【その気になればいつでも会えんじゃん、有砂には上手く話しておくから】
げんとく君:【念のためはるさんには連絡したぞ。隙を見つけて連絡してやってくれ】
皆のメールは私を気遣う内容ばかりだ。あんな事があれば責め立てる気持ちが出てきても当然だと思う。いくら不可抗力とは言え私は公然と約束を反故にしたのだ、彼らの心意気には感謝の言葉しかない。
なつ:【ゴメンね、皆に迷惑掛けちゃった。無事だから心配しないでね、今度必ず埋め合わせするから!】
私は謝罪のスタンプを添えてメールを送信するとすぐさま返信があった。
ぐっちー:【それならちょっと安心、けどあの男誰なんだよ?】
こうた:【彼氏か?いるなら先に言っといてくれよ~w】
ぐっちー:【彼氏でもそれは迷惑だって】
こうた:【まぁそうだよな】
こうた:【今てつこから名前聞いたけど知らん】
ぐっちー:【ぐんじいっけい? そんなの居た?】
あんたら向き合って座ってんだから直接話せよなんて余裕の状況ではないけどコイツらは私の癒やしだ、例え恋人が居ようが大事にさせて頂く。今更だけど元カレはその辺りの事はちゃんと尊重してくれてた、彼自身も幼馴染は大事な存在だからって。大人数だったけど私たち七人と元カレの幼馴染グループ五人とでキャンプしに行ったのは楽しかったなぁ。いかんいかん、思い出に浸ってたわ。
「ご連絡、出来ましたか?」
運転手さんが親切に声を掛けてくださる、この人結構良い人だ。
「はい、友人たちには。心配掛けてしまった様で家族にも連絡したらしいんです」
「そうでしょうね、早く安心させてあげてください」
「そうさせて頂きます」
私は姉のケータイ番号を履歴から探し出して通話ボタンを押したところなぜかケータイを取り上げられ、勝手に切断されてしまった。
「今は俺だけを見てほしい」
何言ってんの? 誰のせいでこうなってると思ってんのよ?
「私今機嫌悪いの、ケータイ返して」
「やっと敬語が取れた」
「は?」
この会話皆目理解出来ない、噛み合ってなくてイライラする。誰かってかあなた解説してくださらない? 私はケータイを返してほしいのだが。
「敬語やと壁を感じる、さっきの奴らにはタメ口やのに」
何その言い分? やっぱり意味が分からない。
「いやいやアイツらとは物心付いた時からつるんでますから。ガキの頃から醜態晒しまくって長所も短所も知り尽くしてる間柄ですので……ってどうでもいいんですそんなこと、ケータイ返してください」
もう何か面倒臭い、とにかくケータイ返せ。
「また敬語……」
「ケータイを返してくださるまでこのままにしますが」
くどい様だがケーゴが嫌ならケータイ返せ。
「結構意固地やな」
若干不服そうではあるがケータイは無事に戻ってきた。私はどうもと言ってそれを受け取り、早速姉にと思って履歴を操作しているとタイミング良く姉からアクションがあった。
「もしもし」
『なつっ! 無事なのっ?』
あちゃ~やっぱり心配掛けちゃってる、一応拉致られてるけどこれ以上の事は多分してこないと思うから安心して……って出来ないわな、姉の立場からすれば。
「うん無事よ、ゴメンね大事になっちゃって」
『無事なら良いんだけど。いくら顔見知り相手でもテリトリーを侵すのはマナー違反でしょうが、こんなこと言いたくないけど付き合い方考え直した方が良いんじゃないの?』
う~んどうしたんだろう? 姉はこれまで割と自由にさせてくれていた。それなのに満田の一件から心配症が増しちゃってるというか何というか……でもさっき呼び出しの途中で切れちゃったから余計心配になっちゃったんだろうな。
「様子見ながらにする、なるべく早く帰るから」
『ん、分かった。明日は私が運転する』
「えっ? 大丈夫だよお姉ちゃん」
『それなら帰りお願い。それじゃ後でね』
姉は案外あっさりと通話を切った。
「申し訳無いねぇ、生憎満席なんですよ」
小百合さんがある意味招かれざる客に申し訳無さそうに言う。
「いえ、客として伺った訳ではありません」
「そしたら何しに来たんだい?」
イケメンボイスの返答に小百合さんは眉を顰めてる。招かれざる客こと郡司君は他のお客さんの視線も一切気にせず奥に進み、私の傍らに立った。
「五条、ちょっと話せんか?」
これどうしたらいいんだろう? 確かに今日夕飯誘われたけど断ったよね? だってこの集まり八月から約束してたんだよ。
「今日じゃないといけない話で……なの?」
おっとまだ敬語が抜け切れないわ。
「あぁ、手間は取らせへんから」
本当なら日を改めてほしい、けど今じゃないといけないのであれば少し席を外すくらいご容赦願おう。この仲間たちはそんなに細かい事でグズグズ言う連中ではない、頑なに断り続ける方が店内の空気を悪くすることも十分に考えられたからだ。
「ちょっとだけ席外すね」
「おぅ、大根は貰うからな」
「何でよ! 私まだ食べてな……うわっ!」
私は物凄い勢いで体を引っ張られ、不可抗力だが郡司君の体に身を預けるような格好でずるずると店の外に引き出されてしまう。
「おいっ! ちょっと話すだけで何で荷物まで持ってくんだよっ!」
こうたの声を最後に私は店から連れ出され、すぐ前に停まっていた車に詰め込まれた。
「出してください」
郡司君のひと声で車は無情にも発車する。私の気持ちは無視か? ちょっと話をするだけなのに何で車に乗せられにゃならんのだ? これって拉致だろ! 今すぐ降ろせ!
「停めてくださいっ!」
「へっ?」
運転手の男性は素っ頓狂な声を上げながらもブレーキを踏む。
「停めんなっ!」
「はい? 一体どっちなんです?」
運転手さんは困惑していたが、車道のど真ん中で右往左往も出来ず仕方無く車を走らせているといった感じだ。
「さっき言った目的地まで行ってください」
「……」
運転手さんは肩を竦めるだけで返事もしない。そりゃそうだ、たまたま乗せただけなのか予約したのかは知らないが、全く関係の無いタクシーの運転手さんにとっては迷惑千万な客である事は間違いないのだから。
「女性客様、申し訳無いけど今停車するのは難しいです」
うんそうだよね、しょうがない。私は運転手さんが悪いとは思っていない、むしろこの方だって巻き込まれただけだ。
「はい、もう諦めます」
今日は幼馴染七人揃っての飲み会、楽しみにしてたのに。
「そう言えば女性客様。先程出られたお店からご友人らしき男性三名ほどが追いかけてきてましたが、せめてご連絡だけでも差し上げた方が……」
あっそうだ! 皆にきっと心配させてる! しかも明日朝から出掛けるのにあまり遠出はしたくない。
「それタクの運ちゃんが介入する事?」
郡司君は運転手さんの親切にケチを付ける。その言葉そっくりあなたにお返ししたい、私の予定を勝手にぶった斬ってこうなってるんでしょ?
「友達に連絡だけさせてください」
私のバック持ち出してるんだよね?
「……」
勝手ついたら物悲しそうな表情で同情買うとかやめてほしい、だったら始めからやらなければ済む話なのだから。なかなかバッグを返してくれない郡司君にしびれを切らしたかのように、静かになった車内でケータイの振動音が聞こえてくる。これは間違いなく私のケータイ、幼馴染七人専用のグループメールの着信バイブだ。
私は郡司君の体の後ろにあるバッグの紐を引っ張って体に引き寄せる。ビンゴ! 振動はバッグにも伝わっており、ケータイを引っ張り出すと三人どころか五人からのメールが続々と届いていた。まこっちゃんとげんとく君来てるんだね、まこっちゃんとは一年近く会ってないから今日会っておきたかったんだけどなぁ……。
こうた:【無事か!?】
ぐっちー:【ケガしてないか?】
てつこ:【こっちは大丈夫だから気にするな】
ぐっちー:【日を改めてまた集まろうな】
まこっちゃん:【その気になればいつでも会えんじゃん、有砂には上手く話しておくから】
げんとく君:【念のためはるさんには連絡したぞ。隙を見つけて連絡してやってくれ】
皆のメールは私を気遣う内容ばかりだ。あんな事があれば責め立てる気持ちが出てきても当然だと思う。いくら不可抗力とは言え私は公然と約束を反故にしたのだ、彼らの心意気には感謝の言葉しかない。
なつ:【ゴメンね、皆に迷惑掛けちゃった。無事だから心配しないでね、今度必ず埋め合わせするから!】
私は謝罪のスタンプを添えてメールを送信するとすぐさま返信があった。
ぐっちー:【それならちょっと安心、けどあの男誰なんだよ?】
こうた:【彼氏か?いるなら先に言っといてくれよ~w】
ぐっちー:【彼氏でもそれは迷惑だって】
こうた:【まぁそうだよな】
こうた:【今てつこから名前聞いたけど知らん】
ぐっちー:【ぐんじいっけい? そんなの居た?】
あんたら向き合って座ってんだから直接話せよなんて余裕の状況ではないけどコイツらは私の癒やしだ、例え恋人が居ようが大事にさせて頂く。今更だけど元カレはその辺りの事はちゃんと尊重してくれてた、彼自身も幼馴染は大事な存在だからって。大人数だったけど私たち七人と元カレの幼馴染グループ五人とでキャンプしに行ったのは楽しかったなぁ。いかんいかん、思い出に浸ってたわ。
「ご連絡、出来ましたか?」
運転手さんが親切に声を掛けてくださる、この人結構良い人だ。
「はい、友人たちには。心配掛けてしまった様で家族にも連絡したらしいんです」
「そうでしょうね、早く安心させてあげてください」
「そうさせて頂きます」
私は姉のケータイ番号を履歴から探し出して通話ボタンを押したところなぜかケータイを取り上げられ、勝手に切断されてしまった。
「今は俺だけを見てほしい」
何言ってんの? 誰のせいでこうなってると思ってんのよ?
「私今機嫌悪いの、ケータイ返して」
「やっと敬語が取れた」
「は?」
この会話皆目理解出来ない、噛み合ってなくてイライラする。誰かってかあなた解説してくださらない? 私はケータイを返してほしいのだが。
「敬語やと壁を感じる、さっきの奴らにはタメ口やのに」
何その言い分? やっぱり意味が分からない。
「いやいやアイツらとは物心付いた時からつるんでますから。ガキの頃から醜態晒しまくって長所も短所も知り尽くしてる間柄ですので……ってどうでもいいんですそんなこと、ケータイ返してください」
もう何か面倒臭い、とにかくケータイ返せ。
「また敬語……」
「ケータイを返してくださるまでこのままにしますが」
くどい様だがケーゴが嫌ならケータイ返せ。
「結構意固地やな」
若干不服そうではあるがケータイは無事に戻ってきた。私はどうもと言ってそれを受け取り、早速姉にと思って履歴を操作しているとタイミング良く姉からアクションがあった。
「もしもし」
『なつっ! 無事なのっ?』
あちゃ~やっぱり心配掛けちゃってる、一応拉致られてるけどこれ以上の事は多分してこないと思うから安心して……って出来ないわな、姉の立場からすれば。
「うん無事よ、ゴメンね大事になっちゃって」
『無事なら良いんだけど。いくら顔見知り相手でもテリトリーを侵すのはマナー違反でしょうが、こんなこと言いたくないけど付き合い方考え直した方が良いんじゃないの?』
う~んどうしたんだろう? 姉はこれまで割と自由にさせてくれていた。それなのに満田の一件から心配症が増しちゃってるというか何というか……でもさっき呼び出しの途中で切れちゃったから余計心配になっちゃったんだろうな。
「様子見ながらにする、なるべく早く帰るから」
『ん、分かった。明日は私が運転する』
「えっ? 大丈夫だよお姉ちゃん」
『それなら帰りお願い。それじゃ後でね』
姉は案外あっさりと通話を切った。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる