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それから大して何事も無い一週間を過ごし、今日はいよいよ霜田さんとデートである。彼も車を利用するそうで、ご親切に家まで迎えに来てくださる事になっている。
「今日は一段と素敵よなつ、普段からもう少しお洒落に気を配ったら?」
姉は褒めてんだか貶してんだかよく分からない事を言いながらメイクを手伝ってくれる。まぁ仰る通りなんだけど……もうちょっと姉を見習おう、すぐそこのごみ捨てだけでわざわざ着替えるのもどうかと思うけどそれくらいでちょうどいいのかな? 因みに今日は出掛けないって言ってたのにいつでも出掛けられる様メイクも髪型も綺麗に整ってるもの。私? 休日は一日パジャマ姿ですが何か?
「あれ~? なつ姉ちゃん今日は綺麗じゃ~ん、張り切ってるね~」
天下のズボラ男冬樹がようやっと起きてきた、この子は可愛い顔して私以上にお洒落には無頓着、クッタクタのTシャツにヨッレヨレのデニムパンツでお洒落な街でも平気で歩く。一度なんか『面倒い』と言う理由でスウェットにスリッパという出で立ちで合コンに行った強者だ、さすがの私もそれは無理。
「そりゃ多少はね、身嗜みを整えるのだって礼儀の一つよ」
「う~ん面倒い、そんな暇あったら古文書読み漁ってる方が僕の為になるね」
どんだけ勉強好きなんだ……冬樹は『趣味は勉強です』を地で行く男だから子供の頃から勉強の虫だった。お陰で成績は常にトップ、特に歴史好きで大学でも日本史を専攻している。
「これからもお付き合い続けるつもりなの~?」
「それは今日会ってみてから決める」
「だよね~」
冬樹はふら~っとした足取りで下に降りていく。まだ未成年なので二日酔いと言う訳ではなく元からゆら~っとした動きをする。
「……っと出来た、どうかしら?」
姉は大きめの鏡で私の後ろ姿を見せてくれる。今日は剛毛黒髪ストレートヘアをアイロンでゆるふわカールを作ってくれた、うわっ、我ながら上出来じゃない? 後ろ姿は。
「凄いっ、私じゃないみたい。正面見てガッカリされない?」
「されないわよ、正面見た上で気に入ってくださってるのに」
私はちょっと嬉しくなって自分の髪の毛をちょこっと触っていると玄関のチャイムが聞こえてきた。冬樹が下にいるはずだけど反応が無い、そこもズボラか弟よ。
「私が出る、その間に忘れ物無いかチェックしときなさい」
姉は下に降りてはぁいと返事してる、きっと時間的に霜田さんだと思う。はぁ~緊張してきたぁ~、と気休めに掌に人の字を三回書いて飲み込んでみる……何も変わりませんでした。
下では霜田さんと姉との会話が聞こえてくる。今日も彼のテンションは高めのようだ、またしてもマニアックトークで暴走されても私には止められそうもない。このままだと姉を相手に万年筆談義が始まってしまうかもしれない、それはさすがにヤバイので急ぎバッグの中をチェックして下に降りる。
「お待たせ致しました」
私は二人の間に割って入るように声を掛けると、霜田さんは慌てふためいた表情で私を見る。姉の方は至って普段通り、これが何を意味するのか……私は直観ですぐに気付く。
「霜田さん、ひょっとして体調が優れないのですか?」
「いいいいえぇっ、そんな事はないですよっ!」
あ~あ~霜田さん完全に挙動ってるわ、体はこっち向いてるけど視線が若干ずれているもの。私は敢えて気付かぬ振りをしてご無理なさらないでくださいと笑顔で言ってみた。
「だだだ大丈夫ですっ! ささっ、参りましょうかっ!」
本当に大丈夫なのだろうか? そのテンションで運転されるのは違う意味で緊張するわ。
「もししんどいのであれば仰ってくださいね、私運転変わりますから」
「そんなっ、女性に運転などさせられませんっ!」
とテンパり過ぎて何気に失礼な事を吐かしてくれる。言わせてもらうが私は自分で言うのも何だが運転はかなり上手い、職場では先代社長の運転手を努めるほどの腕前、女の運転はヘタクソなんて古典的セオリーなんぞ今の時代通用しないのだ。
「行ってらっしゃいなつ。今日は妹を宜しくお願いします」
「畏まりましたっ、お任せくださいっ」
「行ってきます」
私は霜田さんと共に家を出る。彼はしきりに玄関を気にしていて、乗車するだけで随分と時間を食っていた。その後の事はどうでも良いから命ある状態で家に返してください……今日の私はその事ばかりを願っていた。
「今日は一段と素敵よなつ、普段からもう少しお洒落に気を配ったら?」
姉は褒めてんだか貶してんだかよく分からない事を言いながらメイクを手伝ってくれる。まぁ仰る通りなんだけど……もうちょっと姉を見習おう、すぐそこのごみ捨てだけでわざわざ着替えるのもどうかと思うけどそれくらいでちょうどいいのかな? 因みに今日は出掛けないって言ってたのにいつでも出掛けられる様メイクも髪型も綺麗に整ってるもの。私? 休日は一日パジャマ姿ですが何か?
「あれ~? なつ姉ちゃん今日は綺麗じゃ~ん、張り切ってるね~」
天下のズボラ男冬樹がようやっと起きてきた、この子は可愛い顔して私以上にお洒落には無頓着、クッタクタのTシャツにヨッレヨレのデニムパンツでお洒落な街でも平気で歩く。一度なんか『面倒い』と言う理由でスウェットにスリッパという出で立ちで合コンに行った強者だ、さすがの私もそれは無理。
「そりゃ多少はね、身嗜みを整えるのだって礼儀の一つよ」
「う~ん面倒い、そんな暇あったら古文書読み漁ってる方が僕の為になるね」
どんだけ勉強好きなんだ……冬樹は『趣味は勉強です』を地で行く男だから子供の頃から勉強の虫だった。お陰で成績は常にトップ、特に歴史好きで大学でも日本史を専攻している。
「これからもお付き合い続けるつもりなの~?」
「それは今日会ってみてから決める」
「だよね~」
冬樹はふら~っとした足取りで下に降りていく。まだ未成年なので二日酔いと言う訳ではなく元からゆら~っとした動きをする。
「……っと出来た、どうかしら?」
姉は大きめの鏡で私の後ろ姿を見せてくれる。今日は剛毛黒髪ストレートヘアをアイロンでゆるふわカールを作ってくれた、うわっ、我ながら上出来じゃない? 後ろ姿は。
「凄いっ、私じゃないみたい。正面見てガッカリされない?」
「されないわよ、正面見た上で気に入ってくださってるのに」
私はちょっと嬉しくなって自分の髪の毛をちょこっと触っていると玄関のチャイムが聞こえてきた。冬樹が下にいるはずだけど反応が無い、そこもズボラか弟よ。
「私が出る、その間に忘れ物無いかチェックしときなさい」
姉は下に降りてはぁいと返事してる、きっと時間的に霜田さんだと思う。はぁ~緊張してきたぁ~、と気休めに掌に人の字を三回書いて飲み込んでみる……何も変わりませんでした。
下では霜田さんと姉との会話が聞こえてくる。今日も彼のテンションは高めのようだ、またしてもマニアックトークで暴走されても私には止められそうもない。このままだと姉を相手に万年筆談義が始まってしまうかもしれない、それはさすがにヤバイので急ぎバッグの中をチェックして下に降りる。
「お待たせ致しました」
私は二人の間に割って入るように声を掛けると、霜田さんは慌てふためいた表情で私を見る。姉の方は至って普段通り、これが何を意味するのか……私は直観ですぐに気付く。
「霜田さん、ひょっとして体調が優れないのですか?」
「いいいいえぇっ、そんな事はないですよっ!」
あ~あ~霜田さん完全に挙動ってるわ、体はこっち向いてるけど視線が若干ずれているもの。私は敢えて気付かぬ振りをしてご無理なさらないでくださいと笑顔で言ってみた。
「だだだ大丈夫ですっ! ささっ、参りましょうかっ!」
本当に大丈夫なのだろうか? そのテンションで運転されるのは違う意味で緊張するわ。
「もししんどいのであれば仰ってくださいね、私運転変わりますから」
「そんなっ、女性に運転などさせられませんっ!」
とテンパり過ぎて何気に失礼な事を吐かしてくれる。言わせてもらうが私は自分で言うのも何だが運転はかなり上手い、職場では先代社長の運転手を努めるほどの腕前、女の運転はヘタクソなんて古典的セオリーなんぞ今の時代通用しないのだ。
「行ってらっしゃいなつ。今日は妹を宜しくお願いします」
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「行ってきます」
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