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今年もアイツがやって来る
その四
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「Zzz……」
才覚の片鱗は見せつつも撃沈した堀江の後を受けた根田、悌、嶺山、日高も杣木を起こすことができずにいる。自転車部主将、副主将、顧問、そして里見まで出てきて鍋を叩くも、誰一人ぴくりとさせられずにいた。
「う~ん、智君呼ぶか」
堀江は一旦戦いを諦めて下に降りようとすると、テーブルメイクを終えた義藤が階段を駆け上がってきた。
「はいは~い♪ オレ残ってるよー」
一人元気良く登場した未成年の従業員に全員が視線を向ける。
「こいつ忘れとった」
悌は二十センチほど身長の低い同期を見下ろした。
「ひでぇよボス~、何で忘れんのさ?」
「ボス言いな、けど試してみる価値はあるんちがいます?」
「せやな。これであかんかったら智君呼ぼ」
堀江は手にしていた中華鍋とのおたまを義藤に手渡すと、意気揚々と杣木が眠るベッドの傍らに立つ。コイツ大丈夫か? 九人がかりで起こせなかっただけに、おちゃらけている子供に為せることではないと考えていた。
「おはよーございまーす!」
義藤は見様見真似的に勢い良く鍋を叩く。最初は無反応だった杣木だが、呻き声を上げてからうっすらと目を開けてこちらを見つめていた。
「おはよ~」
『おはよ~』じゃねぇよ……静寂の間ができた瞬間その場にいた全員がそう思ったが、思わぬ伏兵の功績に部員たちは歓喜の声を上げた。
「「「「「キターッ!」」」」」
「監督が起きたぞっー!」
「練習できるぞーっ!」
彼らは近くにいた者同士で喜びを分かち合い、堀江はほっと安堵の表情を見せた。
「ありがとう兄ちゃん!」
「おうっ! やったぞっ!」
すっかり調子に乗っている義藤は部員たちとハイタッチを交わし、誰よりも嬉しそうにしている。それを尻目に根田と悌が一足先に下に降りると、厨房内にいる川瀬が独り言を呟いていた。
「どうされました義さん?」
声を掛けられてびくっと体を震わせた川瀬は、取り繕ったような固い笑顔を見せた。しかしピリついた空気までは消えず、立ち合った二人は余計な気構えをしてしまう。
「どうもしないよ。誰もいなくなってたからちょっと驚いてただけ」
「そうですか。智さんがいらっしゃらないので総出で杣木さんを起こしに行ってたんです」
根田はそう言ってから悌に視線を向ける。
「えぇ、部員さんにもご協力頂いたのですがなかなか骨が折れました。それにしても……」
「そうですよね、荘さんのお陰で助かりましたよね。吾さん、ボクたちの出る幕ほとんど無いですよぉ」
根田は厨房とカフェの支度具合を見ながら間接的に義藤を褒めている。
「けどすぐには降りてこられんでしょう、あんだけ担がれてましたんで」
「かも知れませんね。あっ、仁さん。荘さんは?」
ひと騒動を終えた二階客室から降りてきたのは、中華鍋とおたまを持った堀江のみであった。
「部員さんにヒーロー扱いされてるわ。本来であれば窘めて業務に戻すべきなんやけど、楽しそうにしとってやから置いてきた。まぐれやないことを祈るわ」
堀江は鍋とおたまを定位置に戻し、テーブルメイクの状況を確認している。
「うん、あとは降りてこられてからやな。悌君と吾はもうちょっと頑張ってもらえる?」
「「はい」」
二人はよれたエプロンを直し、間もなく始まる朝食ラッシュに備えていた。と同時に根田は厨房から来るピリピリした空気に嫌なものを感じ取る。彼には川瀬の呟きがしっかり耳に届いていたからだ。
普段から所作を気にして、物腰丁寧である先輩とは思えぬ汚い口調だったことに戸惑いを感じていた。合う合わないや好き嫌いが生じるのは仕方の無いことであるが、業務そのものはきちんとしているのだからと悲しい気持ちを抱えている。
それは悌にも聞こえていたのだが、彼にとってはさほど意外性も無かったので平然としている。二人が受けた印象には大きな差こそあったが、小さな不信感を植え付けるには十分過ぎる失態であった。
現在団体客を受け入れているため、カフェを臨時休業にしている『オクトゴーヌ』は昼間に空き時間ができていた。このところ昼の賄いは悌が中心になって作っており、川瀬は外食を摂ることが今や日常となっている。
前夜に小野坂の妻夢子が体調を崩して入院していることは聞いていたので、朝の仕込みのうちにこっそりと弁当を作っていた。同僚である小野坂にも食べてもらおうと多めに作ってあり、堀江から事前に病院も聞き出してある。
運転免許の無い川瀬は、路面電車を利用して城郭公園近くの私立病院へと向かう。夕飯の仕込みのことを考えると大した時間は取れないのだが、それでも『DAIGO』で親しくしている同僚の見舞いは是が非にでもしておきたかった。
電車を降りてから道すがらで見つけた花屋で北海道ではほとんど見掛けない鉢植えのオキナグサを購入して、病院前に着いたところで小野坂のケータイにメールを入れる。
【今病院前なんだ、夢子さんのお見舞いをさせて頂きたくて】
それから待つこと数分、少し疲れた表情の小野坂がそこまで迎えにやって来た。
「わざわざ来てくれたのか? 明日の朝には退院するんだけど」
「僕にとっては夢子さんも同僚じゃない」
川瀬は尤もらしく言ったが、タイムスケジュールを把握している小野坂は随分と悠長にしているなと思っていた。
「一泊入院だから見舞いは要らないって仁に言っておいたんだけど聞いてないのか?」
「うん、ここに入院されてるってこと以外何も」
「そうか。体調は戻ってるから見舞いくらいは大丈夫だと思うけど……」
小野坂はオキナグサをに視線をやって口ごもる。
「オキナグサだよ、こっちじゃ珍しいから」
「そうじゃなくてさ、確か見舞いに生花持ち込むの禁止だったんじゃねぇかな? 確認しないと分かんねぇからここで待っててくれ」
小野坂は川瀬を置いて一旦病院内に入る。少し経ってから出てきた小野坂は腕でバツと作ってみせた。せっかく買ったのに……川瀬はオキナグサを寂しそうに見つめていると、ロビーには入れると言って川瀬を呼んだ。
「持ち物預かり場ってのがあるんだって、知らずに花持ってくる人はちょいちょいいるらしくてさ」
「今そんなルールがあるんだね、どうしてなんだろう?」
「花粉症の人が増えたからじゃねぇの?」
小野坂は興味無さげにずんずんと先を歩き、持ち物預かり所の事務員に声を掛けた。事務員の女性は素早く手続きに応じ、川瀬は仕方無くオキナグサの鉢植えを彼女に手渡した。
「帰りに引き取らせてもらうよ」
小野坂は川瀬を連れて病室へと案内した。
才覚の片鱗は見せつつも撃沈した堀江の後を受けた根田、悌、嶺山、日高も杣木を起こすことができずにいる。自転車部主将、副主将、顧問、そして里見まで出てきて鍋を叩くも、誰一人ぴくりとさせられずにいた。
「う~ん、智君呼ぶか」
堀江は一旦戦いを諦めて下に降りようとすると、テーブルメイクを終えた義藤が階段を駆け上がってきた。
「はいは~い♪ オレ残ってるよー」
一人元気良く登場した未成年の従業員に全員が視線を向ける。
「こいつ忘れとった」
悌は二十センチほど身長の低い同期を見下ろした。
「ひでぇよボス~、何で忘れんのさ?」
「ボス言いな、けど試してみる価値はあるんちがいます?」
「せやな。これであかんかったら智君呼ぼ」
堀江は手にしていた中華鍋とのおたまを義藤に手渡すと、意気揚々と杣木が眠るベッドの傍らに立つ。コイツ大丈夫か? 九人がかりで起こせなかっただけに、おちゃらけている子供に為せることではないと考えていた。
「おはよーございまーす!」
義藤は見様見真似的に勢い良く鍋を叩く。最初は無反応だった杣木だが、呻き声を上げてからうっすらと目を開けてこちらを見つめていた。
「おはよ~」
『おはよ~』じゃねぇよ……静寂の間ができた瞬間その場にいた全員がそう思ったが、思わぬ伏兵の功績に部員たちは歓喜の声を上げた。
「「「「「キターッ!」」」」」
「監督が起きたぞっー!」
「練習できるぞーっ!」
彼らは近くにいた者同士で喜びを分かち合い、堀江はほっと安堵の表情を見せた。
「ありがとう兄ちゃん!」
「おうっ! やったぞっ!」
すっかり調子に乗っている義藤は部員たちとハイタッチを交わし、誰よりも嬉しそうにしている。それを尻目に根田と悌が一足先に下に降りると、厨房内にいる川瀬が独り言を呟いていた。
「どうされました義さん?」
声を掛けられてびくっと体を震わせた川瀬は、取り繕ったような固い笑顔を見せた。しかしピリついた空気までは消えず、立ち合った二人は余計な気構えをしてしまう。
「どうもしないよ。誰もいなくなってたからちょっと驚いてただけ」
「そうですか。智さんがいらっしゃらないので総出で杣木さんを起こしに行ってたんです」
根田はそう言ってから悌に視線を向ける。
「えぇ、部員さんにもご協力頂いたのですがなかなか骨が折れました。それにしても……」
「そうですよね、荘さんのお陰で助かりましたよね。吾さん、ボクたちの出る幕ほとんど無いですよぉ」
根田は厨房とカフェの支度具合を見ながら間接的に義藤を褒めている。
「けどすぐには降りてこられんでしょう、あんだけ担がれてましたんで」
「かも知れませんね。あっ、仁さん。荘さんは?」
ひと騒動を終えた二階客室から降りてきたのは、中華鍋とおたまを持った堀江のみであった。
「部員さんにヒーロー扱いされてるわ。本来であれば窘めて業務に戻すべきなんやけど、楽しそうにしとってやから置いてきた。まぐれやないことを祈るわ」
堀江は鍋とおたまを定位置に戻し、テーブルメイクの状況を確認している。
「うん、あとは降りてこられてからやな。悌君と吾はもうちょっと頑張ってもらえる?」
「「はい」」
二人はよれたエプロンを直し、間もなく始まる朝食ラッシュに備えていた。と同時に根田は厨房から来るピリピリした空気に嫌なものを感じ取る。彼には川瀬の呟きがしっかり耳に届いていたからだ。
普段から所作を気にして、物腰丁寧である先輩とは思えぬ汚い口調だったことに戸惑いを感じていた。合う合わないや好き嫌いが生じるのは仕方の無いことであるが、業務そのものはきちんとしているのだからと悲しい気持ちを抱えている。
それは悌にも聞こえていたのだが、彼にとってはさほど意外性も無かったので平然としている。二人が受けた印象には大きな差こそあったが、小さな不信感を植え付けるには十分過ぎる失態であった。
現在団体客を受け入れているため、カフェを臨時休業にしている『オクトゴーヌ』は昼間に空き時間ができていた。このところ昼の賄いは悌が中心になって作っており、川瀬は外食を摂ることが今や日常となっている。
前夜に小野坂の妻夢子が体調を崩して入院していることは聞いていたので、朝の仕込みのうちにこっそりと弁当を作っていた。同僚である小野坂にも食べてもらおうと多めに作ってあり、堀江から事前に病院も聞き出してある。
運転免許の無い川瀬は、路面電車を利用して城郭公園近くの私立病院へと向かう。夕飯の仕込みのことを考えると大した時間は取れないのだが、それでも『DAIGO』で親しくしている同僚の見舞いは是が非にでもしておきたかった。
電車を降りてから道すがらで見つけた花屋で北海道ではほとんど見掛けない鉢植えのオキナグサを購入して、病院前に着いたところで小野坂のケータイにメールを入れる。
【今病院前なんだ、夢子さんのお見舞いをさせて頂きたくて】
それから待つこと数分、少し疲れた表情の小野坂がそこまで迎えにやって来た。
「わざわざ来てくれたのか? 明日の朝には退院するんだけど」
「僕にとっては夢子さんも同僚じゃない」
川瀬は尤もらしく言ったが、タイムスケジュールを把握している小野坂は随分と悠長にしているなと思っていた。
「一泊入院だから見舞いは要らないって仁に言っておいたんだけど聞いてないのか?」
「うん、ここに入院されてるってこと以外何も」
「そうか。体調は戻ってるから見舞いくらいは大丈夫だと思うけど……」
小野坂はオキナグサをに視線をやって口ごもる。
「オキナグサだよ、こっちじゃ珍しいから」
「そうじゃなくてさ、確か見舞いに生花持ち込むの禁止だったんじゃねぇかな? 確認しないと分かんねぇからここで待っててくれ」
小野坂は川瀬を置いて一旦病院内に入る。少し経ってから出てきた小野坂は腕でバツと作ってみせた。せっかく買ったのに……川瀬はオキナグサを寂しそうに見つめていると、ロビーには入れると言って川瀬を呼んだ。
「持ち物預かり場ってのがあるんだって、知らずに花持ってくる人はちょいちょいいるらしくてさ」
「今そんなルールがあるんだね、どうしてなんだろう?」
「花粉症の人が増えたからじゃねぇの?」
小野坂は興味無さげにずんずんと先を歩き、持ち物預かり所の事務員に声を掛けた。事務員の女性は素早く手続きに応じ、川瀬は仕方無くオキナグサの鉢植えを彼女に手渡した。
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