31 / 36
トリガーフレーズ
しおりを挟む
女子高生たちは、怪しすぎるジャーナリスト(つまり俺ーー秋山コウジ)に怪訝そうな顔を浮かべてはいるが、しばらく黙ったのち、顔を見合わせてから言った。
「ーーいいよ」
「それじゃ、不死鳥のこと、聞かせてくれる?」
「うん。不死鳥に現在いる子が教えてくれたんだけど、不死鳥に加入する時に、自己暗示をかけられるんだってーー。その時にトリガーフレーズもかけられていて、その言葉を聞いた時、何の迷いもなく電車に飛び込むように仕向けられているみたい」
「そんな事が出来るの?」
「実際、それで何人もの人が死んでるの」
女子高生はうつむいて、悲しそうにそう言った。それでねーー女子高生は話を続ける。
「それでね、沢口望って子のグループ内での名前がツバメーー。田中宏美って子がスズメ。そして西島佳子と言う子がカラスーー。そう呼ばれていたみたい。ここからは推測だけど、この三人の名前のどれかが、誰かのトリガーフレーズになっていて、それで同じ日の同じ時間に自殺したんじゃないかなぁ?」
「何か、すごい組織だね。カラスって呼ばれてる人がリーダー格だって聞いたんだけど、西島佳子もそうだったのかな?」
「リーダー格って言っても不死鳥の中でグループが別れてるみたいだから、何人かいるうちのリーダーの一人なんだと思うよ?」
そう答えてくれたのは、髪が長くゆるいパーマをかけた女子高生で目鼻立ちが整っている子だった。
「あ、トリガーフレーズは、本人は知ってるの?」
俺は聞いた。
「知らないみたいだよ!」
「あ、でも、私はそのトリガーフレーズを聞いたよ。宏美のトリガーフレーズはカラス。そして望って子のトリガーフレーズはスズメーー。あと、西島佳子って子はツバメって言葉がトリガーフレーズだったみたい」
「つまり、田中宏美(スズメ)の呼び名を聞くと沢口望が自殺して、沢口望って子の呼び名(ツバメ)を聞くと、西島佳子が自殺してーーそういう事かい?」
女子高生たちが一斉に答えた。
同意を示して「うん」といって頭を下げる。
「ーーだとすると、もう一人…宏美という子のツイになるトリガーフレーズがあるはず」
「ありがとう。協力してくれて!!ーーこれは俺が払っておくから」
伝票を手に、浩司はレジへと向かった。
「3900円になります」
従業員に言われた額を払うと、俺は急いで店を出る。
もう一人出るかも知れない事を連絡しておこう!
携帯を片手に浩司はリダイアルボタンを押す。
「もしもし」
声を確認してから俺は言う。
「もしもし、マモルーー大変だぞ!!この自殺はまだ終わらないかも知れない」
「どーゆー事なんだ?」
「取り急ぎ、三人で会えないか?」
「わかった。敦には俺から伝える!!ーーすぐにいつもの喫茶店に向かう」
「よろしく!」
「ーーいいよ」
「それじゃ、不死鳥のこと、聞かせてくれる?」
「うん。不死鳥に現在いる子が教えてくれたんだけど、不死鳥に加入する時に、自己暗示をかけられるんだってーー。その時にトリガーフレーズもかけられていて、その言葉を聞いた時、何の迷いもなく電車に飛び込むように仕向けられているみたい」
「そんな事が出来るの?」
「実際、それで何人もの人が死んでるの」
女子高生はうつむいて、悲しそうにそう言った。それでねーー女子高生は話を続ける。
「それでね、沢口望って子のグループ内での名前がツバメーー。田中宏美って子がスズメ。そして西島佳子と言う子がカラスーー。そう呼ばれていたみたい。ここからは推測だけど、この三人の名前のどれかが、誰かのトリガーフレーズになっていて、それで同じ日の同じ時間に自殺したんじゃないかなぁ?」
「何か、すごい組織だね。カラスって呼ばれてる人がリーダー格だって聞いたんだけど、西島佳子もそうだったのかな?」
「リーダー格って言っても不死鳥の中でグループが別れてるみたいだから、何人かいるうちのリーダーの一人なんだと思うよ?」
そう答えてくれたのは、髪が長くゆるいパーマをかけた女子高生で目鼻立ちが整っている子だった。
「あ、トリガーフレーズは、本人は知ってるの?」
俺は聞いた。
「知らないみたいだよ!」
「あ、でも、私はそのトリガーフレーズを聞いたよ。宏美のトリガーフレーズはカラス。そして望って子のトリガーフレーズはスズメーー。あと、西島佳子って子はツバメって言葉がトリガーフレーズだったみたい」
「つまり、田中宏美(スズメ)の呼び名を聞くと沢口望が自殺して、沢口望って子の呼び名(ツバメ)を聞くと、西島佳子が自殺してーーそういう事かい?」
女子高生たちが一斉に答えた。
同意を示して「うん」といって頭を下げる。
「ーーだとすると、もう一人…宏美という子のツイになるトリガーフレーズがあるはず」
「ありがとう。協力してくれて!!ーーこれは俺が払っておくから」
伝票を手に、浩司はレジへと向かった。
「3900円になります」
従業員に言われた額を払うと、俺は急いで店を出る。
もう一人出るかも知れない事を連絡しておこう!
携帯を片手に浩司はリダイアルボタンを押す。
「もしもし」
声を確認してから俺は言う。
「もしもし、マモルーー大変だぞ!!この自殺はまだ終わらないかも知れない」
「どーゆー事なんだ?」
「取り急ぎ、三人で会えないか?」
「わかった。敦には俺から伝える!!ーーすぐにいつもの喫茶店に向かう」
「よろしく!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる