9月9日11時

情報交換

「それで、それぞれが集めた情報を出し会う前に、何を頼む？」

浩司が聞く。
二人ともホットコーヒーだと言う。
浩司は３人分のホットコーヒーを頼んだ。

「ふぅ、俺、お手上げだよ！何の進展もなく、共通点もみつかっていないんだ。沢口望の友人だったという子は自殺する動機も思いつかないと話していた」

浩司はそう言って、両手を上げた。
目線をマモルに向けると、声もなくマモルが説明を始めた。

「俺の方は少しだけ進展があったんだ。どうやら、西島佳子は「不死鳥」という団体と関わりがあるらしいんだが、その不死鳥が、何なのか？ーーそれはまだわからずじまいなんだ」

そう言ったすぐ後だ。
隣でコーヒーを飲んでたアツシがコーヒーを吹き出したせいで、目の前に座っていた浩司の顔はコーヒーだらけになった。
敦の鼻の上には、コーヒーがついている。

「な...なんだって？」

アツシは鼻にコーヒーをつけたまま、そう言った。

「だから、不死鳥だよ。それが何かはわからないけど？」

「それなら俺が聞いたよ！不死鳥って、心理学系の事をしている宗教のようなグループだそうだ。西島佳子と田中宏美は、ある女子高生に不死鳥っていう組織に、勧誘をしに行ったらしいーーその子の前で西島佳子は、自分の事を「カラス」と呼んでいたらしい」

「二人には共通点があったって事か？」

「そうなるな。あと一点、田中宏美は自分の事をツバメと名乗っていたらしい」

ーー不死鳥に、ツバメ、そしてカラス。

まだ不明な事が多い。
俺たちは、この自殺の真相に少しずつ近づいているのだろうか？