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朗報
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その日。
夕夏の家に、電話が鳴った。
階段の下から夕夏を呼ぶ母の声がする。
「ーーゆーか、電話よー」
母の声はいつもより明るく感じた。
私は駆け足で、階段をかけ下りると受話器を握った。
「ーーもしもし?」
「夕夏?私だよ。由美ーー」
「何ー?由美、どーしたの?」
「ーーいい報告」
由美が受話器の向こう側で笑っている。
「なになにー?」
私は聞いた。
「あのね、、来てからのお楽しみ!近いうちに、家に遊びに来てよ!柴ちゃんと翔大と一緒にーー」
「気になるじゃん?」
「まぁまぁ、明日にでも遊びにおいでよ」
「ーーわかった」
イタズラっぽい顔で笑ってる由美の姿が目に浮かぶような、明るい声で由美は言った。
私は気になるのをとりあえず我慢して、受話器を置いた。
夜の8時を回った頃。
母が帰宅した。
「おかえりなさい」
玄関まで出迎えると、母は男の人と一緒だった。
祐司とは違う人の様だった。
ーーえ?誰?
「夕夏、おかえりなさいーーこの人に挨拶して」
ーーえ?
まず、この人は誰なのか?
それを説明してほしいと切に願った。
「ーー私、立花夕夏と言います」
母に言われた通り、自己紹介をする。
「どーも、こんばんは。いつもお母さんにお世話になっております。境です」
境と名乗った男は、丁寧に頭を下げる。
まんまるい体に、無精ひげの汚ならしい男だった。
ーー母はなぜこんな男を部屋に招き入れたのだろうか?
この男は一体、母の何なんだろうか?
夕夏の家に、電話が鳴った。
階段の下から夕夏を呼ぶ母の声がする。
「ーーゆーか、電話よー」
母の声はいつもより明るく感じた。
私は駆け足で、階段をかけ下りると受話器を握った。
「ーーもしもし?」
「夕夏?私だよ。由美ーー」
「何ー?由美、どーしたの?」
「ーーいい報告」
由美が受話器の向こう側で笑っている。
「なになにー?」
私は聞いた。
「あのね、、来てからのお楽しみ!近いうちに、家に遊びに来てよ!柴ちゃんと翔大と一緒にーー」
「気になるじゃん?」
「まぁまぁ、明日にでも遊びにおいでよ」
「ーーわかった」
イタズラっぽい顔で笑ってる由美の姿が目に浮かぶような、明るい声で由美は言った。
私は気になるのをとりあえず我慢して、受話器を置いた。
夜の8時を回った頃。
母が帰宅した。
「おかえりなさい」
玄関まで出迎えると、母は男の人と一緒だった。
祐司とは違う人の様だった。
ーーえ?誰?
「夕夏、おかえりなさいーーこの人に挨拶して」
ーーえ?
まず、この人は誰なのか?
それを説明してほしいと切に願った。
「ーー私、立花夕夏と言います」
母に言われた通り、自己紹介をする。
「どーも、こんばんは。いつもお母さんにお世話になっております。境です」
境と名乗った男は、丁寧に頭を下げる。
まんまるい体に、無精ひげの汚ならしい男だった。
ーー母はなぜこんな男を部屋に招き入れたのだろうか?
この男は一体、母の何なんだろうか?
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