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新しい家族
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母が退院したその日。
祐司が仕事から帰ってくると、赤ちゃんの名前を何にするか?の議論が繰り広げられた。
「男の子なら誠だ」
ここぞとばかりに祐司が言う。
「私は勇樹がいいと思う」
母はそう主張した。
私はよくわからない話をしているから、その場に座り込み、おとなしく2人の話を聞いている。
祐司は永遠と「誠だ」と言い張り、母は「勇樹」だと繰り返している。
そんな状態が10分以上も続いた後、母親が突然険しい顔をした。
「ーーだいたい、あんたはね!!肝心な時にいつもいない癖に、こんな時ばっかでしゃばるんじゃないよ」
いきなり祐司に対し、憤慨したように言った。
「そんな事言ったってーー」
祐司が返す言葉を失う。
「ーーわ、私」
夕夏が口を挟む。
「ん?なんかいい名前ある?」
静香は言った。
「光輝《こうき》がいい」
「あら、いい名前じゃない?光輝にしようか?」
静香が言った。
新しい家族の名前は、私の言った名前に決まった。
「名付け親は夕夏になるわね?ちゃんとお姉ちゃん、光輝と仲良くするのよ?」
母が言う。
「うん。わかった」
私は母と指切りをする。
こうして弟の名前は光輝という名前になった。
母はにこやかに笑いながら、光輝を見つめている。その姿を祐司が腹ただしそうな顔で見つめていた。
光輝は大きくてハッキリとした目をしている。その目を開けて、難しい顔をしているが、母いわく、まだ目が見えていないのだと言う。
でも、こんなに大きな目を開けてるのに?
目が見えていないって、どーゆー事だろう?
祐司が仕事から帰ってくると、赤ちゃんの名前を何にするか?の議論が繰り広げられた。
「男の子なら誠だ」
ここぞとばかりに祐司が言う。
「私は勇樹がいいと思う」
母はそう主張した。
私はよくわからない話をしているから、その場に座り込み、おとなしく2人の話を聞いている。
祐司は永遠と「誠だ」と言い張り、母は「勇樹」だと繰り返している。
そんな状態が10分以上も続いた後、母親が突然険しい顔をした。
「ーーだいたい、あんたはね!!肝心な時にいつもいない癖に、こんな時ばっかでしゃばるんじゃないよ」
いきなり祐司に対し、憤慨したように言った。
「そんな事言ったってーー」
祐司が返す言葉を失う。
「ーーわ、私」
夕夏が口を挟む。
「ん?なんかいい名前ある?」
静香は言った。
「光輝《こうき》がいい」
「あら、いい名前じゃない?光輝にしようか?」
静香が言った。
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でも、こんなに大きな目を開けてるのに?
目が見えていないって、どーゆー事だろう?
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