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受け入れた母
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「ーー柴ちゃん、酷い事ばっか言ってごめんね」
静香がそう言って撫でようとする。
するりと逃げながら「ほんとだよ。全くーー」そう、深いため息をこぼした。
柴ちゃんはまだ静香の事を許せない様だ。
ーー悪いけど、俺は許せない。つい最近、捨てろと言われたんだ。そんなに簡単には許せない。
静香に対して、吐き捨てるように言った。
「柴ちゃん、頼むよ!気持ちはわかるけど許してやってくれよ!!静香も悪意があったわけじゃないんだ。動物が好きすぎたから、距離を置こうとしただけなんだ」
祐司が柴ちゃんの頭をなでる。
どうやら、柴ちゃんは祐司の事が好きみたいだ。祐司の膝の上に普通に飛び乗っていく。
「しょうがねーな」
祐司の膝の上に乗って、柴ちゃんが言った。
「もう捨てろとか言うなよ」
警戒心剥き出して、静香の目を見て言った。
「大体、人間は人間に対しても思いやりがないし、動物に対しても思いやりがないんだよ」
まるで悟るようにそう言った。
ーー言われてみれば、そうかも知れない。
そんな風に静香は思った。
「ーー大丈夫、もう二度と捨てるって言われても捨てさせない」
静香は柴ちゃんと約束をした。
人間はワガママだ。
犬の癖に柴ちゃんは体を掻くような動作をする。
この日から柴ちゃんにも人間と同じ食事を与え始める。
柴ちゃんは大喜びでそれをすべて間食した。
「ーーこーゆーもんが食べたかったんだ」
そんな風にぼやいている。
静香がそう言って撫でようとする。
するりと逃げながら「ほんとだよ。全くーー」そう、深いため息をこぼした。
柴ちゃんはまだ静香の事を許せない様だ。
ーー悪いけど、俺は許せない。つい最近、捨てろと言われたんだ。そんなに簡単には許せない。
静香に対して、吐き捨てるように言った。
「柴ちゃん、頼むよ!気持ちはわかるけど許してやってくれよ!!静香も悪意があったわけじゃないんだ。動物が好きすぎたから、距離を置こうとしただけなんだ」
祐司が柴ちゃんの頭をなでる。
どうやら、柴ちゃんは祐司の事が好きみたいだ。祐司の膝の上に普通に飛び乗っていく。
「しょうがねーな」
祐司の膝の上に乗って、柴ちゃんが言った。
「もう捨てろとか言うなよ」
警戒心剥き出して、静香の目を見て言った。
「大体、人間は人間に対しても思いやりがないし、動物に対しても思いやりがないんだよ」
まるで悟るようにそう言った。
ーー言われてみれば、そうかも知れない。
そんな風に静香は思った。
「ーー大丈夫、もう二度と捨てるって言われても捨てさせない」
静香は柴ちゃんと約束をした。
人間はワガママだ。
犬の癖に柴ちゃんは体を掻くような動作をする。
この日から柴ちゃんにも人間と同じ食事を与え始める。
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「ーーこーゆーもんが食べたかったんだ」
そんな風にぼやいている。
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