みゆたろ

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しばちゃんの想い

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家に帰ると、柴ちゃんが駆け寄ってきた。

ーーワンッ。
尻尾をバタバタと振っている。

「なんだぁ、普通のワンちゃんじゃんーーねぇ」
そんな風に話ながら、由美が柴ちゃんの頭を撫でると

「そうなんだよ。俺は普通の犬なんだよーー周りは変なものを見るようにしてみるけどさ、、個性くらいあったっていーじゃん。なー?」
柴ちゃんが語った。

ーーえ?

由美の目が止まる。

ーーなんだって??
「今喋ったのって、、もしかして?」
不思議そうに、由美は私を見た。
「そうだよ?」
私は笑った。
始めはビックリするもんだろう。

「名前は?」
「柴ちゃんって呼ばれてるーーでも、もっと違った名前が良かったなぁ」
「ーー例えば?」
私は聞いた。
「そうだなぁ、、人間っぽい名前が良かったなぁ」
「ーーそうだねぇ、、喋れるんだもんね」
「今さら変えたくないでしょ?」
「柴ちゃんでいいよ。ようやく慣れたから」
「じゃ、このままでーー」

由美もその会話を聞いて笑った。

「人の言葉を話してくれる犬なら、私が飼いたかったよ」
由美が言う。
「私は柴ちゃんが来てくれたから、毎日寂しくないよ」
柴ちゃんを撫でると、気持ち良さそうに、お腹を出して寝そべっている。

「俺もわかってくれる人間に会えて、良かったんだ。ありがとう」
柴ちゃんは一体どこで言葉を覚えたのだろう?
不思議だが、柴ちゃんは可愛い。
これからも毎日柴ちゃんに寄り添い、たっぷりと愛していこうと思う。

柴ちゃんとの毎日が永遠に続いていく事を願ってーー。
由美はその日泊まって行く事になる。
柴ちゃんと川の字を作るように二人と一匹で眠った。
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