みゆたろ

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真実

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その日。
土砂降りの雨に見舞われた。
ビショビショに濡れながら、家路を急いだ。

「ーー夕夏じゃない?」
聞き覚えのある声だ。
突然、背後から聞こえてきた声に振り返る。

そこには母が入院した時に、助けてくれた由美がいた。

「あ、由美ーー久しぶり」
手を叩きあって、喜んでいる。

二人は缶ジュースを一本ずつ買って、公園で腰を下ろして、久しぶりにゆっくりと話した。

「そう言えば、お母さんはどう?」
「もうよくなってるみたいだけど、私もご飯の準備とか手伝う様にしてるよ」
「そっか。お母さん助けたあの犬はどーなった?」
「飼ってるよ。命の恩人だもん。ーーそれより、あの子、不思議な力があるみたいなの」
「どんな?」
ーー信じないかも知れないけど。
そう前置きしてから私は話した。あの犬が人間の言葉を話す事を。

あはははっ。

由美は突然、笑いだした。

「ホントなんだってばーー」
私はそう言った。
「じゃ、見に行っていい?」
「いーよ」

私は由美と共に家へと向かう。
帰り道が久しぶりに楽しい時間になった。
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