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第四章
ニースベルの招集
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救護室の一件から1週間がすぎ、今アリアローズはセリーヌと共に王宮へと向かう馬車に乗っている。
「本当カインザーク殿下には驚かされましたわね。いきなり帰ってきたかと思ったらニースベル殿下にデコピンをされるんですもの」
全くだ、あの場にカインザークがいる事にすら驚いたのだが更に驚きが待っていたのだから。
しかし、カインザークのデコピンでもニースベルは目を覚さないくらい深く眠っていたので両殿下とランティスはそのまま王宮へと場所移した。
チラッとカインザークと目があったが和んで話してる場合ではないのでその場は会話もなしにお別れをした。
そして本日は数日前に目が覚めたニースベルが話したい事があると言われたそうでこうして王宮へと招集されたのだ。
因みに、直ぐに目を覚ますと思ってたニースベルはあれから3日は眠っていたと言う。そして、学園や周りの騒動など露知らず起きてきたニースベルの肌は卵の様につやつやで体力も回復し元気いっぱいの様子だったそうだ。もしかしたら少しは治癒魔法が効いてしまって体力が全快になるまで寝てたのかもしれないと言う事は思っても黙っておこう。
馬車に揺られ王宮へと到着すると、ニースベル殿下が待っている部屋へと案内された。
案内のメイドが扉をノックするとどうぞと部屋へと入室する。
中にはニースベル殿下、カインザーク殿下、ランティス、攻略対象である宰相の息子ログワーツ、近衛団長の息子グレンそれにリリアンヌも既に入室していた。
呼ばれていたのは私たちだけではないと思っていたがまさかのパンドラ乙女の主要メンバーが勢揃いだった。
これから何があるのかとゴクっと唾を飲み込む。
「2人ともよく来てくれたね、君たちにも心配をかけてしまったね。この通り元通りに回復したし私を心配してくれ、そして私が信頼している皆んなに大事な話があるんだ」
そういうとニースベルはリリアンヌの肩を抱き隣へと引き寄せると皆の前で宣言するように口を開く
「私ニースベル・ラクトリアはリザベラ・フローレンスとの婚約を破棄しここにいるリリアンヌ・カナルディとの婚約を宣言したい」
やはりこの話だったのか。
そして流石乙女ゲームのトゥルーハッピーエンドと言った所か、他の攻略者の前でニースベルとの婚約宣言をしても皆温かく見守っている。
「まぁ、分かってはいたけど遂に決めたんだな」
カインザークの声にコクンと頷く
「父上や母上には既に了承を得ているんだ、後はフローレンス公爵家をどう説得するかで数日頭を悩ませていたんだけど使えそうな情報を見つけてね、このまま進めれば100とは行かなくても婚約破棄はできると思って寝ずに資料をまとめていた所だったんだ」
「そこに今回の事故か、中々上手く使えそうだな」
2人で顔を見合わせてニヤッと頷いている。
やはり双子なだけあって普段は似て居なくても似ている時は似ているものなのだと妙に納得してしまった。
今回のニースベルに怪我を負わせてしまった件を上手く使えば学園内の出来事とは言え故意に王族に危害を加えたとして婚約者であろうともそれなりの処分は出来るだろう。それを婚約破棄の理由に使い、断罪を果たすようだ。
そうかそうか、等々ここまで来たんだな。
とリリアンヌに視線を向けるとリリアンヌもニッコリと意味ありげにアリアローズを見返す。
「ん、まぁそう言う事なので皆には知っていてほしいし、協力して欲しいんだ。婚約破棄を伝えるのはリザベラの謹慎が明け皆の卒業が決まった後の卒業パーティーで行うことにする」
「何故卒業パーティーなんですか?直ぐにでも破棄を言いつければ宜しいのでは?」
近衛団長の息子グレンが不思議に思い訪ねる。確かに、義に厚いグレンなら直ぐにでも不要なら排除したいだろう。
しかし、相手はリザベラ・フローレンスだ。
そこは慎重にいかなくては行けない事くらい分かってはいるが、卒業パーティーまで待つ必要もない事は確かだった。
「そうだね、別に卒業パーティーで無くても良いのだけどより多くの人に承認としていて貰うには在学中の事を知っている者たちが多くいて、更には親も参席できる卒業パーティーの場を使うのが1番円滑に破棄を進めるた為の近道かなと思ってね」
「確かにそうだな、卒業後のパーティーでは学園内の事やリリアンヌ嬢の事をよく知らない貴族も居るだろうし、何より直近でそう言った貴族を集める大掛かりなパーティーは企画しなければ開催の予定がないしな、学園には悪いがそこを利用させて貰わない手はないな」
「そう、そう言うことで決行は卒業パーティー当日。皆んなにはやって貰いたい事も個別にあるからそれは後に話すとして。あ、アリアローズ嬢とセリーヌ嬢には特別招待状を送るから当日は参加してリリアンヌを見守っててね」
こうして、卒業パーティーでの断罪イベントへの幕が明けたのだった。
「本当カインザーク殿下には驚かされましたわね。いきなり帰ってきたかと思ったらニースベル殿下にデコピンをされるんですもの」
全くだ、あの場にカインザークがいる事にすら驚いたのだが更に驚きが待っていたのだから。
しかし、カインザークのデコピンでもニースベルは目を覚さないくらい深く眠っていたので両殿下とランティスはそのまま王宮へと場所移した。
チラッとカインザークと目があったが和んで話してる場合ではないのでその場は会話もなしにお別れをした。
そして本日は数日前に目が覚めたニースベルが話したい事があると言われたそうでこうして王宮へと招集されたのだ。
因みに、直ぐに目を覚ますと思ってたニースベルはあれから3日は眠っていたと言う。そして、学園や周りの騒動など露知らず起きてきたニースベルの肌は卵の様につやつやで体力も回復し元気いっぱいの様子だったそうだ。もしかしたら少しは治癒魔法が効いてしまって体力が全快になるまで寝てたのかもしれないと言う事は思っても黙っておこう。
馬車に揺られ王宮へと到着すると、ニースベル殿下が待っている部屋へと案内された。
案内のメイドが扉をノックするとどうぞと部屋へと入室する。
中にはニースベル殿下、カインザーク殿下、ランティス、攻略対象である宰相の息子ログワーツ、近衛団長の息子グレンそれにリリアンヌも既に入室していた。
呼ばれていたのは私たちだけではないと思っていたがまさかのパンドラ乙女の主要メンバーが勢揃いだった。
これから何があるのかとゴクっと唾を飲み込む。
「2人ともよく来てくれたね、君たちにも心配をかけてしまったね。この通り元通りに回復したし私を心配してくれ、そして私が信頼している皆んなに大事な話があるんだ」
そういうとニースベルはリリアンヌの肩を抱き隣へと引き寄せると皆の前で宣言するように口を開く
「私ニースベル・ラクトリアはリザベラ・フローレンスとの婚約を破棄しここにいるリリアンヌ・カナルディとの婚約を宣言したい」
やはりこの話だったのか。
そして流石乙女ゲームのトゥルーハッピーエンドと言った所か、他の攻略者の前でニースベルとの婚約宣言をしても皆温かく見守っている。
「まぁ、分かってはいたけど遂に決めたんだな」
カインザークの声にコクンと頷く
「父上や母上には既に了承を得ているんだ、後はフローレンス公爵家をどう説得するかで数日頭を悩ませていたんだけど使えそうな情報を見つけてね、このまま進めれば100とは行かなくても婚約破棄はできると思って寝ずに資料をまとめていた所だったんだ」
「そこに今回の事故か、中々上手く使えそうだな」
2人で顔を見合わせてニヤッと頷いている。
やはり双子なだけあって普段は似て居なくても似ている時は似ているものなのだと妙に納得してしまった。
今回のニースベルに怪我を負わせてしまった件を上手く使えば学園内の出来事とは言え故意に王族に危害を加えたとして婚約者であろうともそれなりの処分は出来るだろう。それを婚約破棄の理由に使い、断罪を果たすようだ。
そうかそうか、等々ここまで来たんだな。
とリリアンヌに視線を向けるとリリアンヌもニッコリと意味ありげにアリアローズを見返す。
「ん、まぁそう言う事なので皆には知っていてほしいし、協力して欲しいんだ。婚約破棄を伝えるのはリザベラの謹慎が明け皆の卒業が決まった後の卒業パーティーで行うことにする」
「何故卒業パーティーなんですか?直ぐにでも破棄を言いつければ宜しいのでは?」
近衛団長の息子グレンが不思議に思い訪ねる。確かに、義に厚いグレンなら直ぐにでも不要なら排除したいだろう。
しかし、相手はリザベラ・フローレンスだ。
そこは慎重にいかなくては行けない事くらい分かってはいるが、卒業パーティーまで待つ必要もない事は確かだった。
「そうだね、別に卒業パーティーで無くても良いのだけどより多くの人に承認としていて貰うには在学中の事を知っている者たちが多くいて、更には親も参席できる卒業パーティーの場を使うのが1番円滑に破棄を進めるた為の近道かなと思ってね」
「確かにそうだな、卒業後のパーティーでは学園内の事やリリアンヌ嬢の事をよく知らない貴族も居るだろうし、何より直近でそう言った貴族を集める大掛かりなパーティーは企画しなければ開催の予定がないしな、学園には悪いがそこを利用させて貰わない手はないな」
「そう、そう言うことで決行は卒業パーティー当日。皆んなにはやって貰いたい事も個別にあるからそれは後に話すとして。あ、アリアローズ嬢とセリーヌ嬢には特別招待状を送るから当日は参加してリリアンヌを見守っててね」
こうして、卒業パーティーでの断罪イベントへの幕が明けたのだった。
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