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第四章

セクタールの内情

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王宮へ着くとまず先に国王陛下へ謁見する事となった。
セクタール国王はとても厳粛で威厳がある雰囲気を醸し出しアルベルトの父親かと疑いたくなる程違って見えたが、話し始めると雰囲気とは違って冗談混じりの話し方に間違いなく親であると誰もが思っただろう。そのお陰か次第に緊張も和らいで無事謁見を終える事が出来た。

「いやー国王陛下へ挨拶とか緊張でやばかったけど陛下はやっぱりアルベルトの父親だったなっ」

わはは、と笑いながらジョナサンが頭の後ろに腕を組みやっと解放されたといつもの調子に戻っていた。
確かにセクタール国王は外見だけでなく話さなければ…と言う面でアルベルトと果てしなく似ていた。息子に学友を連れて来いと言うくらいだからどんな方かと思っていたが、大きくなったアルベルトの様な感じが受け取れた。

「あはは、確かにジョナサン父上の前では人が変わってたもんねー」

アルベルトの言葉にみんなが頷き、酷いなーと言いつつも笑いながら和気藹々と部屋へと続く通りを歩いて行く。
アリアローズはふとすれ違う人達の視線に気がついた。普通に挨拶をする人もいればヒソヒソと何やらこちらを見て話をしている人たちもいる。

「ねえねえ、セリーヌやっぱりセクタールの人達に私たちって歓迎されてないのかな?」

言葉の端々で聞こえたのは友人を連れてくるなんて呆れた、王宮滞在の意味を分かっているのかなどだった。

「あぁ、その事なら…まぁアレですね。ここでは何ですから部屋で話しますわね」


部屋へと到着するとアリアローズ付きの侍女が周りの支度を整え、何かあれば呼び鈴を鳴らして下さいとその場を後にした。
先の話が気になり居ても立っても居られずに直ぐにセリーヌの部屋へと押しかける為部屋を後にする。行き先は勿論セリーヌの部屋だ。
コンコンとノックをし扉を開けると既にお茶の用意が出来ており、アリアローズが訪ねてくるのが分かっていたかの様だった。


「セリーヌさっきの話の内容教えて!」

「まぁ、そんなに気になるのです?」

座るや否や本題を切り出したがセリーヌは何処かのほほんとしていた。

「アリアがそこまで気になるのなら…そうですね、先程の内容はまあ言ってしまえば反第一王子派の方々でしょうかね。セクタールは今後継者争いの真っ最中らしいですわ」

「へぇー後継者…って次期国王はアルベルト様で決まってたんじゃないの?!確か前にそんな事を聞いた気がするんだけど?」

あれはいつだったか、まだアルベルトと出会う前だったかに隣国の時期国王は第一王子だと聞いた気がするが違ったのだろうか。

「前はアルベルト様一択だった様ですが最近になって味方をつけ始めた第二王子が名乗りを上げている様で時期国王の座を二分しているそうですわ。でも現国王はアルベルト様を挙げられているそうですわ」

そりゃあ学友を連れてこいと言うだけあってアルベルト擁護派なのだろう。

「それなら私たちが来て後ろ指刺されてるのも分かる訳ね。因みに…」

キョロキョロと周りに誰も居ない事を確認する。

「第二王子って優秀なの?」

こんな事聞いたら怒られそうだがアリアローズとしたら仲良くなったアルベルトを推したいのだ。もし部が悪いならなんとか力になりたいとも思う。

「いえ、このまま行けばアルベルト様が後継として選ばれると思いますよ。今の所アルベルト様は国王や保守派の貴族から支持されてますし、ましてや国民からとても支持を受けているので余程の事がない限りアルベルト様が次期国王かと。ですが第二王子の下には権力や金銭に目の眩んだ貴族が大勢居ますので動向には注意が必要ですけどね」

「そっか、本当に王位争いってあるんだね。ラクトリアが平和過ぎてなんか実感がなかったよ。それにしてもセリーヌってすっっごく色んな情報に詳しいよね!何処から仕入れてくるのこう言う情報って」

聖ランドネルのときもそうだったがセリーヌの情報はまだ誰も知らない様な事まで知っている。

「あら、言ってませんでしたか?私のカブレラ家とルブのマクロナ家は代々王家に忠誠を誓った諜報部員なんですのよ。今も宰相補佐として父達は活躍してますわ。そして私達も少なからず情報をしいれたりしておりますのよ」

凄い、、私の親友はどうやらスパイだったらしい。まさかモブの私に高設定の親友がいるとか何かおかしい気もするがパンドラ乙女にセリーヌは出てこなかったしゲームのシナリオとは関係ないのだろう。


ゲームと言えばカインザーク殿下は今セクタールに留学している。知っているパンドラ乙女では留学なんて話どのルートにもなかった筈だ。なら留学は続編のルートなのだろうか、どんどんアリアローズの知っている話と変わってきていて初めはシナリオ通りに行動しなきゃと思っていたが正直今はどうとでもなれと思っている。
後はリリアンヌが正規ルートでクリアさえすればいい事なのだからと。


その後、王宮滞在はセクタール国王の配慮によりアルベルトの友人として対応する様にと配慮されたお陰で楽に過ごすことが出来た。滞在中は城下に出向き買い物やセクタールの名品や名物、偶に技術なども見学した。
勿論ダナの薬屋も見たいと言ったのだが誰も賛同してくれなかったので寄れずに終わりアリアローズが肩を落として帰ったのは言うまでもない。






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