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第三章
馬車の中
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ガタガタと走る馬車の中は行きと違いアルベルトと2人きりだった。
年頃の男女が2人っきりで…という雰囲気ではなくアルベルトの質問攻めにあっていた。
いつから治癒魔法が使えるのか?どんな事が出来るのか、自分も治せるのかなどなど濁して簡単に説明した意味もなく洗いざらい話す事になってしまった。
「ふむ、そこまでとはアリアの魔法は凄いね…うん?と言うことはもしかしてレネティシス領の栄養剤ってアリアが作ったのかな?」
「あはは、、」
ここまで聞いたらそりゃ気付きますよね。
「そうですね、私が調合しました。でも、国の許可貰ってますからね!」
まぁ、今はだが。
アリアローズが生まれたレネティシス領はラクトリア王国の外れにある。
少し前に疫病が流行り出した時があったのだが、領内には充分な量の回復薬が回って来なかったのだ。
そこで苦肉の策として治癒魔法のスキルで調合が出来たアリアローズが回復薬と同じ材料で調合をし、栄養剤として試験的に配布し事なきを得た事があった。それを後に国へと申請を出し許可を得て領内のみで販売しているのだ。
伝わったか分からないが、何が言いたいかと言うと必要以上のものは普及しないと言う事だ。例え作ったとしても領民に使うには国に許可の申請をしているし、勿論領民も領内のみの販売の薬と知って購入しているので納得していない人は国の薬を買えば良いだけの話だ。
「ふむ、と言う事はアリアの力はラクトリア国王にも周知の事実って事か。うーん、、」
何を考えてるかは分からないがアルベルトは色々考えを巡らせているようで声を掛けていいのか様子を見ているとニッと笑ってアリアローズの方へ振り向いた。
「アリア、僕のお嫁さんにくる?」
「はぁ、い?」
ついつい気の抜けた返事をしてしまった。
「ふふ良い案だと思うんだけど!僕まだ婚約もしてないしアリアの事気に入ってるしね。ねっ、どう?」
「いやいや、どうと言われましても…普通に冗談にしか聞こえませんが」
良い案と言うのはきっと治癒魔法を手元に置く為の良い案なのだろうが、それ以上にアルベルトの言い方はいつもの冗談にしか聞こえないのだ。うん、これは本気で受け答えしたら行けない奴だ。
「あはは、バレた?でもアリアの力を知ったらそう言う考えもあるのは本当だよ。君の力は稀有だからね、悪用されない様に権力者の元で守られるべきだと思う。まぁ、さっきの話は今は冗談でもいずれ本当になるかも知れないしねっ」
ニコニコしながら話すが内容は全然笑えない。
「はは、、冗談で留めて置いて下さい…」
これ以上面倒に巻き込まれたくはないし、隣国の王妃とかレネティシス領的には美味しいかも知れないがどこぞの馬の骨かも分からない令嬢が嫁いだ所でセクタール国民に祝福されるとも思わない。
「あっ、そうだ秘密を守る代わりに一つお願い聞いてよ!」
思いついたかの様に手をポンと叩き提案してくる。
「うう、えっと、簡単な事でしたら…」
力を知られてしまったのはアリアローズの過失だ。それを一方的に秘密にして貰うのだから少しなら対価を払うべきなのだろう。
「やった、ならレネティシス領の栄養剤あれ3つくらい分けて欲しいな。あっ大丈夫全部僕用にするし、勿論秘密にしておくから!」
栄養剤かぁ、領民意外にはあげてはいけないと言われているが制約されてる訳ではないし…でもアリアローズの一存で渡す訳にもいかない気がする。
「うーん、アルベルト様少し時間を頂けますか。お渡し出来るのか確認させて下さい…」
「ふふ、いいよ。良い返事を期待してるね」
年頃の男女が2人っきりで…という雰囲気ではなくアルベルトの質問攻めにあっていた。
いつから治癒魔法が使えるのか?どんな事が出来るのか、自分も治せるのかなどなど濁して簡単に説明した意味もなく洗いざらい話す事になってしまった。
「ふむ、そこまでとはアリアの魔法は凄いね…うん?と言うことはもしかしてレネティシス領の栄養剤ってアリアが作ったのかな?」
「あはは、、」
ここまで聞いたらそりゃ気付きますよね。
「そうですね、私が調合しました。でも、国の許可貰ってますからね!」
まぁ、今はだが。
アリアローズが生まれたレネティシス領はラクトリア王国の外れにある。
少し前に疫病が流行り出した時があったのだが、領内には充分な量の回復薬が回って来なかったのだ。
そこで苦肉の策として治癒魔法のスキルで調合が出来たアリアローズが回復薬と同じ材料で調合をし、栄養剤として試験的に配布し事なきを得た事があった。それを後に国へと申請を出し許可を得て領内のみで販売しているのだ。
伝わったか分からないが、何が言いたいかと言うと必要以上のものは普及しないと言う事だ。例え作ったとしても領民に使うには国に許可の申請をしているし、勿論領民も領内のみの販売の薬と知って購入しているので納得していない人は国の薬を買えば良いだけの話だ。
「ふむ、と言う事はアリアの力はラクトリア国王にも周知の事実って事か。うーん、、」
何を考えてるかは分からないがアルベルトは色々考えを巡らせているようで声を掛けていいのか様子を見ているとニッと笑ってアリアローズの方へ振り向いた。
「アリア、僕のお嫁さんにくる?」
「はぁ、い?」
ついつい気の抜けた返事をしてしまった。
「ふふ良い案だと思うんだけど!僕まだ婚約もしてないしアリアの事気に入ってるしね。ねっ、どう?」
「いやいや、どうと言われましても…普通に冗談にしか聞こえませんが」
良い案と言うのはきっと治癒魔法を手元に置く為の良い案なのだろうが、それ以上にアルベルトの言い方はいつもの冗談にしか聞こえないのだ。うん、これは本気で受け答えしたら行けない奴だ。
「あはは、バレた?でもアリアの力を知ったらそう言う考えもあるのは本当だよ。君の力は稀有だからね、悪用されない様に権力者の元で守られるべきだと思う。まぁ、さっきの話は今は冗談でもいずれ本当になるかも知れないしねっ」
ニコニコしながら話すが内容は全然笑えない。
「はは、、冗談で留めて置いて下さい…」
これ以上面倒に巻き込まれたくはないし、隣国の王妃とかレネティシス領的には美味しいかも知れないがどこぞの馬の骨かも分からない令嬢が嫁いだ所でセクタール国民に祝福されるとも思わない。
「あっ、そうだ秘密を守る代わりに一つお願い聞いてよ!」
思いついたかの様に手をポンと叩き提案してくる。
「うう、えっと、簡単な事でしたら…」
力を知られてしまったのはアリアローズの過失だ。それを一方的に秘密にして貰うのだから少しなら対価を払うべきなのだろう。
「やった、ならレネティシス領の栄養剤あれ3つくらい分けて欲しいな。あっ大丈夫全部僕用にするし、勿論秘密にしておくから!」
栄養剤かぁ、領民意外にはあげてはいけないと言われているが制約されてる訳ではないし…でもアリアローズの一存で渡す訳にもいかない気がする。
「うーん、アルベルト様少し時間を頂けますか。お渡し出来るのか確認させて下さい…」
「ふふ、いいよ。良い返事を期待してるね」
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