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第三章
王都アクアーレン2
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「ね、言ったでしょ迷子になるって」
「は、はい。おっしゃる通りでした…」
少し露店に目移りしている間にどうやらアルベルトを見失ったらしい。その場に居ればいいものの迷子になる人がやりがちな相手を探して動き回ってしまった為合流するのが遅くなってしまった。
結局最後はダブリンに見つけ出されたという訳だ。
「すみません。私のせいで視察の時間が少なくなってしまって…」
これでは完璧にお荷物だと肩を落とすアリアローズを覗き込むようにまた麗しい顔が見つめてきた。
「大丈夫だよ。言ったでしょ?ただ視察するだけではつまらないって。こう言うことも踏まえて誘ったんだからねっ!」
何だがその答えは腑に落ちないが実際迷惑をかけてしまった事には変わりない。
今度はしっかりとアルベルトから離れないように目を光らせておかないと。
「さて、じゃあ次は…」
ぐぅぅうー
うん、嘘だと言って欲しい…何故このタイミングでなるんですかね私のお腹!!
「はは、そうだね。いい時間だしお昼にしようか。アリアも僕に会う為に頭使ってエネルギー消費しただろうし丁度いいね」
「は、ははは。もう何も言いません」
確実に恥ずかしかった筈なのに何故か恥ずかしさより自分に呆れてしまったのはアルベルトの返しの所為だろう。うん、そう言う事にしよう。
昼食にと連れて行かれた場所は以前訪れた事のあるお店だった。
「ここね、料理がおいしいんだよ。シェフが昔何処かの国の宮廷料理長だったとかで人気なんだ」
「そ、そうなんですねー道理でお食事している人達は皆高級そうなんですね…知ったましたアルト様?私達とっても場違いな格好してますよ」
2人の服装は庶民服だ。以前このお店に来た時でももっと小綺麗な格好をしていても場違いで視線を集めたのに今は更に周囲の視線を集めている。
「大丈夫、皆んなそんなに気にしないさ。ねぇ、ここの支配人いる?これ見せたら分かるから」
そう言うと銀製のペンダントにマーガレットの紋様が描かれている物を懐からだし店員に手渡した。店員は明らかに服装のおかしい2人を不審に思ったがそこは教育が整っているからか支配人へと渡しに行った。
すると、直ぐに慌てた様子で1人の身なりのいい男性が出てくると一礼しペンダントをアルベルトへと返却した。
「お待たせ致しました、ようこそお越し下さいました殿下。おや、今日はまた珍しい服をお召しになられてますね。お席はいつものお部屋で宜しいでしょうか」
「ああ、頼むよ」
通された場所は以前リリアンヌ達と来た部屋ではなく個室ではあるがどちらかと言うと華美ではなく自然を感じさせる様な作りになっている部屋だった。
「アルト様はここに来る時はこのお部屋なのですか?室内なのにすごい木の香りが感じられますね」
「ああ、いつも煌びやかな所にいると偶には自然に癒されたくなるんだよ。本当は森に出向くのが1番なんだけどね、そういう時はうるさいのも着いてくるし食事やお茶の時間にゆっくりと自然を感じるのも悪くないだろ」
「そうですね、確かに落ち着きますね」
スゥーと息を吸うたびに木の香りを感じられこのまま外の街並みを見ながら時間も忘れてゆっくり出来そうだ。
「さて、アリアは何食べる?ここは、」
ふふ、知ってますよ!ここは、、
「お肉が美味しいんですよね!」
「ぷっ、ははは」
あれ?また私はずしましたかね…
「は、はい。おっしゃる通りでした…」
少し露店に目移りしている間にどうやらアルベルトを見失ったらしい。その場に居ればいいものの迷子になる人がやりがちな相手を探して動き回ってしまった為合流するのが遅くなってしまった。
結局最後はダブリンに見つけ出されたという訳だ。
「すみません。私のせいで視察の時間が少なくなってしまって…」
これでは完璧にお荷物だと肩を落とすアリアローズを覗き込むようにまた麗しい顔が見つめてきた。
「大丈夫だよ。言ったでしょ?ただ視察するだけではつまらないって。こう言うことも踏まえて誘ったんだからねっ!」
何だがその答えは腑に落ちないが実際迷惑をかけてしまった事には変わりない。
今度はしっかりとアルベルトから離れないように目を光らせておかないと。
「さて、じゃあ次は…」
ぐぅぅうー
うん、嘘だと言って欲しい…何故このタイミングでなるんですかね私のお腹!!
「はは、そうだね。いい時間だしお昼にしようか。アリアも僕に会う為に頭使ってエネルギー消費しただろうし丁度いいね」
「は、ははは。もう何も言いません」
確実に恥ずかしかった筈なのに何故か恥ずかしさより自分に呆れてしまったのはアルベルトの返しの所為だろう。うん、そう言う事にしよう。
昼食にと連れて行かれた場所は以前訪れた事のあるお店だった。
「ここね、料理がおいしいんだよ。シェフが昔何処かの国の宮廷料理長だったとかで人気なんだ」
「そ、そうなんですねー道理でお食事している人達は皆高級そうなんですね…知ったましたアルト様?私達とっても場違いな格好してますよ」
2人の服装は庶民服だ。以前このお店に来た時でももっと小綺麗な格好をしていても場違いで視線を集めたのに今は更に周囲の視線を集めている。
「大丈夫、皆んなそんなに気にしないさ。ねぇ、ここの支配人いる?これ見せたら分かるから」
そう言うと銀製のペンダントにマーガレットの紋様が描かれている物を懐からだし店員に手渡した。店員は明らかに服装のおかしい2人を不審に思ったがそこは教育が整っているからか支配人へと渡しに行った。
すると、直ぐに慌てた様子で1人の身なりのいい男性が出てくると一礼しペンダントをアルベルトへと返却した。
「お待たせ致しました、ようこそお越し下さいました殿下。おや、今日はまた珍しい服をお召しになられてますね。お席はいつものお部屋で宜しいでしょうか」
「ああ、頼むよ」
通された場所は以前リリアンヌ達と来た部屋ではなく個室ではあるがどちらかと言うと華美ではなく自然を感じさせる様な作りになっている部屋だった。
「アルト様はここに来る時はこのお部屋なのですか?室内なのにすごい木の香りが感じられますね」
「ああ、いつも煌びやかな所にいると偶には自然に癒されたくなるんだよ。本当は森に出向くのが1番なんだけどね、そういう時はうるさいのも着いてくるし食事やお茶の時間にゆっくりと自然を感じるのも悪くないだろ」
「そうですね、確かに落ち着きますね」
スゥーと息を吸うたびに木の香りを感じられこのまま外の街並みを見ながら時間も忘れてゆっくり出来そうだ。
「さて、アリアは何食べる?ここは、」
ふふ、知ってますよ!ここは、、
「お肉が美味しいんですよね!」
「ぷっ、ははは」
あれ?また私はずしましたかね…
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