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第二章
魔法対抗戦1
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雲ひとつない青空の中、今日から魔法対抗戦が始まる。
1日目は全学年でトーナメントを行いベスト8まで選出する事になっている。
その内容としては魔法で相手の胸についている花を落とすことが勝利条件となり次へ勝ち進むことができる。
アリアローズの一回戦目の相手は一つ上の水属性プルト伯爵家の令嬢だった。
因みに、各学年の魔力トップはシードとして組まれていて当然パンドラ乙女に出てくる人物はほぼシードだった。
こんなの出来レースだ!という声もあるがアリアローズもそう思う。何故なら攻略対象者やリザベラは国内でもトップクラスの魔力を持っている設定だ。唯一騎士団長の息子グレンだけは魔法より剣術の方が優れているが他は皆魔力が秀でていた。
学内どころか国レベルの魔力にどうやって立ち向かえばいいのか教えて欲しいくらいだ。
一日目の開始を進行役の教師がつげるとトーナメントが始まり、少しするとアリアローズの名前が呼ばれた。
練習場より一回り大きい闘技場のステージにあがると対戦相手と向かい合い礼をして開始の合図がなる。
先手必勝というし、取り敢えず真正面から木魔法をプレス令嬢に向けて放ってみた。大量の葉っぱで目眩しをして蔦で花を落とす!まあ、結果は言うまでもなく弾かれて終わった。
今度は相手の水魔法が飛んでくる。一直線の水がアリアローズ目掛けて飛んできたので木の葉で防御壁を作る。が目の前でパンっと水が分散し四方から胸の花目掛けて飛んできた。
アリアローズは間一髪木の葉の壁で自分自身を全て包み込んだ。
「あ、危なかったー。流石しっかり考えてるわね、そりゃそうか」
と1人で納得してしまった。
属性上水には木の方が有利になるのだが、そこは上級生なだけあって魔力の使い方が上手い。
魔力量は同じか相手の方がやや上かだ。どうしたものかとアリアローズは思案しながら相手の攻撃を木の葉の壁で防いでいた。
ふと、相手の攻撃が止んだ。
どうやら埒があかないと踏んだ様で最大魔力で応戦するらしい。確かに火力を増せば今のアリアローズの防御壁は簡単に突破されてしまう。
なら、とアリアローズは壁を解くと自分も最大火力で応戦する様に思わせて、プレス令嬢が呪文の詠唱に集中している間に背後にそっと蔦を伸ばして…
パシンっ
「やっ、やったー!!」
こんなにあっさり取れて良いのだろうかと思うくらい簡単に胸元の花を落とすことが出来た。
落とされた花に気付いた時には既に遅かったようで、はぁと肩を落とすプレス令嬢だったが元々自信は無かったらしくすぐに納得してステージを後にしていた。
その後も順調にトーナメントは進み、まもなくベスト8が出揃う。
今確定しているのは、火属性ニースベル・水属性カインザーク・土属性リザベラ・木属性ランティス・光属性リリアンヌの5人だ。
勿論パンドラ乙女の主役たちである。
後2名の攻略対象者グレンとログワーツは今年から高等部へ進学しているので今回のイベントには登場しないのだ。
さて、残りの3人は誰になるのだろうか。
アリアローズは未だに対決をしている闘技場を見ながら巻き込まれる方々にご愁傷様…と心の中で思ったのだった。
因みに一回戦を勝ち進んだアリアローズだったが、その後は言うまでもなくニ回戦であっさり敗北しトーナメントから姿を消していたのだった。
1日目は全学年でトーナメントを行いベスト8まで選出する事になっている。
その内容としては魔法で相手の胸についている花を落とすことが勝利条件となり次へ勝ち進むことができる。
アリアローズの一回戦目の相手は一つ上の水属性プルト伯爵家の令嬢だった。
因みに、各学年の魔力トップはシードとして組まれていて当然パンドラ乙女に出てくる人物はほぼシードだった。
こんなの出来レースだ!という声もあるがアリアローズもそう思う。何故なら攻略対象者やリザベラは国内でもトップクラスの魔力を持っている設定だ。唯一騎士団長の息子グレンだけは魔法より剣術の方が優れているが他は皆魔力が秀でていた。
学内どころか国レベルの魔力にどうやって立ち向かえばいいのか教えて欲しいくらいだ。
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アリアローズは間一髪木の葉の壁で自分自身を全て包み込んだ。
「あ、危なかったー。流石しっかり考えてるわね、そりゃそうか」
と1人で納得してしまった。
属性上水には木の方が有利になるのだが、そこは上級生なだけあって魔力の使い方が上手い。
魔力量は同じか相手の方がやや上かだ。どうしたものかとアリアローズは思案しながら相手の攻撃を木の葉の壁で防いでいた。
ふと、相手の攻撃が止んだ。
どうやら埒があかないと踏んだ様で最大魔力で応戦するらしい。確かに火力を増せば今のアリアローズの防御壁は簡単に突破されてしまう。
なら、とアリアローズは壁を解くと自分も最大火力で応戦する様に思わせて、プレス令嬢が呪文の詠唱に集中している間に背後にそっと蔦を伸ばして…
パシンっ
「やっ、やったー!!」
こんなにあっさり取れて良いのだろうかと思うくらい簡単に胸元の花を落とすことが出来た。
落とされた花に気付いた時には既に遅かったようで、はぁと肩を落とすプレス令嬢だったが元々自信は無かったらしくすぐに納得してステージを後にしていた。
その後も順調にトーナメントは進み、まもなくベスト8が出揃う。
今確定しているのは、火属性ニースベル・水属性カインザーク・土属性リザベラ・木属性ランティス・光属性リリアンヌの5人だ。
勿論パンドラ乙女の主役たちである。
後2名の攻略対象者グレンとログワーツは今年から高等部へ進学しているので今回のイベントには登場しないのだ。
さて、残りの3人は誰になるのだろうか。
アリアローズは未だに対決をしている闘技場を見ながら巻き込まれる方々にご愁傷様…と心の中で思ったのだった。
因みに一回戦を勝ち進んだアリアローズだったが、その後は言うまでもなくニ回戦であっさり敗北しトーナメントから姿を消していたのだった。
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