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第二章
王妃様のお茶会
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「はあ、気が重い…」
ガタガタと揺れる馬車の中でアリアローズはため息をついた。
窓の外には賑わっている王都の街が見えては過ぎ去って行く。
「お嬢、着きましたよ」
お馴染みの御者が扉を開ける。
行きたくないが行かなくてはいけない。今日は王妃様主催のお茶会なのだから。
はぁ…とため息を吐きそのまま大きく息を吸い込んで背筋を正し気合をいれる。
「お!お嬢そのいきです。俺はこの辺で待ってるんでいつでも来て下さい」
「ありがとう、スヴェン。い、行ってくるわ。あ、違うか、行ってまいります」
ここは王宮だ。周りは同じように招待されたであろう令嬢が馬車から降りてくる。誰に見られてるか分からないし言葉遣いに気をつけなくては、少しでも淑女らしく…あー大丈夫かな…
スヴェンと呼ばれた御者は意図を汲んだのか帽子を取り挨拶するとまた馬車へと戻って行った。
彼とアリアローズは幼馴染なのだ。スヴェンの親は元々レネティシス家に仕えていた御者だった。彼の家は御者と兼任で馬のお世話もしていた為敷地内の一角に家がありよく兄と3人で庭を駆け回ったり、少しは一緒に勉強したりと良く遊んでいたのだ。
だが、暫くするとスヴェンは親と共にレネティシス家を出て行く事になった。それはスヴェン達の意思でなくレネティシス男爵の意向であった。
元々、レネティシス領には移動手段としての乗合馬車が余りなく高価であった為、領を跨いで働きに出る人達は移動に苦労していた。
そこでレネティシス家から援助を受け領民向に乗合馬車を運営してほしいと父に提案されたらしい。勿論初めはスヴェンの親も反対だったそうだが父の考えに後押しされレネティシス家を離れたそうだ。
とは言えお抱えの御者には変わりない。
スヴェンの乗った馬車の場所を確認し王宮の門へと足を進めた。
入り口へ着くと執事らしき人が招待状を確認していた。確認が終えると一人一人メイドによってお茶会が開かれる園庭へと案内される。
アリアローズも同じよう招待状を用意し令嬢方の作法を真似する。
そう、真似しなくては行けない。
これは王妃様のお茶会であり、アリアローズにとっては初のお茶会への招待なのだ。
失敗はできない…
「本日はお越し頂きありがとうございます。レネティシス男爵家の御令嬢はこちらからどうぞ」
メイドに案内する様伝えるが明らかに他の令嬢と道が違う。同じ園庭ではあるが案内された場所は全くを持って場違いだった。
「あら、誰かと思ったらアリアローズ様ではなくて。何故ここにいらっしゃるのかしら?この場所は上位貴族か選ばれた人のみ立ち入る事ができる場所ですわよ?お間違いになってるのならほら、出口はあちらですわよ?」
会って早々にリザベラの取り巻きから嫌味が飛んでくる。
等々アリアローズもリザベラの攻撃対象になってしまったのか、はたまた只の令嬢の嫌がらせなのだろうか。
「ご機嫌様。そうですね、こちらに案内されたのですがどうやら間違って案内された様ですので失礼致します」
ここは何事もなく退出するのが1番。
「お待ちなさい。そちらの御令嬢はここで合ってます、私が呼んだのですから」
辺りが一斉に静かになる。
ラクトリア王妃の声に先程の令嬢はブルブルと震えている。
王妃の後ろにはニースベルとカインザーク、それにレントも一緒にいた。
それにしても、王妃の華やかで目を引く風貌はさすが殿下方の親であると思わせる見た目だった。
「皆さま本日はお集まり頂きありがとうございます。どうぞゆっくり一時をお楽しみ下さい」
王妃の言葉が終わると宮廷楽団による演奏が始まりメイドにより様々なお茶やお菓子が運ばれてくる。
「さあ、レネティシス令嬢はこちらに来て下さいな。あら、貴方まだいらしたの?お出口はあちらですよ」
「も、申し訳ありません!!」
急足でアリアローズに嫌味を言った令嬢は退席していった。
これがお茶会…ですか?!
ガタガタと揺れる馬車の中でアリアローズはため息をついた。
窓の外には賑わっている王都の街が見えては過ぎ去って行く。
「お嬢、着きましたよ」
お馴染みの御者が扉を開ける。
行きたくないが行かなくてはいけない。今日は王妃様主催のお茶会なのだから。
はぁ…とため息を吐きそのまま大きく息を吸い込んで背筋を正し気合をいれる。
「お!お嬢そのいきです。俺はこの辺で待ってるんでいつでも来て下さい」
「ありがとう、スヴェン。い、行ってくるわ。あ、違うか、行ってまいります」
ここは王宮だ。周りは同じように招待されたであろう令嬢が馬車から降りてくる。誰に見られてるか分からないし言葉遣いに気をつけなくては、少しでも淑女らしく…あー大丈夫かな…
スヴェンと呼ばれた御者は意図を汲んだのか帽子を取り挨拶するとまた馬車へと戻って行った。
彼とアリアローズは幼馴染なのだ。スヴェンの親は元々レネティシス家に仕えていた御者だった。彼の家は御者と兼任で馬のお世話もしていた為敷地内の一角に家がありよく兄と3人で庭を駆け回ったり、少しは一緒に勉強したりと良く遊んでいたのだ。
だが、暫くするとスヴェンは親と共にレネティシス家を出て行く事になった。それはスヴェン達の意思でなくレネティシス男爵の意向であった。
元々、レネティシス領には移動手段としての乗合馬車が余りなく高価であった為、領を跨いで働きに出る人達は移動に苦労していた。
そこでレネティシス家から援助を受け領民向に乗合馬車を運営してほしいと父に提案されたらしい。勿論初めはスヴェンの親も反対だったそうだが父の考えに後押しされレネティシス家を離れたそうだ。
とは言えお抱えの御者には変わりない。
スヴェンの乗った馬車の場所を確認し王宮の門へと足を進めた。
入り口へ着くと執事らしき人が招待状を確認していた。確認が終えると一人一人メイドによってお茶会が開かれる園庭へと案内される。
アリアローズも同じよう招待状を用意し令嬢方の作法を真似する。
そう、真似しなくては行けない。
これは王妃様のお茶会であり、アリアローズにとっては初のお茶会への招待なのだ。
失敗はできない…
「本日はお越し頂きありがとうございます。レネティシス男爵家の御令嬢はこちらからどうぞ」
メイドに案内する様伝えるが明らかに他の令嬢と道が違う。同じ園庭ではあるが案内された場所は全くを持って場違いだった。
「あら、誰かと思ったらアリアローズ様ではなくて。何故ここにいらっしゃるのかしら?この場所は上位貴族か選ばれた人のみ立ち入る事ができる場所ですわよ?お間違いになってるのならほら、出口はあちらですわよ?」
会って早々にリザベラの取り巻きから嫌味が飛んでくる。
等々アリアローズもリザベラの攻撃対象になってしまったのか、はたまた只の令嬢の嫌がらせなのだろうか。
「ご機嫌様。そうですね、こちらに案内されたのですがどうやら間違って案内された様ですので失礼致します」
ここは何事もなく退出するのが1番。
「お待ちなさい。そちらの御令嬢はここで合ってます、私が呼んだのですから」
辺りが一斉に静かになる。
ラクトリア王妃の声に先程の令嬢はブルブルと震えている。
王妃の後ろにはニースベルとカインザーク、それにレントも一緒にいた。
それにしても、王妃の華やかで目を引く風貌はさすが殿下方の親であると思わせる見た目だった。
「皆さま本日はお集まり頂きありがとうございます。どうぞゆっくり一時をお楽しみ下さい」
王妃の言葉が終わると宮廷楽団による演奏が始まりメイドにより様々なお茶やお菓子が運ばれてくる。
「さあ、レネティシス令嬢はこちらに来て下さいな。あら、貴方まだいらしたの?お出口はあちらですよ」
「も、申し訳ありません!!」
急足でアリアローズに嫌味を言った令嬢は退席していった。
これがお茶会…ですか?!
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