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第1章
日常
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「アリアもう起きて大丈夫なの?」
「はい、お母様。何か手伝う事ありますか?」
庭で花壇の手入れをしていた母に声をかける。我が家は使用人の数は最低限なので母も私もできることは自分でしている。
なので庭の手入れも慣れたもんだった。
「じゃあ私が花を植え替えるからアリアは草取りをしてもらおうかしら?」
わかりました、と一つ返事をすると一際草が目立つ場所から取り掛かった。
草刈りなんてお手のものよと得意げにむしり取っていると
痛っ、、、と言う母の声が聞こえ振り返ると花の選定をしていた母が手を押さえ指を抑えていた。
「何でもないのよ、ちょっとね、ハサミで手を切ってしまって…」
手を見ると結構な量の血が出ている。
「お母様、それ少しの怪我じゃないです…手、貸して下さい。」
母の手を取ると傷口に自分の手をかざす。傷口は薄い緑色の光と共にみるみる塞がっていった。
「よし、これで大丈夫です!」
「ありがとう。本当アリアの魔法はいつ見ても凄いわね。」
「えへへ。あっ、それはそうとお母様こそ気をつけて下さいね!」
少しはに噛みながら人差し指をピンと立てお母様に注意する素振りを見せた。
そう、この世界では魔法を使える者と使えない者とがおり、基本魔法を使えるのは貴族の血筋のみと言われている。
魔法の種類は一般的に火・水・木・土とあり
アリアローズは木を主としているのだが一般的ではないが実は治癒魔法を1番得意としているのだ。
木属性の特異変異らしいのだが偶に治癒魔法に優れた能力者が現れるそうだ。
アリアローズはこれに分類されるらしい。
そして、魔法が使える者は魔力が暴走しないように使い方や制御を学ぶ為12歳になると魔法学校初等部へ入学する事になっている。
もちろん、兄は既に王立魔法学校のランドネル学園へ入園しており成績もそこそこだと聞いている。
アリアローズはこの時まではこれがこの国ラクトリア王国の常識であり当たり前の事だと思っていた。
夜になると父と兄が帰宅し、皆で食卓を囲む。
「レイモンドは学園は順調か?」
唐突に父が兄に問いかける
「そうですね。特にこれといって問題はありません。」
「そうか、レイモンドはしっかりしてるから何も心配はなさそうだな。問題は…」
チラッと父がアリアを見た
「えっ?!私ですか。何でですか、私も心配される様な事何もないと思うんですが!」
前世を思い出したとはいえ、特に変わってはない筈…
「いや、アリアは…」
「そうですね、アリアは…」
2人で顔を合わせて何かを考え込んでいる。
勿体つけないで早く言って欲しい。
「もぉー何があるって言うんですか!!」
思わず叫んでしまった。
「「アリアは可愛いからな!!」」
はい??
何ですかそれ、、、
「アリアが学園で変な虫がつかないかとっても心配なんだよ!!」
「そうですよ!!僕が同じ学園にいるとはいえ、初等部でも学年毎に建物が違うんです。何かあったらどうしようかと今からハラハラしますよ」
うん、ただの親バカとシスコンだこれ。
「大丈夫ですよ、お父様もお兄様も。家族の欲目で美化されてるだけで、そこまで可愛くも綺麗でもありませんし。それに学園は貴族のご令嬢ばかりですよ?私より礼儀作法もしっかりしてて綺麗な方々ばかりですし、誰も斜行男爵家の令嬢になんて興味ありませんよ。」
「いや、アリアは十分可愛いよ!!あぁ、後2年後にはもっと淑女になってると思うと今から心配が尽きないよ。」
「ふふっ、はいはい。その話はここまで。さぁ、お食事が冷めますよ」
母の一言で親バカとシスコンは黙り食事の続きを始めた。
「心配はそれだけでは無いのだけどな…」
「お父様何か言いました?」
「いや、さぁご飯を食べてしまおう。」
??
何だったのだろう。
私が学園へ入学するまで後2年もある。
これは家族に心配されないような素敵な淑女になっておかないと!!
取り敢えずは勉強しようかな…
「はい、お母様。何か手伝う事ありますか?」
庭で花壇の手入れをしていた母に声をかける。我が家は使用人の数は最低限なので母も私もできることは自分でしている。
なので庭の手入れも慣れたもんだった。
「じゃあ私が花を植え替えるからアリアは草取りをしてもらおうかしら?」
わかりました、と一つ返事をすると一際草が目立つ場所から取り掛かった。
草刈りなんてお手のものよと得意げにむしり取っていると
痛っ、、、と言う母の声が聞こえ振り返ると花の選定をしていた母が手を押さえ指を抑えていた。
「何でもないのよ、ちょっとね、ハサミで手を切ってしまって…」
手を見ると結構な量の血が出ている。
「お母様、それ少しの怪我じゃないです…手、貸して下さい。」
母の手を取ると傷口に自分の手をかざす。傷口は薄い緑色の光と共にみるみる塞がっていった。
「よし、これで大丈夫です!」
「ありがとう。本当アリアの魔法はいつ見ても凄いわね。」
「えへへ。あっ、それはそうとお母様こそ気をつけて下さいね!」
少しはに噛みながら人差し指をピンと立てお母様に注意する素振りを見せた。
そう、この世界では魔法を使える者と使えない者とがおり、基本魔法を使えるのは貴族の血筋のみと言われている。
魔法の種類は一般的に火・水・木・土とあり
アリアローズは木を主としているのだが一般的ではないが実は治癒魔法を1番得意としているのだ。
木属性の特異変異らしいのだが偶に治癒魔法に優れた能力者が現れるそうだ。
アリアローズはこれに分類されるらしい。
そして、魔法が使える者は魔力が暴走しないように使い方や制御を学ぶ為12歳になると魔法学校初等部へ入学する事になっている。
もちろん、兄は既に王立魔法学校のランドネル学園へ入園しており成績もそこそこだと聞いている。
アリアローズはこの時まではこれがこの国ラクトリア王国の常識であり当たり前の事だと思っていた。
夜になると父と兄が帰宅し、皆で食卓を囲む。
「レイモンドは学園は順調か?」
唐突に父が兄に問いかける
「そうですね。特にこれといって問題はありません。」
「そうか、レイモンドはしっかりしてるから何も心配はなさそうだな。問題は…」
チラッと父がアリアを見た
「えっ?!私ですか。何でですか、私も心配される様な事何もないと思うんですが!」
前世を思い出したとはいえ、特に変わってはない筈…
「いや、アリアは…」
「そうですね、アリアは…」
2人で顔を合わせて何かを考え込んでいる。
勿体つけないで早く言って欲しい。
「もぉー何があるって言うんですか!!」
思わず叫んでしまった。
「「アリアは可愛いからな!!」」
はい??
何ですかそれ、、、
「アリアが学園で変な虫がつかないかとっても心配なんだよ!!」
「そうですよ!!僕が同じ学園にいるとはいえ、初等部でも学年毎に建物が違うんです。何かあったらどうしようかと今からハラハラしますよ」
うん、ただの親バカとシスコンだこれ。
「大丈夫ですよ、お父様もお兄様も。家族の欲目で美化されてるだけで、そこまで可愛くも綺麗でもありませんし。それに学園は貴族のご令嬢ばかりですよ?私より礼儀作法もしっかりしてて綺麗な方々ばかりですし、誰も斜行男爵家の令嬢になんて興味ありませんよ。」
「いや、アリアは十分可愛いよ!!あぁ、後2年後にはもっと淑女になってると思うと今から心配が尽きないよ。」
「ふふっ、はいはい。その話はここまで。さぁ、お食事が冷めますよ」
母の一言で親バカとシスコンは黙り食事の続きを始めた。
「心配はそれだけでは無いのだけどな…」
「お父様何か言いました?」
「いや、さぁご飯を食べてしまおう。」
??
何だったのだろう。
私が学園へ入学するまで後2年もある。
これは家族に心配されないような素敵な淑女になっておかないと!!
取り敢えずは勉強しようかな…
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