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兜の話
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「あ、だ、大丈夫ですか? え、えっと……睦月さんのお兄さん……」
「お兄ちゃん、自己紹介の続きしよう? 紬さんに、お兄ちゃんの名前すら教えていないから、呼び方困ってるよ」
睦月の兄の緑の光の方、と呼ぼうか迷っているのを察してくれたように、彼女は緑の光を慰めながら言った。
『……オレの名前は、兜』
「兜? 恰好いい名前ですね」
『今オレが付けた』
「え、えぇぇぇ……?」
困惑する紬に、兜と名乗った緑の光は告げる。
『オレが“かえった”時、この姿になる前の名前は失くしたんだ。意味もないからな』
“かえった”。
睦月と初めて会った時も、彼女はそう言ってどこかへ『消え』ようとした。
かえる、なんてありふれた言葉なはずなのに、この二人(?)の言う「かえる」には、言いようのない恐怖があった。
『オレらにとって名前は、この世に生きるものの証明であるだけだ。もちろん、名字なんてものはない。住む場所のない根なし草な妖怪にはむしろ邪魔なだけだ。どこかの家に住めば、その家の名字を名乗ることもあるが、そうでないなら、そんなものは必要ねえ』
「名字が……」
睦月のことを知ろうとして、名字を聴いたことがあった。
彼女が困惑した理由を今知って、傷つけることを言ってしまったのだなと反省していると、睦月が「紬さん」と呼んだ。
顔を上げると、睦月がにこりと微笑んだ。
「大丈夫です」とか「気にしないでください」という感じの意味だろう。
それが申し訳なくはあるが、これ以上彼女の行為を無碍にしたくはないと、微笑み返して頷いた。
『なにイチャコラしとんのじゃゴラァ』
どすの利いた兜の声に、紬はまた竦みあがった。
「……お兄ちゃん」
そんな威圧的な兜を、睦月が身も凍りそうな声で威圧をかけ、蔑むような眼で睨んだ。
兜も委縮し、少しだけその場が静かになった。
「私の自己紹介は省いていいよね? 紬さん、何か質問ありますか?」
兄への配慮も省き、兄妹の前にいる居候先の主に確認を取る妹に、兜は衝撃を受けたらしい。表情もないのに、今どんな心境が手に取るようにわかるのが不思議だ。
『睦月ちゃん~~!? お、オレまだこいつに聞いておかなきゃならんこと、まだあるんだけど……』
「あとでいい?」
『睦月ちゃんんん~~~?!』
あまりにも兜が憐れに見えたので、紬が気を遣って「なんでも聞いてください」と訊ねれば、兜が『てめえは黙っとれ!』と怒鳴り返してくれたので、大人しく黙ることにした。
「兄はもう聞くことがないそうなので、紬さんは私たちになにか聞きたい事ありますか?」
冷徹な妹のセリフに兜は衝撃を受けた様子だが、黙っていろと本人に言われた手前、黙っているのが礼儀だろうと紬は黙っていた。
だが、あくまでそれは兜限定なので、睦月には遠慮なく質問をする。
「その、色々気になることはあるのですが、ちょっと思考が追い付かなくて、ひとまず一番気になっていることから聞いてもいですか?」
「はい、どうぞ」
「……前に睦月さんからも聞いた気がするんですが、お二人の言う『かえる』って、どこにかえるんですか?」
紬の言葉に、兜が驚いた様子で睦月を見やった。
そんな兄に視線を向けることなく、睦月は紬を見据えて言った。
「元居た場所に、です」
「元居た場所……?」
「私たちを生んだ場所へです」
故郷、とも聞こえるが、なぜか納得できなかった。
「そこには、なにがあるんですか?」
「……わかりません」
「……兜さんは、そこにかえったって言ってましたよね?」
話を兜に振る。
兜がそっぽ向いているように思えた。ただ緑に光るだけの球体なのに、何故かどんな様子かわかるのだ。
『聞いて、どうすんだよ』
「わかりません。でも、聞いておいた方が良い気がするんです」
『小説のネタにでもすんのか?』
「お兄ちゃん!」
「しません。絶対にしないって、お約束します」
蔑むような兜の声に、睦月が怒り、紬は冷静に返した。
『別にネタにしようが構わねえよ。別に楽しい話でもねえし。……あそこは、すべてを還しに行く場所だ』
「還しに、行く?」
『オレたち座敷わらしは、人を幸せにして、生きることが許される妖怪だ。人を幸せにし続けることが出来れば長く生きられる。それこそ、永遠に生きるやつもいる。だが、いくら頑張って幸せにしようとしても、幸せにできない座敷わらしもいる。……オレのようにな』
「…………」
紬は、相槌を打つことも出来ず、身を乗り出すようにして聞き入っていた。
兜の発する光が、時々歪に揺れた。
『……そんで、幸せに出来なかった座敷わらしは、最後にチャンスを与えられる。人間に認識されるようになるんだ』
「人間に、認識される?」
『そこで、誰でもいい。誰かを幸せにできれば、また人の目に触れない座敷わらしとして生きることが出来る。だが、オレはできなかった。だから、役に立たないと判断されたオレは、オレたちを生んだ場所に“還り”、肉体と力を返すんだ』
「……そのとき、兜さんの名前も?」
『あぁ。……オレだけじゃない。ここにいる緑の光たちはみんな、もとは座敷わらしと呼ばれていた奴らだ』
「じゃあ、今の兜さんたちは……?」
もとは、と言うのなら、今は座敷わらしではないのか。ならば、今目の前にいる緑の光たちは、一体なんなのだろうと疑問を抱いたのだ。
しかし、それを聞くのがなんとなく失礼なような気がして、問えなかった。
『……なんだろうな』
カラカラと笑ったような話し方だが、おそらく彼は笑っていないだろう。
初めて睦月と会った日。あの時、“還る”と言った彼女の手を掴まないでいたら、引き止めることをしなかったら、睦月と名乗る彼女は、もう二度とそう名乗れなくなり、兜と同じ運命を辿ったのだろうか。
そう考えただけで、紬の身体が体温を忘れたように冷え切った気がした。
『睦月ちゃんには、オレと同じ道を歩んでほしくねえ』
兜はそう言って、話は終わりだというように、他の緑の光たちの待つ睦月の部屋へ戻っていった。
「あの、紬さん。お兄ちゃんたちに、少しの間でいいから、この家に住まわせてもらっていいですか? 私の部屋にとどめておくので……。迷惑をかけないようにしますから」
「……大丈夫ですよ。いつまでも、暮らしていってください」
紬はそう言うのがやっとだった。
胸中を渦巻く気持ちがどういうものか認識できず、他に気の利いたことをいう余裕がなかったのだ。
「ちょっと、バイトで疲れてしまったので、もう寝ますね。おやすみなさい」
「あ、は、はい。……おやすみなさい」
にこりと微笑んでくれる睦月に微笑み返して、紬は自分の部屋の扉を閉めた。
今まで感じたことのない気持ちが、紬の心の中で渦巻いていた。
兜や、睦月のことを考え、胸が苦しくなる。
それでも、バイトの疲れもあり、布団に入ればすぐに瞼の重みで起きていられなくなり、紬は深い眠りへと落ちていった。
「ドラゴンはその日、生まれて初めて暖かな布団で眠りました。その布団は雲よりフカフカしていて、温かかったのです」
睦月の部屋で、彼女は兄に紬の書いた話を読んであげていた。
兜はそれをジッと聴いてくれていた。
特に口を挟むこともせず、真剣に聞き入っていた。
兄はただの光の塊だ。
だから、表情もわからない。言葉を発しないから、何を考えているのかわからない。
それでも睦月には、兄が今泣いているだろうことはなんとなくわかったのだ。
話を読み終えた後、少ししてから、少し掠れた兄の声が睦月に問いかけた。
『睦月。お前は今、幸せか?』
「とっても幸せだよ……」
『そうか……』
「……ごめんね。私だけこんな……」
『馬鹿言うな。妹の幸せを考えない兄だと思うか? オレが』
「……そんなことない。お兄ちゃんは誰よりも私の幸せを願ってくれる、最高のお兄ちゃんだよ。……どうして、そんなお兄ちゃんを誰も……」
『オレの力不足だ。もう何も言うな。お前ももう寝ろ。人間の身体は、睡眠も必要だろう』
「…………ごめんね」
最後の言葉を、兄は意識的に聴いていないと思いつつ、言わずにはいられなかった。
「これ。此処に置いておくから」
睦月は充電を差し込みっぱなしにして、投稿サイトの紬のページを開いておいた。
「おやすみ。お兄ちゃん」
睦月は努めて元気にそう告げる。
『あぁ。おやすみ、睦月ちゃん』
兜の陽気にふるまう声が返ってきた。
「お兄ちゃん、自己紹介の続きしよう? 紬さんに、お兄ちゃんの名前すら教えていないから、呼び方困ってるよ」
睦月の兄の緑の光の方、と呼ぼうか迷っているのを察してくれたように、彼女は緑の光を慰めながら言った。
『……オレの名前は、兜』
「兜? 恰好いい名前ですね」
『今オレが付けた』
「え、えぇぇぇ……?」
困惑する紬に、兜と名乗った緑の光は告げる。
『オレが“かえった”時、この姿になる前の名前は失くしたんだ。意味もないからな』
“かえった”。
睦月と初めて会った時も、彼女はそう言ってどこかへ『消え』ようとした。
かえる、なんてありふれた言葉なはずなのに、この二人(?)の言う「かえる」には、言いようのない恐怖があった。
『オレらにとって名前は、この世に生きるものの証明であるだけだ。もちろん、名字なんてものはない。住む場所のない根なし草な妖怪にはむしろ邪魔なだけだ。どこかの家に住めば、その家の名字を名乗ることもあるが、そうでないなら、そんなものは必要ねえ』
「名字が……」
睦月のことを知ろうとして、名字を聴いたことがあった。
彼女が困惑した理由を今知って、傷つけることを言ってしまったのだなと反省していると、睦月が「紬さん」と呼んだ。
顔を上げると、睦月がにこりと微笑んだ。
「大丈夫です」とか「気にしないでください」という感じの意味だろう。
それが申し訳なくはあるが、これ以上彼女の行為を無碍にしたくはないと、微笑み返して頷いた。
『なにイチャコラしとんのじゃゴラァ』
どすの利いた兜の声に、紬はまた竦みあがった。
「……お兄ちゃん」
そんな威圧的な兜を、睦月が身も凍りそうな声で威圧をかけ、蔑むような眼で睨んだ。
兜も委縮し、少しだけその場が静かになった。
「私の自己紹介は省いていいよね? 紬さん、何か質問ありますか?」
兄への配慮も省き、兄妹の前にいる居候先の主に確認を取る妹に、兜は衝撃を受けたらしい。表情もないのに、今どんな心境が手に取るようにわかるのが不思議だ。
『睦月ちゃん~~!? お、オレまだこいつに聞いておかなきゃならんこと、まだあるんだけど……』
「あとでいい?」
『睦月ちゃんんん~~~?!』
あまりにも兜が憐れに見えたので、紬が気を遣って「なんでも聞いてください」と訊ねれば、兜が『てめえは黙っとれ!』と怒鳴り返してくれたので、大人しく黙ることにした。
「兄はもう聞くことがないそうなので、紬さんは私たちになにか聞きたい事ありますか?」
冷徹な妹のセリフに兜は衝撃を受けた様子だが、黙っていろと本人に言われた手前、黙っているのが礼儀だろうと紬は黙っていた。
だが、あくまでそれは兜限定なので、睦月には遠慮なく質問をする。
「その、色々気になることはあるのですが、ちょっと思考が追い付かなくて、ひとまず一番気になっていることから聞いてもいですか?」
「はい、どうぞ」
「……前に睦月さんからも聞いた気がするんですが、お二人の言う『かえる』って、どこにかえるんですか?」
紬の言葉に、兜が驚いた様子で睦月を見やった。
そんな兄に視線を向けることなく、睦月は紬を見据えて言った。
「元居た場所に、です」
「元居た場所……?」
「私たちを生んだ場所へです」
故郷、とも聞こえるが、なぜか納得できなかった。
「そこには、なにがあるんですか?」
「……わかりません」
「……兜さんは、そこにかえったって言ってましたよね?」
話を兜に振る。
兜がそっぽ向いているように思えた。ただ緑に光るだけの球体なのに、何故かどんな様子かわかるのだ。
『聞いて、どうすんだよ』
「わかりません。でも、聞いておいた方が良い気がするんです」
『小説のネタにでもすんのか?』
「お兄ちゃん!」
「しません。絶対にしないって、お約束します」
蔑むような兜の声に、睦月が怒り、紬は冷静に返した。
『別にネタにしようが構わねえよ。別に楽しい話でもねえし。……あそこは、すべてを還しに行く場所だ』
「還しに、行く?」
『オレたち座敷わらしは、人を幸せにして、生きることが許される妖怪だ。人を幸せにし続けることが出来れば長く生きられる。それこそ、永遠に生きるやつもいる。だが、いくら頑張って幸せにしようとしても、幸せにできない座敷わらしもいる。……オレのようにな』
「…………」
紬は、相槌を打つことも出来ず、身を乗り出すようにして聞き入っていた。
兜の発する光が、時々歪に揺れた。
『……そんで、幸せに出来なかった座敷わらしは、最後にチャンスを与えられる。人間に認識されるようになるんだ』
「人間に、認識される?」
『そこで、誰でもいい。誰かを幸せにできれば、また人の目に触れない座敷わらしとして生きることが出来る。だが、オレはできなかった。だから、役に立たないと判断されたオレは、オレたちを生んだ場所に“還り”、肉体と力を返すんだ』
「……そのとき、兜さんの名前も?」
『あぁ。……オレだけじゃない。ここにいる緑の光たちはみんな、もとは座敷わらしと呼ばれていた奴らだ』
「じゃあ、今の兜さんたちは……?」
もとは、と言うのなら、今は座敷わらしではないのか。ならば、今目の前にいる緑の光たちは、一体なんなのだろうと疑問を抱いたのだ。
しかし、それを聞くのがなんとなく失礼なような気がして、問えなかった。
『……なんだろうな』
カラカラと笑ったような話し方だが、おそらく彼は笑っていないだろう。
初めて睦月と会った日。あの時、“還る”と言った彼女の手を掴まないでいたら、引き止めることをしなかったら、睦月と名乗る彼女は、もう二度とそう名乗れなくなり、兜と同じ運命を辿ったのだろうか。
そう考えただけで、紬の身体が体温を忘れたように冷え切った気がした。
『睦月ちゃんには、オレと同じ道を歩んでほしくねえ』
兜はそう言って、話は終わりだというように、他の緑の光たちの待つ睦月の部屋へ戻っていった。
「あの、紬さん。お兄ちゃんたちに、少しの間でいいから、この家に住まわせてもらっていいですか? 私の部屋にとどめておくので……。迷惑をかけないようにしますから」
「……大丈夫ですよ。いつまでも、暮らしていってください」
紬はそう言うのがやっとだった。
胸中を渦巻く気持ちがどういうものか認識できず、他に気の利いたことをいう余裕がなかったのだ。
「ちょっと、バイトで疲れてしまったので、もう寝ますね。おやすみなさい」
「あ、は、はい。……おやすみなさい」
にこりと微笑んでくれる睦月に微笑み返して、紬は自分の部屋の扉を閉めた。
今まで感じたことのない気持ちが、紬の心の中で渦巻いていた。
兜や、睦月のことを考え、胸が苦しくなる。
それでも、バイトの疲れもあり、布団に入ればすぐに瞼の重みで起きていられなくなり、紬は深い眠りへと落ちていった。
「ドラゴンはその日、生まれて初めて暖かな布団で眠りました。その布団は雲よりフカフカしていて、温かかったのです」
睦月の部屋で、彼女は兄に紬の書いた話を読んであげていた。
兜はそれをジッと聴いてくれていた。
特に口を挟むこともせず、真剣に聞き入っていた。
兄はただの光の塊だ。
だから、表情もわからない。言葉を発しないから、何を考えているのかわからない。
それでも睦月には、兄が今泣いているだろうことはなんとなくわかったのだ。
話を読み終えた後、少ししてから、少し掠れた兄の声が睦月に問いかけた。
『睦月。お前は今、幸せか?』
「とっても幸せだよ……」
『そうか……』
「……ごめんね。私だけこんな……」
『馬鹿言うな。妹の幸せを考えない兄だと思うか? オレが』
「……そんなことない。お兄ちゃんは誰よりも私の幸せを願ってくれる、最高のお兄ちゃんだよ。……どうして、そんなお兄ちゃんを誰も……」
『オレの力不足だ。もう何も言うな。お前ももう寝ろ。人間の身体は、睡眠も必要だろう』
「…………ごめんね」
最後の言葉を、兄は意識的に聴いていないと思いつつ、言わずにはいられなかった。
「これ。此処に置いておくから」
睦月は充電を差し込みっぱなしにして、投稿サイトの紬のページを開いておいた。
「おやすみ。お兄ちゃん」
睦月は努めて元気にそう告げる。
『あぁ。おやすみ、睦月ちゃん』
兜の陽気にふるまう声が返ってきた。
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