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第十章 下北線路外空き地
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一九時。私たちの公演が始まった。初の四人体制。そう考えると少し緊張を覚えた。……まぁ私よりも香澄さんの方が何倍も緊張しているとは思うけれど。
でも私のそんな思いを余所に香澄さんは慣れた調子でステージに躍り出た。そして腰から双剣型の武器を抜くとそれを構えて今回の敵役と対峙した。初公演とは思えない。それくらい綺麗な立ち回りだ。
そしていつも通り美鈴さんがハルバートを振りかざすと戦いの火蓋が切って落とされた。今回のメインの敵はゴーレム。もちろん瑞穂さんの作った作品だ――。
開演中。私は自身のステッキで雑魚敵を倒していった。てんびん座の団員たちの殺陣のお陰で私自身めちゃくちゃ強くなったように感じる。やはり彼らはプロの劇団員なのだ。アルバイトで魔法少女をやっている私とはキャリアがまるで違うと思う。
そうやって私が敵に応戦していると香澄さんが呪文の詠唱を始めた。
『地の精霊よ。敵を打ち砕く力を与えよ。――ノームブレイク!』
そんな呪文だ。地味にカッコイイ。流石は諏訪さんの考えた呪文だと思う。
そしてそれに被せるように弥生さんがいつもの呪文を唱え始めた。魔法名はスーパーエンハンス。美鈴さんの攻撃力を最大限まで引き出すバフ系の呪文だ。
こうして何回も公演してみて分かったけれど、基本的に物語の流れ自体は変わらないのだ。美鈴さんが攻撃役で、弥生さんが攻撃補助、そして私は治癒兼雑魚戦担当。それで固定な気がする。ある意味でワンパターン。よく言えばチームワークを活かした魔法少女……。なのだと思う。
そんなある意味でマンネリ化した戦いに香澄さんが加わったことで私たちの立ち回りは目に見えて良くなった気がする。やはりキャラクターは多い方が演技の幅も広がるみたいだ――。
そうこうしていると本日のメインイベントの時間になった。美鈴さんの強烈な斬撃。魔法名はアルティメットバーン。諏訪さん、もう少し技名を捻ってあげてもいいんじゃ……。と内心思うようなネーミングの技だ。
でも私のそんな心のツッコミを余所にそのアルティメットバーンは敵のゴーレームを焼き尽くした。そして派手な爆炎と煙が会場を包み込みゴーレムは崩れていった。
でも私のそんな思いを余所に香澄さんは慣れた調子でステージに躍り出た。そして腰から双剣型の武器を抜くとそれを構えて今回の敵役と対峙した。初公演とは思えない。それくらい綺麗な立ち回りだ。
そしていつも通り美鈴さんがハルバートを振りかざすと戦いの火蓋が切って落とされた。今回のメインの敵はゴーレム。もちろん瑞穂さんの作った作品だ――。
開演中。私は自身のステッキで雑魚敵を倒していった。てんびん座の団員たちの殺陣のお陰で私自身めちゃくちゃ強くなったように感じる。やはり彼らはプロの劇団員なのだ。アルバイトで魔法少女をやっている私とはキャリアがまるで違うと思う。
そうやって私が敵に応戦していると香澄さんが呪文の詠唱を始めた。
『地の精霊よ。敵を打ち砕く力を与えよ。――ノームブレイク!』
そんな呪文だ。地味にカッコイイ。流石は諏訪さんの考えた呪文だと思う。
そしてそれに被せるように弥生さんがいつもの呪文を唱え始めた。魔法名はスーパーエンハンス。美鈴さんの攻撃力を最大限まで引き出すバフ系の呪文だ。
こうして何回も公演してみて分かったけれど、基本的に物語の流れ自体は変わらないのだ。美鈴さんが攻撃役で、弥生さんが攻撃補助、そして私は治癒兼雑魚戦担当。それで固定な気がする。ある意味でワンパターン。よく言えばチームワークを活かした魔法少女……。なのだと思う。
そんなある意味でマンネリ化した戦いに香澄さんが加わったことで私たちの立ち回りは目に見えて良くなった気がする。やはりキャラクターは多い方が演技の幅も広がるみたいだ――。
そうこうしていると本日のメインイベントの時間になった。美鈴さんの強烈な斬撃。魔法名はアルティメットバーン。諏訪さん、もう少し技名を捻ってあげてもいいんじゃ……。と内心思うようなネーミングの技だ。
でも私のそんな心のツッコミを余所にそのアルティメットバーンは敵のゴーレームを焼き尽くした。そして派手な爆炎と煙が会場を包み込みゴーレムは崩れていった。
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