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第六章 オフィス・トライメライ 幕張研修所
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お茶会が終わると私たちはレッスン室に移動した。そして私は弥生さんからジャージを受け取るとそれに着替えた。香澄さんは部屋の隅っこで弥生さんの衣装の修復をしている。彼女曰く「手持ち無沙汰なんで無料でいいですよ」とのことだ。
「そのジャージはトライメライからの支給品だから持ち帰っていいよ。その代わり自分で洗濯して使ってね」
弥生さんはそう言いながら自身も着替え始めた。下着姿の弥生さんは……。何というか非常に女性的な体型をしている。美鈴さんが恨めく感じるはずだ。私よりずっと大きい。何がとは言わないけれど。
「今からじゃ時間あんまないから明日の聖那ちゃんの立ち回りだけ集中してやるね。後半は私とメイリン……。まぁメイリンが来れればだけど……。でやるから」
弥生さんは明日のことを頭でシミュレーションしてるみたいに言うと「じゃあさっそく」と言ってレッスンを開始した――。
それから私たちは二時間ほど練習した。私は文字通り手取り足取り明日の立ち回り方を教わる。私の役割は補助魔法での美鈴さんの回復……。ということらしい。
「――お疲れ様。今日はここまでにしよっか。聖那ちゃんの動きすごく良くなったよ」
二時間後。弥生さんはそう言うと額の汗を拭いながらニッコリ笑った。そして「一応頭の片隅に置いといて欲しいんだけど……」と言ってスポーツドリンクを私に差し出す。
「仕事内容にもよるけど基本的に私たちは『悪役』をやっつけるんだよね。それでやっつけるためには戦わなきゃいけないんだけど……」
弥生さんはそこまで言うとメモ帳を取り出してそこに何やら書き始めた。メモの上には『アタッカー』『バッファー』『ヒーラー』と書かれている。
「でね! 戦うときは魔法少女たちで協力する必要があるんだよね。この『アタッカー』ってのは単純な攻撃役だね。担当はメイリン……」
弥生さんはそう言うとメモ上の『アタッカー』の下に『美鈴』と書き込む。
「それで攻撃役だけだと敵が自分より強かったときにやられちゃうじゃん? だからそれを補助する『バッファー』が必要になるんだよね。……聖那ちゃんバフって分かる?」
分からないので私は首を横に振る。
「あー。そうだよね。聖那ちゃんはゲームとかあんましないか……。えーと、バフってのは仲間の攻撃力を上げる魔法みたいなもんでね。これを『アタッカー』に使ってあげると敵に攻撃が利きやすくなるの! まぁ……。要は敵をやっつけやすくなるってわけ」
弥生さんはそこまで話すと『バッファー』の下に『弥生』と書き込んだ。美鈴さんが攻撃役で弥生さんが補助……。美鈴さんの言っていた内容とは真逆に感じる。
「……なんかRPGみたいだね」
私はそのメモを眺めながらそんな感想を口にした。思い返せば兄が小学生の頃やっていたゲームもこんな感じだった気がする。
「そうそう! その認識で間違いないと思うよ。……と言ってもこの設定を作ってるのは諏訪さんだから私も中身全部把握してるわけじゃないんだけどね」
弥生さんはそう言うと再びメモに視線を戻した。内心『設定考えてるの諏訪さんなの!?』と思ったけれど口には出さない。
「そんで……。この『ヒーラー』って言うのが」
弥生さんはそう言いながらメモ上の『ヒーラー』の下に『聖那』と書き込んだ。どうやら私は設定上も回復系魔法少女のようだ――。
「そのジャージはトライメライからの支給品だから持ち帰っていいよ。その代わり自分で洗濯して使ってね」
弥生さんはそう言いながら自身も着替え始めた。下着姿の弥生さんは……。何というか非常に女性的な体型をしている。美鈴さんが恨めく感じるはずだ。私よりずっと大きい。何がとは言わないけれど。
「今からじゃ時間あんまないから明日の聖那ちゃんの立ち回りだけ集中してやるね。後半は私とメイリン……。まぁメイリンが来れればだけど……。でやるから」
弥生さんは明日のことを頭でシミュレーションしてるみたいに言うと「じゃあさっそく」と言ってレッスンを開始した――。
それから私たちは二時間ほど練習した。私は文字通り手取り足取り明日の立ち回り方を教わる。私の役割は補助魔法での美鈴さんの回復……。ということらしい。
「――お疲れ様。今日はここまでにしよっか。聖那ちゃんの動きすごく良くなったよ」
二時間後。弥生さんはそう言うと額の汗を拭いながらニッコリ笑った。そして「一応頭の片隅に置いといて欲しいんだけど……」と言ってスポーツドリンクを私に差し出す。
「仕事内容にもよるけど基本的に私たちは『悪役』をやっつけるんだよね。それでやっつけるためには戦わなきゃいけないんだけど……」
弥生さんはそこまで言うとメモ帳を取り出してそこに何やら書き始めた。メモの上には『アタッカー』『バッファー』『ヒーラー』と書かれている。
「でね! 戦うときは魔法少女たちで協力する必要があるんだよね。この『アタッカー』ってのは単純な攻撃役だね。担当はメイリン……」
弥生さんはそう言うとメモ上の『アタッカー』の下に『美鈴』と書き込む。
「それで攻撃役だけだと敵が自分より強かったときにやられちゃうじゃん? だからそれを補助する『バッファー』が必要になるんだよね。……聖那ちゃんバフって分かる?」
分からないので私は首を横に振る。
「あー。そうだよね。聖那ちゃんはゲームとかあんましないか……。えーと、バフってのは仲間の攻撃力を上げる魔法みたいなもんでね。これを『アタッカー』に使ってあげると敵に攻撃が利きやすくなるの! まぁ……。要は敵をやっつけやすくなるってわけ」
弥生さんはそこまで話すと『バッファー』の下に『弥生』と書き込んだ。美鈴さんが攻撃役で弥生さんが補助……。美鈴さんの言っていた内容とは真逆に感じる。
「……なんかRPGみたいだね」
私はそのメモを眺めながらそんな感想を口にした。思い返せば兄が小学生の頃やっていたゲームもこんな感じだった気がする。
「そうそう! その認識で間違いないと思うよ。……と言ってもこの設定を作ってるのは諏訪さんだから私も中身全部把握してるわけじゃないんだけどね」
弥生さんはそう言うと再びメモに視線を戻した。内心『設定考えてるの諏訪さんなの!?』と思ったけれど口には出さない。
「そんで……。この『ヒーラー』って言うのが」
弥生さんはそう言いながらメモ上の『ヒーラー』の下に『聖那』と書き込んだ。どうやら私は設定上も回復系魔法少女のようだ――。
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