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第二章 オートサービス香取
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面接を終えると身体の力が一気に抜けた。面接終了。これで日給二万円確定だ。
「んじゃ聖那ちゃん。ウチおいでよ! 弥生紹介するから」
美鈴さんはそう言うと私の肩に手を回した。彼女の身体からは自動車オイルの匂いがする。
「う、うん」
「よーし! じゃ! 社長、逢川さん、諏訪さんお邪魔しましたー」
美鈴さんは元気よく挨拶すると三人に手を振った。私もそれに続いて頭を下げる。
それから私は再び美鈴さんのバイクの後ろに跨がった。そしてその足で彼女の家へと向かった。走っていると徐々に道は細くなり右も左も畑になる。見慣れた光景だ。成田とさして変わらない。
そして一〇分ほど走ると採石の敷き詰めれた広い敷地にたどり着いた。敷地内にはフロントガラスの割れたセダンやらタイヤの付いていない軽トラやらが置かれている。
そんな車の墓場みたいな場所を通り過ぎると二階建ての建物が見えてきた。一階部分は間口の広いガレージ。二階部分には普通の家。そんな感じの建物だ。
美鈴さんはその建物の前まで行くとブレーキを掛けてバイクのエンジンを切った。そして私が降りるとそのバイクをガレージの端っこに停めた。ガレージの前には『オートサービス香取』と書かれた看板が掲げられている。どうやら美鈴さんの家は整備工場をやっているらしい。
「じゃあ上がって!」
美鈴さんはそう言うとガレージ横のドアから建物の中に入っていった。ドアの向こう側は事務所らしく、中には事務机と応接用のソファーがあった。どこにでも自動車整備工場。そんな風に見える。
「そこで靴脱いでね」
美鈴さんは靴を脱ぎながらそう言うと私にも家に上がるように促した。どうやら事務所の奥が住居スペースになっているらしい。
「うん」
私はそう返事しながら彼女のあとに続く。
自宅に上がると足裏に畳の感触が伝わった。そして奥にある台所からは洗剤と漂白剤の匂いがした。非常に生活感のある匂いだ。正直あまり心地の良い匂いではない。
そんな生活感のある空間を抜けると古びた廊下に面した階段に出た。
「ごめんねぇ。古い家でしょ?」
「ううん。そんなことないよ。私のおばあちゃんちもこんな感じ」
「ハハハ、やっぱねぇ。よく言われるんだ。『お前んちババア臭い』ってね」
美鈴さんはそう言って笑うと階段に足を掛けた――。
「んじゃ聖那ちゃん。ウチおいでよ! 弥生紹介するから」
美鈴さんはそう言うと私の肩に手を回した。彼女の身体からは自動車オイルの匂いがする。
「う、うん」
「よーし! じゃ! 社長、逢川さん、諏訪さんお邪魔しましたー」
美鈴さんは元気よく挨拶すると三人に手を振った。私もそれに続いて頭を下げる。
それから私は再び美鈴さんのバイクの後ろに跨がった。そしてその足で彼女の家へと向かった。走っていると徐々に道は細くなり右も左も畑になる。見慣れた光景だ。成田とさして変わらない。
そして一〇分ほど走ると採石の敷き詰めれた広い敷地にたどり着いた。敷地内にはフロントガラスの割れたセダンやらタイヤの付いていない軽トラやらが置かれている。
そんな車の墓場みたいな場所を通り過ぎると二階建ての建物が見えてきた。一階部分は間口の広いガレージ。二階部分には普通の家。そんな感じの建物だ。
美鈴さんはその建物の前まで行くとブレーキを掛けてバイクのエンジンを切った。そして私が降りるとそのバイクをガレージの端っこに停めた。ガレージの前には『オートサービス香取』と書かれた看板が掲げられている。どうやら美鈴さんの家は整備工場をやっているらしい。
「じゃあ上がって!」
美鈴さんはそう言うとガレージ横のドアから建物の中に入っていった。ドアの向こう側は事務所らしく、中には事務机と応接用のソファーがあった。どこにでも自動車整備工場。そんな風に見える。
「そこで靴脱いでね」
美鈴さんは靴を脱ぎながらそう言うと私にも家に上がるように促した。どうやら事務所の奥が住居スペースになっているらしい。
「うん」
私はそう返事しながら彼女のあとに続く。
自宅に上がると足裏に畳の感触が伝わった。そして奥にある台所からは洗剤と漂白剤の匂いがした。非常に生活感のある匂いだ。正直あまり心地の良い匂いではない。
そんな生活感のある空間を抜けると古びた廊下に面した階段に出た。
「ごめんねぇ。古い家でしょ?」
「ううん。そんなことないよ。私のおばあちゃんちもこんな感じ」
「ハハハ、やっぱねぇ。よく言われるんだ。『お前んちババア臭い』ってね」
美鈴さんはそう言って笑うと階段に足を掛けた――。
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