6 / 176
第一章 株式会社エレメンタル
5
しおりを挟む
「じゃあ明日午後二時にまたこちらにお越しください」
逢川さんは襟を正すとそう言ってニッコリ笑った。
「はい! 明日もよろしくお願いします!」
「んじゃまた明日ね聖那ちゃん。……あ、そうそう。これはアドバイスなんだけどさ」
美鈴さんはそう前置きすると少し真剣な顔になった。そして続ける。
「面接んときは正直に答えた方がいいよ。変に取り繕う必要ないからね。……つーかここの社長はかなり切れ者だからうわべだけいい顔するとバレるんだよねぇ。ね? 逢川さん」
美鈴さんはそう言うと逢川さんに話を振った。
「ああ、まぁね。あの人は人の嘘が分かるってのはあるかもね……。まぁアレですよ。夏木さんは素直にお話してくれればそれで大丈夫です。香取ちゃんがここまで言うんだから問題ないでしょうしね」
逢川さんはそう言うと私の肩を優しく叩いた。大きくて力強くて優しい。そんな重さが肩に伝わった――。
それから私は来た道をゆっくりと戻った。心なしか帰り道の方が自転車のペダルが軽く感じる。
さて……。家に帰ったら久しぶりに父さんとの外食だ。
逢川さんは襟を正すとそう言ってニッコリ笑った。
「はい! 明日もよろしくお願いします!」
「んじゃまた明日ね聖那ちゃん。……あ、そうそう。これはアドバイスなんだけどさ」
美鈴さんはそう前置きすると少し真剣な顔になった。そして続ける。
「面接んときは正直に答えた方がいいよ。変に取り繕う必要ないからね。……つーかここの社長はかなり切れ者だからうわべだけいい顔するとバレるんだよねぇ。ね? 逢川さん」
美鈴さんはそう言うと逢川さんに話を振った。
「ああ、まぁね。あの人は人の嘘が分かるってのはあるかもね……。まぁアレですよ。夏木さんは素直にお話してくれればそれで大丈夫です。香取ちゃんがここまで言うんだから問題ないでしょうしね」
逢川さんはそう言うと私の肩を優しく叩いた。大きくて力強くて優しい。そんな重さが肩に伝わった――。
それから私は来た道をゆっくりと戻った。心なしか帰り道の方が自転車のペダルが軽く感じる。
さて……。家に帰ったら久しぶりに父さんとの外食だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
19
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる