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第三章 秋川千鶴の場合
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自宅に戻るとすぐにシャワーを浴びた。汗とメイクが流れ落ちる。排水溝に今日一日の頑張りと穢れが流れていくようだ。
身体中隈無く洗う。陰部は特に。他意は大アリだ。ここは私の聖域なのだ。今は誰も立ち入れない場所。もちろんセクシャルな意味で。
最後に男に抱かれたのは何年前だろう? ふと、そんな疑問が浮かんだ。記憶が確かなら大学卒業してから数年間は割とそういう関係になる男もいた気がする。まぁ、そんな男たちのことなどすっかり忘れてしまったけれど。(実際名前と顔が一致しない程度の記憶しかない)
別にあの行為に対して抵抗や嫌悪感があるわけではない。ただ好きかと聞かれれば微妙だとは思う。妊娠という結果に繋がらないアレになんの意味があるのだろう? と心の奥底からそう思うのだ。
多くの女友達は性行為を娯楽として楽しんでいたけれど私にはそれが理解できなかった。確かに快感はあるとは思う。でもアレに依存すればいずれ身を滅ぼすのではないだろうか?
詰まるところ、私の理性はエンタメ的なセクシャルワークを拒絶したのだ。凸凹。そんな歪な娯楽などやりたくないと。
髪にロクシタンのシャンプー香りが染み渡る。天然ハーブの香り。この香りを嗅いでいるだけで幸せな気持ちになった。午前中に浴びせられた「これだから行き遅れババアはよぉ」という言葉さえ許せそうになる……。いや、これは感情で許すべき話ではないだろう。あの男は弊社の敵だ。女性の敵だ。下着メーカーの広報部の人間としては最低の部類。制裁を与えてやろう――。そんな不穏な考えが浮かんだ。
幸せなシャワータイムを終えるとリビングで髪を乾かした。しっかりトリートメントしているお陰で枝毛は少ない。やはり髪は女性の命だと思う。黒くてまっすぐな髪。私の自慢だ。
髪が乾くと簡単に夕食を済ませた。野菜サラダとコンソメスープ、炭水化物はなし。別に健康を意識しているわけではないけれど夕食はいつもこんな感じなのだ。あまり食べたくない。飲み会ならともかく、自炊でそこまでしっかり食べる必要はないだろう。
食べ終えるとすぐに食器を洗った。そしてその勢いのまま洗濯機を回し、部屋全体に掃除機を掛けた。普段は週末にまとめてしている家事の前倒しだ。
そんな風に家事を熟しながら私は思った。ああ、こうして生活出来るのも叔母さんのお陰だなと。
身体中隈無く洗う。陰部は特に。他意は大アリだ。ここは私の聖域なのだ。今は誰も立ち入れない場所。もちろんセクシャルな意味で。
最後に男に抱かれたのは何年前だろう? ふと、そんな疑問が浮かんだ。記憶が確かなら大学卒業してから数年間は割とそういう関係になる男もいた気がする。まぁ、そんな男たちのことなどすっかり忘れてしまったけれど。(実際名前と顔が一致しない程度の記憶しかない)
別にあの行為に対して抵抗や嫌悪感があるわけではない。ただ好きかと聞かれれば微妙だとは思う。妊娠という結果に繋がらないアレになんの意味があるのだろう? と心の奥底からそう思うのだ。
多くの女友達は性行為を娯楽として楽しんでいたけれど私にはそれが理解できなかった。確かに快感はあるとは思う。でもアレに依存すればいずれ身を滅ぼすのではないだろうか?
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髪が乾くと簡単に夕食を済ませた。野菜サラダとコンソメスープ、炭水化物はなし。別に健康を意識しているわけではないけれど夕食はいつもこんな感じなのだ。あまり食べたくない。飲み会ならともかく、自炊でそこまでしっかり食べる必要はないだろう。
食べ終えるとすぐに食器を洗った。そしてその勢いのまま洗濯機を回し、部屋全体に掃除機を掛けた。普段は週末にまとめてしている家事の前倒しだ。
そんな風に家事を熟しながら私は思った。ああ、こうして生活出来るのも叔母さんのお陰だなと。
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