13 / 29
第13話 お母さんのお弁当
しおりを挟む守央がよろめくと、さらに康裕は守央目掛けて様々な軌道を描くように斬撃や突きを連続で繰り出した。
守央は体勢を立て直しながら釵で康裕の攻撃を受け流し、あるいはかわしながら徐々に後ろへ下がっていく。
康裕は左足を1歩前に踏み込むと、守央目掛けて真上から刀を振り下ろした。
守央が2本の釵を交差させて刀を受け止めると、康裕はすかさず右足を1歩前に踏み込み、右肩からの体当たりを守央に食らわせる。
守央が後方へ弾き飛ばされて倒れると、世璋は右手に握ったトンファーを康裕目掛けて袈裟に振り下ろした。
康裕はそれに気づくと、刀でトンファーを受け止めながら後ろへ飛び退く。
世璋は康裕に向かって突進すると、様々な軌道を描くようにトンファーを振り回した。
康裕は世璋の攻撃を刀で防ぎ、あるいはかわしながら徐々に後ろへ下がっていく。
世璋は右足を1歩前に踏み込むと、右手に握ったトンファーを康裕目掛けて裏袈裟に振り下ろした。
その瞬間、康裕は刀でトンファーを受け止めると、左手で世璋の右手を逆手に掴み、大きく左へ振り回す。
世璋が仰向けに投げ倒されると、康裕は世璋を見下ろしながら刀を頭上に振り上げた。
世璋は康裕を見上げながら、ハッとした表情を浮かべる。
(しまった!)
世璋が額に冷や汗を滲ませると、守央はそれに気づいて立ち上がり、右手に握った釵を康裕に向かって投げつけた。
釵は縦回転しながら、康裕の背中目掛けて飛翔する。
康裕はそれに気づくと、背後を振り返りながら後ろへ飛び退き、刀で釵を弾き落とした。
康裕が着地して刀を正眼に構え直すと、守央は世璋の側に立ち、右手で腰の後ろから3本目の釵を引き抜く。
「大丈夫か、世璋!?」
「おう、助かったぜ!」
世璋は立ち上がると、左右のトンファーを回転させて物打ちを握った。
「くそっ、このままじゃ埒が明かねぇ。守央、作戦変更だ。俺があいつを引き付ける。その隙に奴の懐へ飛び込め」
「わかった」
守央が左右の釵を回転させて物打ちの根元を握ると、康裕は眉をひそめる。
(ほう、まだやるつもりか。ならば、こちらも本気で行かせてもらおう)
康裕は左足を1歩前に踏み出すと、刀の切っ先を天に向けて頭の右側に構えた。
八相の構えにも似たそれは、蜻蛉と呼ばれる示現流独特の構えである。
守央は体勢を立て直しながら釵で康裕の攻撃を受け流し、あるいはかわしながら徐々に後ろへ下がっていく。
康裕は左足を1歩前に踏み込むと、守央目掛けて真上から刀を振り下ろした。
守央が2本の釵を交差させて刀を受け止めると、康裕はすかさず右足を1歩前に踏み込み、右肩からの体当たりを守央に食らわせる。
守央が後方へ弾き飛ばされて倒れると、世璋は右手に握ったトンファーを康裕目掛けて袈裟に振り下ろした。
康裕はそれに気づくと、刀でトンファーを受け止めながら後ろへ飛び退く。
世璋は康裕に向かって突進すると、様々な軌道を描くようにトンファーを振り回した。
康裕は世璋の攻撃を刀で防ぎ、あるいはかわしながら徐々に後ろへ下がっていく。
世璋は右足を1歩前に踏み込むと、右手に握ったトンファーを康裕目掛けて裏袈裟に振り下ろした。
その瞬間、康裕は刀でトンファーを受け止めると、左手で世璋の右手を逆手に掴み、大きく左へ振り回す。
世璋が仰向けに投げ倒されると、康裕は世璋を見下ろしながら刀を頭上に振り上げた。
世璋は康裕を見上げながら、ハッとした表情を浮かべる。
(しまった!)
世璋が額に冷や汗を滲ませると、守央はそれに気づいて立ち上がり、右手に握った釵を康裕に向かって投げつけた。
釵は縦回転しながら、康裕の背中目掛けて飛翔する。
康裕はそれに気づくと、背後を振り返りながら後ろへ飛び退き、刀で釵を弾き落とした。
康裕が着地して刀を正眼に構え直すと、守央は世璋の側に立ち、右手で腰の後ろから3本目の釵を引き抜く。
「大丈夫か、世璋!?」
「おう、助かったぜ!」
世璋は立ち上がると、左右のトンファーを回転させて物打ちを握った。
「くそっ、このままじゃ埒が明かねぇ。守央、作戦変更だ。俺があいつを引き付ける。その隙に奴の懐へ飛び込め」
「わかった」
守央が左右の釵を回転させて物打ちの根元を握ると、康裕は眉をひそめる。
(ほう、まだやるつもりか。ならば、こちらも本気で行かせてもらおう)
康裕は左足を1歩前に踏み出すと、刀の切っ先を天に向けて頭の右側に構えた。
八相の構えにも似たそれは、蜻蛉と呼ばれる示現流独特の構えである。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?
⚠️好みが非常に分かれる作品となっております。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる