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第37話 草津温泉。
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草津につき、まずは、旅館に向かう。
旅館は、温泉街の中心から数分の距離にある。
細い石畳の路地を抜けた先だ。
母屋は老舗なだけあり、築何百年も経っていそうな建物だった。正面には純和風の数寄屋門が設えられ、『翡翠館』という看板が掛かっている。
門を入ると、小さな村のような造りになっていて、お風呂や食堂、客室が独立している。各所には説明文があり、宿泊客が宿の中だけでも楽しめるような工夫が凝らされていた。
ビンゴの賞品なのに、随分と良い旅館だよなぁ、と思う。やはり、有名大学だからか?
まひると門扉の前にたち写真を撮りまくる。すると、仲居さんに声をかけられた。
「新婚さん? あなた、ずいぶんと可愛い奥さん掴まえたわねぇ」
すごいフレンドリーだな、この人。
いや、まひるが可愛いのは事実だが。
できれば、俺の事も褒めて欲しい。
老舗旅館というと、もっと気取った感じの接客かと思っていた。たが、旅慣れしていない俺としては、こっちの方が有難い。
チェックインの時間までまだ少しあるので、フロントに荷物を預け、外に出ることにした。
温泉街の中心にある湯畑に行く。
翡翠色の冷却路を眺めていると、あたりに硫黄の匂いが舞い上がり、いかにも温泉地にいるという気分になる。
いつもは俺の部屋で会っているから、今日は、すごく特別な非日常にいる気がして、いつにも増して、まひるを愛おしく感じた。
まひるがどこかをじっと見ている。
ふと、その視線を追うと。
浴衣をきた夫婦が、小さな女の子の手を引いて歩いていた。
俺と目が合うと、まひるは微笑んだ。
まひるは、さっき、夫婦に間違われたのが嬉しいらしい。俺のことを「あなた」と呼んでは、身体を左右に振って照れくさそうにしている。
「くしゅん」
まひるがくしゃみをした。
やばい。まひるがノーパンなのを忘れていた。
早く宿に戻らねば。
宿に戻って、チェックインする。
すると、担当の仲良くさんが部屋を案内してくれ、お茶を出してくれた。
随分と若い仲居さんだな。
リゾートバイトだろうか。
仲居さんが部屋を出た瞬間、まひるの目がとろんとする。しまった。我が家のサキュバスをノーパン放置してるのを忘れてた。
まひるは「我慢できない。頂戴♪」というと、有無を言わさず馬乗りになってくる。
おれの返答を待たずに、まひるは、息を荒げながら腰を回すように前後に揺らす。
俺が限界に近づいた頃、まひるは俺にキスをした。そして、唇を離すと、舌を出して小悪魔のような顔をして言った。
「今日、ホルモンのお薬、飲み忘れちゃった。赤ちゃんできちゃうかも」
えっ。
俺が驚いた顔をすると、まひるはニコッとした。
まひるは俺の目を見つめると、またキスをして、一気に腰の動きを早める。
こいつ、絶対に俺を倒しにきてる。
『ちょっと』という間もなく、俺は限界になった。言いようもないような昂りに襲われ、大量に出してしまった。
まひるは、舌なめずりすると、俺のことを抱きしめてくる。そして、甘えたような掠れた声で言った。
「ナギくんのあったかい。わたしの子宮に沢山だよ。ねぇ。赤ちゃんできたら、産んで欲しい?」
「うん」
俺は自然に答えていた。
不思議に躊躇う気持ちはなかった。
まひるは、頬をピンクに染めて瞼の力を抜くと、長い睫毛を瞬きさせ、慈しむような眼差しを俺に向ける。
そして、そのまま、また俺の上でゆさゆさと動き出すのだった。
……どうやら、旅は人の心を自由にするらしい。
(ガラッ)
俺が旅情緒に浸っていると、急に部屋の襖が開いた。その向こうには、仲居さんが正座で頭を下げている。
「お寛ぎところ失礼します。先ほど、お伝えし忘れてしまったことがありまして……」
仲居さんが顔を上げる。
馬乗りで動いているまひると俺、仲居さん、3人の目が合った。
3人は同時に言葉を発した。
「アッ……!」
すると、仲居さんは、無言で襖を閉めた。
俺が駆け寄ると、既に仲居さんはいなくなっていた。
やばい。
あの人、この部屋の担当だよね?
気まずすぎるんですが。
旅館は、温泉街の中心から数分の距離にある。
細い石畳の路地を抜けた先だ。
母屋は老舗なだけあり、築何百年も経っていそうな建物だった。正面には純和風の数寄屋門が設えられ、『翡翠館』という看板が掛かっている。
門を入ると、小さな村のような造りになっていて、お風呂や食堂、客室が独立している。各所には説明文があり、宿泊客が宿の中だけでも楽しめるような工夫が凝らされていた。
ビンゴの賞品なのに、随分と良い旅館だよなぁ、と思う。やはり、有名大学だからか?
まひると門扉の前にたち写真を撮りまくる。すると、仲居さんに声をかけられた。
「新婚さん? あなた、ずいぶんと可愛い奥さん掴まえたわねぇ」
すごいフレンドリーだな、この人。
いや、まひるが可愛いのは事実だが。
できれば、俺の事も褒めて欲しい。
老舗旅館というと、もっと気取った感じの接客かと思っていた。たが、旅慣れしていない俺としては、こっちの方が有難い。
チェックインの時間までまだ少しあるので、フロントに荷物を預け、外に出ることにした。
温泉街の中心にある湯畑に行く。
翡翠色の冷却路を眺めていると、あたりに硫黄の匂いが舞い上がり、いかにも温泉地にいるという気分になる。
いつもは俺の部屋で会っているから、今日は、すごく特別な非日常にいる気がして、いつにも増して、まひるを愛おしく感じた。
まひるがどこかをじっと見ている。
ふと、その視線を追うと。
浴衣をきた夫婦が、小さな女の子の手を引いて歩いていた。
俺と目が合うと、まひるは微笑んだ。
まひるは、さっき、夫婦に間違われたのが嬉しいらしい。俺のことを「あなた」と呼んでは、身体を左右に振って照れくさそうにしている。
「くしゅん」
まひるがくしゃみをした。
やばい。まひるがノーパンなのを忘れていた。
早く宿に戻らねば。
宿に戻って、チェックインする。
すると、担当の仲良くさんが部屋を案内してくれ、お茶を出してくれた。
随分と若い仲居さんだな。
リゾートバイトだろうか。
仲居さんが部屋を出た瞬間、まひるの目がとろんとする。しまった。我が家のサキュバスをノーパン放置してるのを忘れてた。
まひるは「我慢できない。頂戴♪」というと、有無を言わさず馬乗りになってくる。
おれの返答を待たずに、まひるは、息を荒げながら腰を回すように前後に揺らす。
俺が限界に近づいた頃、まひるは俺にキスをした。そして、唇を離すと、舌を出して小悪魔のような顔をして言った。
「今日、ホルモンのお薬、飲み忘れちゃった。赤ちゃんできちゃうかも」
えっ。
俺が驚いた顔をすると、まひるはニコッとした。
まひるは俺の目を見つめると、またキスをして、一気に腰の動きを早める。
こいつ、絶対に俺を倒しにきてる。
『ちょっと』という間もなく、俺は限界になった。言いようもないような昂りに襲われ、大量に出してしまった。
まひるは、舌なめずりすると、俺のことを抱きしめてくる。そして、甘えたような掠れた声で言った。
「ナギくんのあったかい。わたしの子宮に沢山だよ。ねぇ。赤ちゃんできたら、産んで欲しい?」
「うん」
俺は自然に答えていた。
不思議に躊躇う気持ちはなかった。
まひるは、頬をピンクに染めて瞼の力を抜くと、長い睫毛を瞬きさせ、慈しむような眼差しを俺に向ける。
そして、そのまま、また俺の上でゆさゆさと動き出すのだった。
……どうやら、旅は人の心を自由にするらしい。
(ガラッ)
俺が旅情緒に浸っていると、急に部屋の襖が開いた。その向こうには、仲居さんが正座で頭を下げている。
「お寛ぎところ失礼します。先ほど、お伝えし忘れてしまったことがありまして……」
仲居さんが顔を上げる。
馬乗りで動いているまひると俺、仲居さん、3人の目が合った。
3人は同時に言葉を発した。
「アッ……!」
すると、仲居さんは、無言で襖を閉めた。
俺が駆け寄ると、既に仲居さんはいなくなっていた。
やばい。
あの人、この部屋の担当だよね?
気まずすぎるんですが。
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