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ただいま異世界、さよなら地球編
第1話 地球よ永遠に…
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俺の名は斎藤 斗真どこにもいる高校2年生だ。
つい先ほどまでは”うきうき気分”でマグロナルドの新作を楽しみに登校してきたはずが、気付けば俺は城の頂上に居た。
というか、俺がここへやってきたのだが…間違いない。
この景色…この空気!!
「エルネス…」
ゆっくりと自分を落ち着かせるために深呼吸する。
考えてしまうと絶望して周りのあらゆるものを”破壊”してしまいそうな衝動に駆られるかもしれない。
そうなっては”また”ろくでもない事になるに違いないだろう。
だからこそ、多めに空気を吸い込み指をパチンと鳴らし一言。
「クソぼけぇぇ!!! 俺を地球へ帰せぇえぇぇぇぇぇぇぇ!!! おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
天に向かって叫んでみるが…反応はない。
というか…
「くそっ!! 女神共の反応が弱まっている!? まさか…この世界で何か起こっているのか!?」
”以前”ならばすぐに返事が帰ってきていたものの、今はその反応すらも感じない。
もしかすると、この世界ではよくないことがおこっているのかも―――――――
それから数時間後の事である。
「まっ、どうでもいいか~~!!」
街はずれの草原で空を眺めながら一人、絶望していた。
どこからどう見ても、文明は遅れ、飯は不味そうな世界へやってきてしまった俺はただただ黄昏る他なかった。
特にやることもない俺は”幼馴染”の様子でも見てみる事にした。
「魔眼…発動!!」
すると目の前にはディスプレイのようなものが出現し、先ほどまで居た城内部の様子を映し出していた。
なるほど…異世界に転移させ”魔族”の討伐を依頼する国王とその娘、しかしそいつらからは禍々しい何かを感じる。この世界の人間の事だ。 またろくでもない事を考えてるに違いない。
現場はテンションが上がる者や泣き叫ぶ者、さらには混乱して衛兵に押さえつけられる生徒の姿もあった。
が、俺を巻き込んだとは知らぬあのバカ人間共に制裁を加えるとしよう。
「まさか、いまさらこの力に頼る事となろうとはな…封魔…解放!」
俺の中に眠る力を一時的に開放した俺は、標的(国王とその娘)に向け魔法を放つ。
「未来死|《エフデッド》発動…」
説明しよう。 未来死|《エフデッド》とは未来に起こりうる分岐点―――言わば自らの人生が変わるほどの力が作用した時。 あらゆる未来の因果を経つ”究極魔法”のひとつである。
例えば勇者が魔王を倒す旅に出たとする、その最終目的が魔王討伐であった場合…未来永劫、術者を葬らなければ魔王を倒す未来は来ない。
「ふふふふ…くっくっくっく…はははははは!!」
あいつらが絶望する姿を想像すると思わず笑みが零れる、そうだ…俺の人生をぶち壊した者達だ。
それはもう盛大に転んで貰わなくては困る。 そうだなぁ…一番上手くいってる時に一番の絶望を味わって貰うことにしよう。
「おっといけない。 これでは憧れの”陰キャ”とは程遠い! もっとこう~ぐふっ! って感じで笑わなければ! ぐふ、ぐふふふ…違うな。 ぐふふふふ!! ん~…けどやっぱりむかつくな一発殴ろ」
そして俺は再びその場から姿を消した。
―――――――――――――――――――――
場内である程度の説明が終わり、それぞれの生徒達が与えられた部屋へと向かおうとする頃だった。
「…というわけだ。 諸君らにはそれぞれ部屋を用意しておいた、まだ混乱する者もいるだろう…しかし。 我々に力を貸してくれ!」
「「「「………」」」」
深々と頭を下げる国王を前に皆がバラバラに反応を示す。
「まだ、私達もしっかりと返事は出来かねます…ですから少し、この子達に時間を頂けると」
「そうか、そうであるな…うむ。 良い返事を待っておるぞ」
「さぁ、皆…行きましょう」
と、その時。
パチ、パチ、パチ、パチ。
「「「「「「!?!?!?」」」」」」」
静かな空間に響き渡る一人の拍手。
しかしその場の人間すべてが辺りを見渡すも、その人物の姿はどこにもない。
「う、上じゃ!!」
国王の声と共に剣を構える衛兵達。
そして―――
「いやはや素晴らしい名演技だ。 国王よ…いや、クソ人間!」
「さ、斎藤…くん?」
「おや? これはこれは先生と生徒諸君! ごきげんよう! いや~お前たちも全くもって災難だな…よりにもよって異世界転移とは」
頭を抱える男はやれやれと頭を振りながら、教師と生徒達を空中から見下ろしていた。
「う、浮いてる?」
「さ、斎藤!? なんだよ、それ!」
ゆっくりと宙から下降しながら、床に足を付けたした男は言葉を発する事なく教師の女性を見つめる。
「ちょ、ちょっと。 さ、斎藤く―――」
「さて、親友。 いや、落ちこぼれ能力のそこの君」
しかし男は生徒達には目もくれず一人の男子生徒の方へ近寄る。
男子生徒は目を丸くしながらも、ゆっくりと口を開き返事をした。
「斗真くん…」
「ふはははは!! なんだ、その顔は! またどうせ虐められていたんだろ! まぁいい、祐樹。 そんなお前に力を授けよう。 不細工不細工だと虐められ早17年。 なに、気にするな…この世界では容姿等それほど関係ない事だ」
「……」
「これは数千年以上前、この世界で名を馳せ…そして人間に裏切られた悲しき勇者の力」
「「「「「「!?!?!?!?!」」」」」」」
男の目は真っ赤に光り輝き、右手は金色に輝きを放つ。
「さぁ、抗ってみせろ。 そして悲しき勇者の願い…この腐った世界のすべてを壊せ! 楽しみだ…お前がすべてを壊す未来が」
光輝く右手で頭を握る男。
「う、うぐぁぁぁぁぁ!!」
「おっと、言い忘れていた。 それなりに痛いぞ…」
「って…お、遅いってぇぇ!! 斗真くん!!」
「いいだろ! これからやってくるハーレム物語の幕開けなんだぞ! ちょっと痛いくらい、我慢しろぉ!」
「いや、でも…痛いのは…痛いってぇぇ!!」
力を受け気を失ってしまった青年を見つめた後、ちかくに居る少女に一言。
「こいつと追いついてみせるんだな。 それでも俺の隣を望むというなら…これは餞別だ。 その勇者と共に旅していた女賢者の力だ。 今のお前にはぴったりの能力だろう」
「……絶対に、絶対に追いついて見せるんだから」
「ほぅ~そのいき、そのいき」
再び真っ赤に輝いた右手で少女の頭に触れた男は、再び後ろで固まる国王を見つめる。
「どうだ? 俺の力は…ずいぶん効いてるようだな?」
衛兵や国王…王女達は言葉を発する事は愚か、その場から動くことさえ叶わなかった。
パチンと指を鳴らすと国王は言葉を発する。
「なに、もの…ぐはぁ!!!!!」
「「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」」
次の瞬間、国王の顔面に男の拳がクリティカルヒットする。 あまりの力に王は何もできずに王座事後ろへ吹き飛ばされた。
「な、なにをするんですの! こ、これは、反逆ですわ! みな! 攻撃を―――ぐふっ!!!???」
近くに居た王女は言葉を発すると同時に男に殴られる。
「男女平等パンチ!! 安心しろ、2週間もすれば治る筈だ。 ところでそこの衛兵達…俺とやるか?」
「「「「「「………」」」」」」
それなりの力を有しているはずの国王と王女ですら一方的にやられた光景を見て戦意喪失したのか、全力で首を横に振る衛兵達。
「そうか、それはよかった。 さて、これからどうするか…まぁ、後で考えるか…」
そう言葉を発すると同時に男の姿は消えた。
まるで元からそこに居なかったかのように…
これだけの騒ぎが起こっていながらも国王と王女は”彼”を指名手配する事はなかった。
なぜならば、あれだけの力を有している存在だ、もし何か逆鱗に触れる事にでもなれば国を滅ぼされかねない…故に彼らは黙っていた。
自らの計画を遂行するために…しかし―――――その淡い希望は既に詰んでいる。
という事実すら彼らは知らないでいた。
つい先ほどまでは”うきうき気分”でマグロナルドの新作を楽しみに登校してきたはずが、気付けば俺は城の頂上に居た。
というか、俺がここへやってきたのだが…間違いない。
この景色…この空気!!
「エルネス…」
ゆっくりと自分を落ち着かせるために深呼吸する。
考えてしまうと絶望して周りのあらゆるものを”破壊”してしまいそうな衝動に駆られるかもしれない。
そうなっては”また”ろくでもない事になるに違いないだろう。
だからこそ、多めに空気を吸い込み指をパチンと鳴らし一言。
「クソぼけぇぇ!!! 俺を地球へ帰せぇえぇぇぇぇぇぇぇ!!! おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
天に向かって叫んでみるが…反応はない。
というか…
「くそっ!! 女神共の反応が弱まっている!? まさか…この世界で何か起こっているのか!?」
”以前”ならばすぐに返事が帰ってきていたものの、今はその反応すらも感じない。
もしかすると、この世界ではよくないことがおこっているのかも―――――――
それから数時間後の事である。
「まっ、どうでもいいか~~!!」
街はずれの草原で空を眺めながら一人、絶望していた。
どこからどう見ても、文明は遅れ、飯は不味そうな世界へやってきてしまった俺はただただ黄昏る他なかった。
特にやることもない俺は”幼馴染”の様子でも見てみる事にした。
「魔眼…発動!!」
すると目の前にはディスプレイのようなものが出現し、先ほどまで居た城内部の様子を映し出していた。
なるほど…異世界に転移させ”魔族”の討伐を依頼する国王とその娘、しかしそいつらからは禍々しい何かを感じる。この世界の人間の事だ。 またろくでもない事を考えてるに違いない。
現場はテンションが上がる者や泣き叫ぶ者、さらには混乱して衛兵に押さえつけられる生徒の姿もあった。
が、俺を巻き込んだとは知らぬあのバカ人間共に制裁を加えるとしよう。
「まさか、いまさらこの力に頼る事となろうとはな…封魔…解放!」
俺の中に眠る力を一時的に開放した俺は、標的(国王とその娘)に向け魔法を放つ。
「未来死|《エフデッド》発動…」
説明しよう。 未来死|《エフデッド》とは未来に起こりうる分岐点―――言わば自らの人生が変わるほどの力が作用した時。 あらゆる未来の因果を経つ”究極魔法”のひとつである。
例えば勇者が魔王を倒す旅に出たとする、その最終目的が魔王討伐であった場合…未来永劫、術者を葬らなければ魔王を倒す未来は来ない。
「ふふふふ…くっくっくっく…はははははは!!」
あいつらが絶望する姿を想像すると思わず笑みが零れる、そうだ…俺の人生をぶち壊した者達だ。
それはもう盛大に転んで貰わなくては困る。 そうだなぁ…一番上手くいってる時に一番の絶望を味わって貰うことにしよう。
「おっといけない。 これでは憧れの”陰キャ”とは程遠い! もっとこう~ぐふっ! って感じで笑わなければ! ぐふ、ぐふふふ…違うな。 ぐふふふふ!! ん~…けどやっぱりむかつくな一発殴ろ」
そして俺は再びその場から姿を消した。
―――――――――――――――――――――
場内である程度の説明が終わり、それぞれの生徒達が与えられた部屋へと向かおうとする頃だった。
「…というわけだ。 諸君らにはそれぞれ部屋を用意しておいた、まだ混乱する者もいるだろう…しかし。 我々に力を貸してくれ!」
「「「「………」」」」
深々と頭を下げる国王を前に皆がバラバラに反応を示す。
「まだ、私達もしっかりと返事は出来かねます…ですから少し、この子達に時間を頂けると」
「そうか、そうであるな…うむ。 良い返事を待っておるぞ」
「さぁ、皆…行きましょう」
と、その時。
パチ、パチ、パチ、パチ。
「「「「「「!?!?!?」」」」」」」
静かな空間に響き渡る一人の拍手。
しかしその場の人間すべてが辺りを見渡すも、その人物の姿はどこにもない。
「う、上じゃ!!」
国王の声と共に剣を構える衛兵達。
そして―――
「いやはや素晴らしい名演技だ。 国王よ…いや、クソ人間!」
「さ、斎藤…くん?」
「おや? これはこれは先生と生徒諸君! ごきげんよう! いや~お前たちも全くもって災難だな…よりにもよって異世界転移とは」
頭を抱える男はやれやれと頭を振りながら、教師と生徒達を空中から見下ろしていた。
「う、浮いてる?」
「さ、斎藤!? なんだよ、それ!」
ゆっくりと宙から下降しながら、床に足を付けたした男は言葉を発する事なく教師の女性を見つめる。
「ちょ、ちょっと。 さ、斎藤く―――」
「さて、親友。 いや、落ちこぼれ能力のそこの君」
しかし男は生徒達には目もくれず一人の男子生徒の方へ近寄る。
男子生徒は目を丸くしながらも、ゆっくりと口を開き返事をした。
「斗真くん…」
「ふはははは!! なんだ、その顔は! またどうせ虐められていたんだろ! まぁいい、祐樹。 そんなお前に力を授けよう。 不細工不細工だと虐められ早17年。 なに、気にするな…この世界では容姿等それほど関係ない事だ」
「……」
「これは数千年以上前、この世界で名を馳せ…そして人間に裏切られた悲しき勇者の力」
「「「「「「!?!?!?!?!」」」」」」」
男の目は真っ赤に光り輝き、右手は金色に輝きを放つ。
「さぁ、抗ってみせろ。 そして悲しき勇者の願い…この腐った世界のすべてを壊せ! 楽しみだ…お前がすべてを壊す未来が」
光輝く右手で頭を握る男。
「う、うぐぁぁぁぁぁ!!」
「おっと、言い忘れていた。 それなりに痛いぞ…」
「って…お、遅いってぇぇ!! 斗真くん!!」
「いいだろ! これからやってくるハーレム物語の幕開けなんだぞ! ちょっと痛いくらい、我慢しろぉ!」
「いや、でも…痛いのは…痛いってぇぇ!!」
力を受け気を失ってしまった青年を見つめた後、ちかくに居る少女に一言。
「こいつと追いついてみせるんだな。 それでも俺の隣を望むというなら…これは餞別だ。 その勇者と共に旅していた女賢者の力だ。 今のお前にはぴったりの能力だろう」
「……絶対に、絶対に追いついて見せるんだから」
「ほぅ~そのいき、そのいき」
再び真っ赤に輝いた右手で少女の頭に触れた男は、再び後ろで固まる国王を見つめる。
「どうだ? 俺の力は…ずいぶん効いてるようだな?」
衛兵や国王…王女達は言葉を発する事は愚か、その場から動くことさえ叶わなかった。
パチンと指を鳴らすと国王は言葉を発する。
「なに、もの…ぐはぁ!!!!!」
「「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」」
次の瞬間、国王の顔面に男の拳がクリティカルヒットする。 あまりの力に王は何もできずに王座事後ろへ吹き飛ばされた。
「な、なにをするんですの! こ、これは、反逆ですわ! みな! 攻撃を―――ぐふっ!!!???」
近くに居た王女は言葉を発すると同時に男に殴られる。
「男女平等パンチ!! 安心しろ、2週間もすれば治る筈だ。 ところでそこの衛兵達…俺とやるか?」
「「「「「「………」」」」」」
それなりの力を有しているはずの国王と王女ですら一方的にやられた光景を見て戦意喪失したのか、全力で首を横に振る衛兵達。
「そうか、それはよかった。 さて、これからどうするか…まぁ、後で考えるか…」
そう言葉を発すると同時に男の姿は消えた。
まるで元からそこに居なかったかのように…
これだけの騒ぎが起こっていながらも国王と王女は”彼”を指名手配する事はなかった。
なぜならば、あれだけの力を有している存在だ、もし何か逆鱗に触れる事にでもなれば国を滅ぼされかねない…故に彼らは黙っていた。
自らの計画を遂行するために…しかし―――――その淡い希望は既に詰んでいる。
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