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鬼の泣き声
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この日、レーサーギルド直属である音速四天王のうち二人
カトリーナとロックというまだ若手の二人は久々に自身のベストタイムを更新しようと意気揚々に第一試験場であるサーキットへ足を運んでいた
「今日はレミラさん来ないのかな?」
自身の愛機のボンネットを開け、そう言ったのはロックだった
レミラはこの王都の顔のような存在であり、世界平均で見たときに驚いた速さはないがことこの王都内に複数あるサーキットのレコード保持者でもあった
「さぁ?この間のタイムアタックで思うようにタイムが伸びなかったから…しばらく来ないんじゃない?」
しかしレコード保持者であるがゆえに、中々自分の記録が越せずに歯がゆい思いをしてるのか
終わってから分かりやすく不機嫌になっていたことをカトリーナは覚えていた
「…ん?」
「どうしたんだい?カトリーナ…」
不意に自分の車両に潜って整備をしていたカトリーナが手を止めると、ロックも吊られて手を止めて何かあったのかと聞き返した
__ァア…__アアァンッ__
「…エキゾーストノート?」
「だね…それもかなり大きなサウンドだ、近づいてくる…」
◆
__ゴンロォッ!!
第一試験場に一台の車が入ってくると、ピットで準備をしていた他のレーサー達は一様に手を止めた
「さっきのはあの白い車が…車種はなに?」
「ずいぶんと速そうだね…いや、見たこともないよ」
カトリーナとロックは初めて見るその異形の車に、いやその車から溢れ出す圧倒的なオーラのようなものに気圧されていた
(場数を踏んだ速いものにはオーラが宿る…うちの大将とてそれは例外じゃない…けど)
カトリーナとロックは数多の場数を踏んでいたが故に、その白い車から目線が外せなくなっていた
(アレは異様だ…あんなのを前にしたらレミラさんも霞む)
__バンッブワァンッ
軽く吹かしただけで聞いたこともない爆音
そして見たこともない精度で作られた未来感溢れる流線フォルム
(なにより低い…!)
更に圧倒的な車高の低さ、いや、車高だけではなく全高も低い
度を越したものは例外として車高が低いと言うことはそれだけで有利である、基本乗り物はすべてそうだが
低ければ低いだけ重心を低くできる、分かりやすく言えば重さを均等に保つ場所を低く出来るのだ
たったそれだけ?と侮ることなかれ
この重心が高ければ高いほど、飛行機や船、車等大きく高速で動ける物体は一気に動きが不安定になり
最悪高速でコーナリングするときに引っくり返る
だからこそ低重心はスポーツ走行になくてはならない物であり、適度に車高の落とされたスポーツカーのコーナリングはまるでカミソリのような切れ味を持つのだ
「……」
ガチャリ…と白い車のドアが開き、一人の少年が降りてくると
今度は皆の視線がその少年に集まる
(…ずいぶんと若い…まだ子供じゃないか)
歳はおそらくレーサーギルドの規定ギリギリで入って来たのだろう、10代前半の幼い顔立ちとこの辺では珍しい黒髪が目を引く
だがその他は何と言っても…
(やはりオーラが違いすぎる…本物だ、こいつ)
少年自体が身に纏う圧倒的なオーラ、威圧感はこの場にいる本物のレーサー達を萎縮させるのに充分だった。
「…すんません、コレお願いします」
そして少年はギルドから出されたタイムアタックの依頼書を受付に渡す、自然と周りの視線もそのまま少年の後ろを追った。
「はい、承りました。
他の方々はクールタイムに入ってますので、一走目いかがですか?
今ならほぼ貸し切りですよ」
普段であれば出走に時間は多小なりともかかるが、今はエンジンを冷やすためにピットへ入ってるマシンや暖気してる者がほとんどだったためにコースは時折一台~二台程度走ってるだけでガラガラだった
「おっ、やりぃ…んじゃ走らせて貰いますかぁ」
少年は案内されて口を綻ばせ、鍵を持って白い車に乗り込んだ
◆
「よーし、やるぞォ!」
シビックの車内で出走フラッグが振られるのを待ちながら、辰起は指の骨をポキポキ鳴らした後にハンドルを握りそう溢す
__ゴボッボッボッボッボッボゥッ…
超ハイコンプ仕様に仕上げられた辰起のシビックの心臓部に位置するB16-A VTECエンジンは疎らな
端から聞けば不安定な音を奏でながらもアイドリング自体は900RRMで安定する
__ブワンッ!バンッバババンッ!!
そして辰起は出走に向けてギアを1速に入れた後にサイドを引き、クラッチを完全に切ってからMAXトルクを発生できる回転域まで回転数を合わせる為にアクセルを何度かに別けて踏み込む
当然発せられる排気音は凄まじく、周りで出走を一目見ようとしていた者達は即座に耳を塞ぐ
そしてフッ…と出走フラッグが振られ、クラッチを戻して半クラになるタイミングで辰起はサイドを下ろした
__バンッバァアアアアアッ!
瞬間、一度駆動部の前輪が僅かに空回りをするが
本当に僅かですぐにタイヤが路面を捉えてミサイルのような猛加速を開始する
__バァアアップワァアアアアアッ!!
発進で落ちた回転数がすぐに立ち直り、VTECに入ると甲高い鳴き声のようなエキゾーストを奏でコーナーへ消えていく
__後に、この時現場に偶然居合わせた国一のジャーナリストはこう語った
『私は歴史が変わる瞬間を見た
その甲高くも空気を切り裂き、耳をつんざくあの音は生涯忘れられないだろう
まるで【鬼】が泣いていた、あれは慟哭の様だった』__と。
______◆
これにて年内最後の更新となります、来月は免許を取りに合宿へ入りますのでもしかしたら更新が出来ないかも知れません…。
そしてコミケとオートサロンに二日参戦させていただきます。
精一杯インスピレーションを受けてより精進致しまする。
______◆
カトリーナとロックというまだ若手の二人は久々に自身のベストタイムを更新しようと意気揚々に第一試験場であるサーキットへ足を運んでいた
「今日はレミラさん来ないのかな?」
自身の愛機のボンネットを開け、そう言ったのはロックだった
レミラはこの王都の顔のような存在であり、世界平均で見たときに驚いた速さはないがことこの王都内に複数あるサーキットのレコード保持者でもあった
「さぁ?この間のタイムアタックで思うようにタイムが伸びなかったから…しばらく来ないんじゃない?」
しかしレコード保持者であるがゆえに、中々自分の記録が越せずに歯がゆい思いをしてるのか
終わってから分かりやすく不機嫌になっていたことをカトリーナは覚えていた
「…ん?」
「どうしたんだい?カトリーナ…」
不意に自分の車両に潜って整備をしていたカトリーナが手を止めると、ロックも吊られて手を止めて何かあったのかと聞き返した
__ァア…__アアァンッ__
「…エキゾーストノート?」
「だね…それもかなり大きなサウンドだ、近づいてくる…」
◆
__ゴンロォッ!!
第一試験場に一台の車が入ってくると、ピットで準備をしていた他のレーサー達は一様に手を止めた
「さっきのはあの白い車が…車種はなに?」
「ずいぶんと速そうだね…いや、見たこともないよ」
カトリーナとロックは初めて見るその異形の車に、いやその車から溢れ出す圧倒的なオーラのようなものに気圧されていた
(場数を踏んだ速いものにはオーラが宿る…うちの大将とてそれは例外じゃない…けど)
カトリーナとロックは数多の場数を踏んでいたが故に、その白い車から目線が外せなくなっていた
(アレは異様だ…あんなのを前にしたらレミラさんも霞む)
__バンッブワァンッ
軽く吹かしただけで聞いたこともない爆音
そして見たこともない精度で作られた未来感溢れる流線フォルム
(なにより低い…!)
更に圧倒的な車高の低さ、いや、車高だけではなく全高も低い
度を越したものは例外として車高が低いと言うことはそれだけで有利である、基本乗り物はすべてそうだが
低ければ低いだけ重心を低くできる、分かりやすく言えば重さを均等に保つ場所を低く出来るのだ
たったそれだけ?と侮ることなかれ
この重心が高ければ高いほど、飛行機や船、車等大きく高速で動ける物体は一気に動きが不安定になり
最悪高速でコーナリングするときに引っくり返る
だからこそ低重心はスポーツ走行になくてはならない物であり、適度に車高の落とされたスポーツカーのコーナリングはまるでカミソリのような切れ味を持つのだ
「……」
ガチャリ…と白い車のドアが開き、一人の少年が降りてくると
今度は皆の視線がその少年に集まる
(…ずいぶんと若い…まだ子供じゃないか)
歳はおそらくレーサーギルドの規定ギリギリで入って来たのだろう、10代前半の幼い顔立ちとこの辺では珍しい黒髪が目を引く
だがその他は何と言っても…
(やはりオーラが違いすぎる…本物だ、こいつ)
少年自体が身に纏う圧倒的なオーラ、威圧感はこの場にいる本物のレーサー達を萎縮させるのに充分だった。
「…すんません、コレお願いします」
そして少年はギルドから出されたタイムアタックの依頼書を受付に渡す、自然と周りの視線もそのまま少年の後ろを追った。
「はい、承りました。
他の方々はクールタイムに入ってますので、一走目いかがですか?
今ならほぼ貸し切りですよ」
普段であれば出走に時間は多小なりともかかるが、今はエンジンを冷やすためにピットへ入ってるマシンや暖気してる者がほとんどだったためにコースは時折一台~二台程度走ってるだけでガラガラだった
「おっ、やりぃ…んじゃ走らせて貰いますかぁ」
少年は案内されて口を綻ばせ、鍵を持って白い車に乗り込んだ
◆
「よーし、やるぞォ!」
シビックの車内で出走フラッグが振られるのを待ちながら、辰起は指の骨をポキポキ鳴らした後にハンドルを握りそう溢す
__ゴボッボッボッボッボッボゥッ…
超ハイコンプ仕様に仕上げられた辰起のシビックの心臓部に位置するB16-A VTECエンジンは疎らな
端から聞けば不安定な音を奏でながらもアイドリング自体は900RRMで安定する
__ブワンッ!バンッバババンッ!!
そして辰起は出走に向けてギアを1速に入れた後にサイドを引き、クラッチを完全に切ってからMAXトルクを発生できる回転域まで回転数を合わせる為にアクセルを何度かに別けて踏み込む
当然発せられる排気音は凄まじく、周りで出走を一目見ようとしていた者達は即座に耳を塞ぐ
そしてフッ…と出走フラッグが振られ、クラッチを戻して半クラになるタイミングで辰起はサイドを下ろした
__バンッバァアアアアアッ!
瞬間、一度駆動部の前輪が僅かに空回りをするが
本当に僅かですぐにタイヤが路面を捉えてミサイルのような猛加速を開始する
__バァアアップワァアアアアアッ!!
発進で落ちた回転数がすぐに立ち直り、VTECに入ると甲高い鳴き声のようなエキゾーストを奏でコーナーへ消えていく
__後に、この時現場に偶然居合わせた国一のジャーナリストはこう語った
『私は歴史が変わる瞬間を見た
その甲高くも空気を切り裂き、耳をつんざくあの音は生涯忘れられないだろう
まるで【鬼】が泣いていた、あれは慟哭の様だった』__と。
______◆
これにて年内最後の更新となります、来月は免許を取りに合宿へ入りますのでもしかしたら更新が出来ないかも知れません…。
そしてコミケとオートサロンに二日参戦させていただきます。
精一杯インスピレーションを受けてより精進致しまする。
______◆
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