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第一章 パーティをクビになりました。
11.街への帰宅
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時間軸を戻してグリフォンを仲間にしたカンは
ギルドへ報告のため一路街への道を向かっていた
「…なぁ、グリフォン……
……お前さんもっとコンパクトにはならんのかねぇ?」
『あぁ……それなら』
カンに言われたグリフォンは一度足を止める
するとその巨体が光に包まれた
光に包まれたグリフォンの身体はどんどん縮んでいき
そして少しして光が収まると
「ふむ、これで良いかな?」
130㎝程のショタがそこに立っていたのである
綺麗な白髪に目は銀色、背中にはグリフォンとしての名残か背中に翼、おしりにライオンの尻尾があった
「…お前さん男だったんだな」
「いや、我は幻獣だからな
明確な性別などないのだ、言ってしまえば幻獣は皆両性と思ってくれて良い」
見た目がショタなのにこの口調
何か物凄くシュールである
「うん、なんかさ
凄いさらっととんでもないこと聞いたけどとりあえず……これ着といてくれ」
カンはそう言ってマジックポーチを漁ると
自身の替えの服をグリフォンに渡す
「……服か」
「どうした?」
グリフォンは嫌そうな顔でカンの差し出す服を見て
受け取ろうとしない
「我は服など好まん、このままで良い」
「……そのままの状態で街に入る気ならまず無理だし
俺がお前をはっ倒すからな?」
「なんでっ!?」
理不尽だ!と言いたげな顔をしているグリフォンに対し
カンはため息を吐きながらゆっくり口を開いて指摘していく
「…いや、だってお前全裸じゃん」
そう、人化したショタグリフォンは全裸だったのだ
◆
「うっうっ……だって服って締め付けられる感覚がして嫌なんだ……元々野生なんだからそのくらいの気を酌んでくれても良いじゃないか……」
「ダメです、例え俺から許可を得れたとしても法が許しません」
木の根の部分に体育座りしながら地面にのの字を書くグリフォン
しかしそんなのお構い無しにカンはズバッとぶった切る
「はぁ…この服、魔術の付与で着た奴の体型に最適な大きさになるようにしたやつだから…とりあえず着てくれ
このままじゃ何時まで経っても進まねぇぞ?」
「うぅううう……」
グリフォンは本当に渋々、と言った様子で服を着る
少しして着終わると思ったより着心地が良かったのか目をパチクリしてた
「前に感じた締め付けとかは無いな…
それに、素材もだいぶ……ゴワゴワしてないし」
「だろ?」
グリフォンは少しだけ上機嫌なのかステップを踏みそうな程足取りが軽い
「なるほど、確かに馴れれば服と言うのは中々良いかも知れんな」
グリフォンはカンの周りをクルクルと回りながら楽しそうに笑ってる
「あぁ、何か喜んでくれたなら良かったよ……」
カンはカンで疲れたといった様子をしており
軽くため息を吐きながらグリフォンの頭を撫でる
当のグリフォンは頭を撫でられたのが嬉しいのか目を細めていた
「あぁ、そうだ人の子よ
我は人間としての名前が欲しいのだが…」
ふとグリフォンがそうカンへ言う
カンは撫でる手を止めて、確かに 名前が無ければ色々不便だなぁ と考える
「じゃあそうだな……グリフォンだから…
グリフ…はダサいな……リオン…うん、リオンにしよう」
「リオン…そうか、我の名はリオンか
…リオン……えへへ」
少し考えて候補を二つ、安直に【グリフ】か【リオン】のどちからで考えたが
グリフだと少しイカツイしダサい感じがしたのでリオンに決定
名づけられた当のグリフォン…【リオン】は気に入ったのか何度も呟きながらその顔は笑顔だ
「よし、名前も決め終わった所で…さっさと帰るとするぞ
まだ今日の宿も決まってねぇんだ」
「おお、それは急がんとな……
……そう言えば御主の名は?」
グリフォンを急かそうとしたときに
返ってきたその言葉で、カンは初めてまだ自分から名のって無いことに気づいた
「あー…俺の名前はカンだ
悪ぃな、すっかり言い忘れてたみたいだ」
「なるほど、御主はカンと言う名だったのか
なんと呼べば良いのかな?」
「別に好きに呼べよ」
「じゃぁ……____」
◆
一方、冒険者ギルドでは
昔話に興じていた四人、ゴルギ、スーオ、リサ、ロアだったが
日も暮れ始めた頃になると少しカン本人が来るのが遅くないか?と思い始める
(まさか、【無冠の帝王】すら破る魔物が出た……?)
ゴルギ、リサ、ロアの三人はその最悪な想像に思考が持っていかれる
だが、そんな次の瞬間
キィ…
ギルドの扉が開かれる
「!」
四人が一斉扉の方を向くと
丁度心配していたカンの姿と……行くときはいなかった白髪の小さな男の子だった
_____________________◆
あとがき
どうも皆様こんにちわ
ちくわでございます
まさかの編集中に寝落ちして昨日の投稿を逃してしまいました
本当に申し訳ありません
さて、今回のストーリーでは遂にグリフォンの人化と名前について明記しました
なんでグリフォンの性別が男なんだよ!って思うかもしれませんが
ちょっとテンプレだから面白くないかな?って思ったのと、幻獣は両性って設定にしたので不満が出ればいつでも女に切り替えられます(ゲス思考)
まぁそれは置いておいて、第一章のストーリーも残り僅か!
一章が終了するまではなるべく毎日更新でやっていきます!!
_____________________◆
ギルドへ報告のため一路街への道を向かっていた
「…なぁ、グリフォン……
……お前さんもっとコンパクトにはならんのかねぇ?」
『あぁ……それなら』
カンに言われたグリフォンは一度足を止める
するとその巨体が光に包まれた
光に包まれたグリフォンの身体はどんどん縮んでいき
そして少しして光が収まると
「ふむ、これで良いかな?」
130㎝程のショタがそこに立っていたのである
綺麗な白髪に目は銀色、背中にはグリフォンとしての名残か背中に翼、おしりにライオンの尻尾があった
「…お前さん男だったんだな」
「いや、我は幻獣だからな
明確な性別などないのだ、言ってしまえば幻獣は皆両性と思ってくれて良い」
見た目がショタなのにこの口調
何か物凄くシュールである
「うん、なんかさ
凄いさらっととんでもないこと聞いたけどとりあえず……これ着といてくれ」
カンはそう言ってマジックポーチを漁ると
自身の替えの服をグリフォンに渡す
「……服か」
「どうした?」
グリフォンは嫌そうな顔でカンの差し出す服を見て
受け取ろうとしない
「我は服など好まん、このままで良い」
「……そのままの状態で街に入る気ならまず無理だし
俺がお前をはっ倒すからな?」
「なんでっ!?」
理不尽だ!と言いたげな顔をしているグリフォンに対し
カンはため息を吐きながらゆっくり口を開いて指摘していく
「…いや、だってお前全裸じゃん」
そう、人化したショタグリフォンは全裸だったのだ
◆
「うっうっ……だって服って締め付けられる感覚がして嫌なんだ……元々野生なんだからそのくらいの気を酌んでくれても良いじゃないか……」
「ダメです、例え俺から許可を得れたとしても法が許しません」
木の根の部分に体育座りしながら地面にのの字を書くグリフォン
しかしそんなのお構い無しにカンはズバッとぶった切る
「はぁ…この服、魔術の付与で着た奴の体型に最適な大きさになるようにしたやつだから…とりあえず着てくれ
このままじゃ何時まで経っても進まねぇぞ?」
「うぅううう……」
グリフォンは本当に渋々、と言った様子で服を着る
少しして着終わると思ったより着心地が良かったのか目をパチクリしてた
「前に感じた締め付けとかは無いな…
それに、素材もだいぶ……ゴワゴワしてないし」
「だろ?」
グリフォンは少しだけ上機嫌なのかステップを踏みそうな程足取りが軽い
「なるほど、確かに馴れれば服と言うのは中々良いかも知れんな」
グリフォンはカンの周りをクルクルと回りながら楽しそうに笑ってる
「あぁ、何か喜んでくれたなら良かったよ……」
カンはカンで疲れたといった様子をしており
軽くため息を吐きながらグリフォンの頭を撫でる
当のグリフォンは頭を撫でられたのが嬉しいのか目を細めていた
「あぁ、そうだ人の子よ
我は人間としての名前が欲しいのだが…」
ふとグリフォンがそうカンへ言う
カンは撫でる手を止めて、確かに 名前が無ければ色々不便だなぁ と考える
「じゃあそうだな……グリフォンだから…
グリフ…はダサいな……リオン…うん、リオンにしよう」
「リオン…そうか、我の名はリオンか
…リオン……えへへ」
少し考えて候補を二つ、安直に【グリフ】か【リオン】のどちからで考えたが
グリフだと少しイカツイしダサい感じがしたのでリオンに決定
名づけられた当のグリフォン…【リオン】は気に入ったのか何度も呟きながらその顔は笑顔だ
「よし、名前も決め終わった所で…さっさと帰るとするぞ
まだ今日の宿も決まってねぇんだ」
「おお、それは急がんとな……
……そう言えば御主の名は?」
グリフォンを急かそうとしたときに
返ってきたその言葉で、カンは初めてまだ自分から名のって無いことに気づいた
「あー…俺の名前はカンだ
悪ぃな、すっかり言い忘れてたみたいだ」
「なるほど、御主はカンと言う名だったのか
なんと呼べば良いのかな?」
「別に好きに呼べよ」
「じゃぁ……____」
◆
一方、冒険者ギルドでは
昔話に興じていた四人、ゴルギ、スーオ、リサ、ロアだったが
日も暮れ始めた頃になると少しカン本人が来るのが遅くないか?と思い始める
(まさか、【無冠の帝王】すら破る魔物が出た……?)
ゴルギ、リサ、ロアの三人はその最悪な想像に思考が持っていかれる
だが、そんな次の瞬間
キィ…
ギルドの扉が開かれる
「!」
四人が一斉扉の方を向くと
丁度心配していたカンの姿と……行くときはいなかった白髪の小さな男の子だった
_____________________◆
あとがき
どうも皆様こんにちわ
ちくわでございます
まさかの編集中に寝落ちして昨日の投稿を逃してしまいました
本当に申し訳ありません
さて、今回のストーリーでは遂にグリフォンの人化と名前について明記しました
なんでグリフォンの性別が男なんだよ!って思うかもしれませんが
ちょっとテンプレだから面白くないかな?って思ったのと、幻獣は両性って設定にしたので不満が出ればいつでも女に切り替えられます(ゲス思考)
まぁそれは置いておいて、第一章のストーリーも残り僅か!
一章が終了するまではなるべく毎日更新でやっていきます!!
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