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第一章 パーティをクビになりました。
5.ギルド長との対談
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_____________________◆
前書き
日刊hotランキング1位!
日刊ランキング3位!!
皆様本当にありがとうございます!!
そしてたまにはカン側オンリーのお話で行きます
_____________________◆
≪本編≫
……さっきはテンプレにはテンプレ通り返せば良いと言ったな?
……ありゃ嘘だ
「さて、この度の騒ぎは
いったい何があったのか聞かせてもらって構わんな?」
「ははっ……はぁ…」
深くため息を吐きながら
カンは相対する相手……ギルド長である壮年の男を見る
「……」
「……」
二人の視線がぶつかり合う
が、お互い沈黙を保ったままだ
(視線が痛いな……)
どうした物か、とカンはギルド長をチラ見する
だが向うは向こうでこちらの出方を伺っているのか
何も言って来ないのが不気味だったりする
(…話さないと終わらない系か?)
面倒だ、とカンは項垂れながら
話さないと終わらないのだろうと
渋々口を開く
「…まぁ、その……
あれですわ…絡まれて腹立ったからヤっちゃったぜ☆」
「……」
カンから帰ってきた酷く簡素な回答に
ギルド長はそっと自身の頭を抑えた
「…どうやら、うちの支部は狂犬を入れてしまったようだな……
…しかし、アイツ等は新人に絡むと言う問題行動はあったが
Bランクへ昇格間近な実力者達だった筈だが……お前、ランク幾つだ?」
まさかの狂犬扱いに内心で 失礼な! と思いながら
討伐の手柄など、気づかれないように手助けしていた程度のカンには皆無な為
自身のランクは結構低いこと位しか分からない
「…Dですね」
カンはポケットからギルドカードを取り出して
自身のランクを確認してからギルド長に伝える
ちなみに冒険者のランクは下からF→E→D→C→B→A→S→SS→SSSである
確か勇者レオはSランクであり、他のメンバーはAランクだった筈だ
そしてカンがレオからクビ宣言されたワイバーンの群れとの対決
あれは単体がAランク寄りのBであるワイバーンの群れだったのでSランクの依頼だった
「はぁ……」
するとランクを聞いて
今度はギルド長が深いため息を吐いた
「…Bランク間近……いや
ほぼBランクの冒険者を瞬殺した奴がD……?」
「あ、いや…
……なんかすいません」
ブツブツと小言のように何かを呟き、自分の世界へ入ってしまったギルド長に対し
カンは自分でもよくわからない謝罪をする
それが端から見て 弱くてごめんなさい と言っているように見えて凄くシュールであった
◆
少し時間を置いて
自分の世界から帰ってきたギルド長は軽くカンへ謝罪を入れる
「取り乱してしまって悪かったな」
「いえいえ、お気になさらず」
本当はまだ今日の宿すら決まって無いので
この後の予定を考えれば早く帰して欲しいのだが
別に冒険者ギルドに喧嘩売りたいわけでもないので
黙って社交辞令に勤しむカン
「さぁ、それでは本題に戻してお前の事について…だが
どうやら被害者の方だから特にこれと言った罰則は無し…
ただ…そうだな、お前の実力は相当な物と期待できそうだから
ランクはすっ飛ばしてBランクに書き換えだ」
「……ん?」
カンはギルド長の言葉に引っ掛かりを覚える
罰則が無いのは全然良い
これで自他共に自分は被害者側な訳だから
万が一にも自分が糾弾されることは無いだろう
問題はその次
そう、昇級についてだ
確かC→Bに上がる時に本当に実力があるのか、と昇級審査があった筈だ
ちなみにレオはこのC→Bへの昇級審査に4回落ちてる
可哀想になったカンが依頼などの魔物を気づかれないように瀕死にしてレオに狩らせ
高速レベリングさせて合格させたのだ
その事が未だに効いてるのか昇級前は必ずレオはレベリングを行ってたな
と、カンは軽く思い出し笑いする
(受かった時のレオのドヤ顔は気持ち悪いったらなかったなぁ…
あれはお腹一杯すぎて胃が凭れるかと思ったぜ)
まぁ蓋を開けてしまえばカンが手伝ったから成し得た結果に過ぎず
自らの力で這い上がったカン側からすれば 自意識過剰の勘違い乙w 程度で片付いてしまうのだ
しかし、現状の問題はカン自身についての物
別にランク自体上がるのは一向に構わないし
どれだけランクが上がろうがやっていける自信も力もあるのだ
だが、こんな簡単に上がって良いものなのか?とカンは疑問に思う
「……いや、昇級させて貰えるって気持ちは嬉しいんですが
それだと下の者に示しがつかんでしょう?」
だからあくまでもオブラートに包んでカンは昇級を辞退しようとする
が、それをギルド長が阻止しに掛かる
「いやいや、逆にお前みたいな実力者を低ランクにしてたら他の新人達の食扶持が減るだろうが」
「……ぐぅ」
ごもっともなギルド長の言い分に
良い言い訳も考えつかず
遂にカンはぐうの音まで出てしまうのだった
前書き
日刊hotランキング1位!
日刊ランキング3位!!
皆様本当にありがとうございます!!
そしてたまにはカン側オンリーのお話で行きます
_____________________◆
≪本編≫
……さっきはテンプレにはテンプレ通り返せば良いと言ったな?
……ありゃ嘘だ
「さて、この度の騒ぎは
いったい何があったのか聞かせてもらって構わんな?」
「ははっ……はぁ…」
深くため息を吐きながら
カンは相対する相手……ギルド長である壮年の男を見る
「……」
「……」
二人の視線がぶつかり合う
が、お互い沈黙を保ったままだ
(視線が痛いな……)
どうした物か、とカンはギルド長をチラ見する
だが向うは向こうでこちらの出方を伺っているのか
何も言って来ないのが不気味だったりする
(…話さないと終わらない系か?)
面倒だ、とカンは項垂れながら
話さないと終わらないのだろうと
渋々口を開く
「…まぁ、その……
あれですわ…絡まれて腹立ったからヤっちゃったぜ☆」
「……」
カンから帰ってきた酷く簡素な回答に
ギルド長はそっと自身の頭を抑えた
「…どうやら、うちの支部は狂犬を入れてしまったようだな……
…しかし、アイツ等は新人に絡むと言う問題行動はあったが
Bランクへ昇格間近な実力者達だった筈だが……お前、ランク幾つだ?」
まさかの狂犬扱いに内心で 失礼な! と思いながら
討伐の手柄など、気づかれないように手助けしていた程度のカンには皆無な為
自身のランクは結構低いこと位しか分からない
「…Dですね」
カンはポケットからギルドカードを取り出して
自身のランクを確認してからギルド長に伝える
ちなみに冒険者のランクは下からF→E→D→C→B→A→S→SS→SSSである
確か勇者レオはSランクであり、他のメンバーはAランクだった筈だ
そしてカンがレオからクビ宣言されたワイバーンの群れとの対決
あれは単体がAランク寄りのBであるワイバーンの群れだったのでSランクの依頼だった
「はぁ……」
するとランクを聞いて
今度はギルド長が深いため息を吐いた
「…Bランク間近……いや
ほぼBランクの冒険者を瞬殺した奴がD……?」
「あ、いや…
……なんかすいません」
ブツブツと小言のように何かを呟き、自分の世界へ入ってしまったギルド長に対し
カンは自分でもよくわからない謝罪をする
それが端から見て 弱くてごめんなさい と言っているように見えて凄くシュールであった
◆
少し時間を置いて
自分の世界から帰ってきたギルド長は軽くカンへ謝罪を入れる
「取り乱してしまって悪かったな」
「いえいえ、お気になさらず」
本当はまだ今日の宿すら決まって無いので
この後の予定を考えれば早く帰して欲しいのだが
別に冒険者ギルドに喧嘩売りたいわけでもないので
黙って社交辞令に勤しむカン
「さぁ、それでは本題に戻してお前の事について…だが
どうやら被害者の方だから特にこれと言った罰則は無し…
ただ…そうだな、お前の実力は相当な物と期待できそうだから
ランクはすっ飛ばしてBランクに書き換えだ」
「……ん?」
カンはギルド長の言葉に引っ掛かりを覚える
罰則が無いのは全然良い
これで自他共に自分は被害者側な訳だから
万が一にも自分が糾弾されることは無いだろう
問題はその次
そう、昇級についてだ
確かC→Bに上がる時に本当に実力があるのか、と昇級審査があった筈だ
ちなみにレオはこのC→Bへの昇級審査に4回落ちてる
可哀想になったカンが依頼などの魔物を気づかれないように瀕死にしてレオに狩らせ
高速レベリングさせて合格させたのだ
その事が未だに効いてるのか昇級前は必ずレオはレベリングを行ってたな
と、カンは軽く思い出し笑いする
(受かった時のレオのドヤ顔は気持ち悪いったらなかったなぁ…
あれはお腹一杯すぎて胃が凭れるかと思ったぜ)
まぁ蓋を開けてしまえばカンが手伝ったから成し得た結果に過ぎず
自らの力で這い上がったカン側からすれば 自意識過剰の勘違い乙w 程度で片付いてしまうのだ
しかし、現状の問題はカン自身についての物
別にランク自体上がるのは一向に構わないし
どれだけランクが上がろうがやっていける自信も力もあるのだ
だが、こんな簡単に上がって良いものなのか?とカンは疑問に思う
「……いや、昇級させて貰えるって気持ちは嬉しいんですが
それだと下の者に示しがつかんでしょう?」
だからあくまでもオブラートに包んでカンは昇級を辞退しようとする
が、それをギルド長が阻止しに掛かる
「いやいや、逆にお前みたいな実力者を低ランクにしてたら他の新人達の食扶持が減るだろうが」
「……ぐぅ」
ごもっともなギルド長の言い分に
良い言い訳も考えつかず
遂にカンはぐうの音まで出てしまうのだった
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