60 / 127
第一章 《英雄(不本意)の誕生編》
第60話 英雄(本人自覚無し)の帰還
しおりを挟む
《リクス視点》
――闇の中を彷徨っていた意識が、ゆっくりと覚醒する。
「……ここは?」
目が覚めると、知らない青白い天井が広がっていた。
何やら天井にカーテンレールが見え、左側にはオレンジ色の夕日が温かく差し込む窓がある。
どうやら俺は、どこかのベッドに寝かされているらしかった。
視線を右に横滑りさせると、緩くカーブのかかったブロンドの髪を持つ少女が目に入る。その少女は、瞬き一つせず俺の方を凝視していたが、みるみるうちにガーネット・ピンクの瞳に涙を一杯に浮かべ始める。
「り、リクスくん! よかったぁ~、本当に良かったよぉ~! うぇ~ん!」
「ちょ、え!? は!?」
と、いきなりその少女――フランが泣き出してしまった。
あまりに唐突すぎて、俺の理解が追いつかない。
ていうか、なんか見たことあるぞ、似たような景色!?
俺は、感動のあまり泣き上戸になったどっかのバカ姉を想起して――
「い、いきなりどうしたのフラン……あ!」
「騒々しい。リクスさんが起きてしまいますわ……って、起きていましたわ!?」
カーテンの向こうから、見慣れた二人がやってきた。
サルムとサリィだ。
「先生、リクスが起きました」
サルムは嬉しそうに頬を緩めたあと、後ろを振り返って誰かに伝える。
すると、カーテンの向こうから、くぐもった声で「は~いはい」と声が聞こえてきた。
先生、と言うからにはここは学校らしい。
よく見れば、カーテンの端に「保健室診療台01」と書かれている。
確か俺は、地下でよくわかんないバケモノと戦って、逃げようとする副校長先生を取り押さえて……魔剣を使った反動で倒れたんだっけか。
とすると、俺はフラン達によってここまで運ばれてきたと考えるのが自然だ。
俺は毛布をどけて、上体を起こした。
「だ、ダメですよリクスさん。まだ寝てないと!」
身体を起こした俺を、フランが慌てて止める。
「いや、大丈夫。魔剣を使った代償で、睡魔に襲われただけだから。もうへーき。ここまで運んできてくれたんだろ? ありがとうな」
「ど、どういたしまして……」
フランは照れたように、しゅんとする。
「やあやあ、起きたかい少年?」
ふと、ハスキーな声が聞こえてきた。
カーテンを開けて入ってきたのは……リクスが横たわっているベッドから少し顔が飛び出るくらいの身長しかない、見た目8歳くらいの少女だった。
その少女が、「ほら、やじ馬は退いた退いた」とフラン達を手で払いのけ、側にあった小さな脚立をベッドの脇に下ろすと、それを登る。
最上段に上がると、丁度上体を起こした俺と視線の高さがあうくらい、なんというかちんまい人だった。
「え……なんでチビッ子がここに? ここ保健室……だよなぁ? もしかして迷子?」
「ドクターチョ~ップ、てぇい!」
バシンッ! と、俺の額にお星様が弾けた。
「い、痛ぁ~!」
「おのれ誰がチビッ子か! あっちはラマンダルス王立英雄学校の保険医、ルチル=マーベック天才魔法医だ!」
「ふぅん。天才魔法医……ねぇ」
俺は、まじまじとその姿を見る。
亜麻色の長髪のてっぺんから生えるアホ毛。とりあえず買ってみたような丸めがね。そして……着るというよりむしろ着られてるダボダボの白衣。
これのどこが……
「ドクターチョップ!」
「いでぇ!」
「あんた、また失礼なこと考えてただろ!」
「か、考えてましぇん……」
じんじんと痛む額を抑えながら、俺は答える。
バレていたらしい。
「リクス。彼女はこう見えても本学校が誇る回復魔法の権威なんだよ。僕が学ぼうとしている、病気も治せる超級魔法だって使えるんだ。見た目に反して凄腕の大人なんだよ」
サルムは、どこか憧れを抱く少年のようなキラキラした目で、彼女のことを語る。
あーそういや彼は、回復魔法の使い手になりたいんだっけか。
と、サルムの褒め言葉を聞いて有頂天になったのか、年齢不詳の見た目無免許医が、ふんすと薄い胸を張った。
「ふふん、そういうことさ。あっちは、凄い魔法医なんだよ。跪くがいい、はっはっはー!」
どうでもいいけど、地味にサルムが失礼なことを言っているのに気付いていないようだ。
意外と単純な頭の構造をしているのかもしれない。
そう思った瞬間、勘だけは妙に鋭い彼女からチョップが飛んで来たのは言うまでもない。
――。
「あ、そうそう。あんたエルザ生徒会長の弟だろう?」
俺の触診を終えて(どうやら、ザックリ斬られた傷を治してくれたのも彼女らしい。本当に凄腕だった)、ルチル先生は思いだしたようにそう切り出した。
診察があるからと保健室を追い出されたフラン達は、「じゃあね」と告げて先に帰っていった。
もう夕方だし、今日の学内決勝大会は終わったのだろうか?
そう思う俺だったが、そもそも想定外の召喚獣襲撃というトラブルで、ひとまず中止になったことなど知るよしもない。
だって、ただのサプライズイベントだと未だに誤認しているのだから。
「そうですけど、それが何か」
「あんたが寝てる間、保健室で治療を受けていったけど、相当傷付いていたよ。後処理があるとかなんとか言って、最低限の治療と魔力回復施術だけ受けて出てったけど……何かあったのかい?」
「さあ……」
俺は、首を傾げる。
姉さんの分身とは戦ったけど、それ以外は何もしていない。
「まあいいさ。今日は昼間もいろいろあったみたいだからね。今日一日で何人治療したか……」
ルチル先生は、見た目的に凝りそうにない肩を回しながら毒突く。
昼間というと、学内決勝大会とか、サプライズイベントか。怪我をした人が何人かいても不思議じゃない。
「何が起きたかはあっちも知らんけど……ひょっとしたら明日、全校集会でとんでもないことが知らされるかもしれないね」
「はぁ……」
俺は曖昧に答えるしかない。当然、全校集会を行う理由など思いつかないからだ。
そして――翌日に行われることになる臨時全校集会で、俺は退学はおろか、とんでもないことを耳にすることとなる。
――闇の中を彷徨っていた意識が、ゆっくりと覚醒する。
「……ここは?」
目が覚めると、知らない青白い天井が広がっていた。
何やら天井にカーテンレールが見え、左側にはオレンジ色の夕日が温かく差し込む窓がある。
どうやら俺は、どこかのベッドに寝かされているらしかった。
視線を右に横滑りさせると、緩くカーブのかかったブロンドの髪を持つ少女が目に入る。その少女は、瞬き一つせず俺の方を凝視していたが、みるみるうちにガーネット・ピンクの瞳に涙を一杯に浮かべ始める。
「り、リクスくん! よかったぁ~、本当に良かったよぉ~! うぇ~ん!」
「ちょ、え!? は!?」
と、いきなりその少女――フランが泣き出してしまった。
あまりに唐突すぎて、俺の理解が追いつかない。
ていうか、なんか見たことあるぞ、似たような景色!?
俺は、感動のあまり泣き上戸になったどっかのバカ姉を想起して――
「い、いきなりどうしたのフラン……あ!」
「騒々しい。リクスさんが起きてしまいますわ……って、起きていましたわ!?」
カーテンの向こうから、見慣れた二人がやってきた。
サルムとサリィだ。
「先生、リクスが起きました」
サルムは嬉しそうに頬を緩めたあと、後ろを振り返って誰かに伝える。
すると、カーテンの向こうから、くぐもった声で「は~いはい」と声が聞こえてきた。
先生、と言うからにはここは学校らしい。
よく見れば、カーテンの端に「保健室診療台01」と書かれている。
確か俺は、地下でよくわかんないバケモノと戦って、逃げようとする副校長先生を取り押さえて……魔剣を使った反動で倒れたんだっけか。
とすると、俺はフラン達によってここまで運ばれてきたと考えるのが自然だ。
俺は毛布をどけて、上体を起こした。
「だ、ダメですよリクスさん。まだ寝てないと!」
身体を起こした俺を、フランが慌てて止める。
「いや、大丈夫。魔剣を使った代償で、睡魔に襲われただけだから。もうへーき。ここまで運んできてくれたんだろ? ありがとうな」
「ど、どういたしまして……」
フランは照れたように、しゅんとする。
「やあやあ、起きたかい少年?」
ふと、ハスキーな声が聞こえてきた。
カーテンを開けて入ってきたのは……リクスが横たわっているベッドから少し顔が飛び出るくらいの身長しかない、見た目8歳くらいの少女だった。
その少女が、「ほら、やじ馬は退いた退いた」とフラン達を手で払いのけ、側にあった小さな脚立をベッドの脇に下ろすと、それを登る。
最上段に上がると、丁度上体を起こした俺と視線の高さがあうくらい、なんというかちんまい人だった。
「え……なんでチビッ子がここに? ここ保健室……だよなぁ? もしかして迷子?」
「ドクターチョ~ップ、てぇい!」
バシンッ! と、俺の額にお星様が弾けた。
「い、痛ぁ~!」
「おのれ誰がチビッ子か! あっちはラマンダルス王立英雄学校の保険医、ルチル=マーベック天才魔法医だ!」
「ふぅん。天才魔法医……ねぇ」
俺は、まじまじとその姿を見る。
亜麻色の長髪のてっぺんから生えるアホ毛。とりあえず買ってみたような丸めがね。そして……着るというよりむしろ着られてるダボダボの白衣。
これのどこが……
「ドクターチョップ!」
「いでぇ!」
「あんた、また失礼なこと考えてただろ!」
「か、考えてましぇん……」
じんじんと痛む額を抑えながら、俺は答える。
バレていたらしい。
「リクス。彼女はこう見えても本学校が誇る回復魔法の権威なんだよ。僕が学ぼうとしている、病気も治せる超級魔法だって使えるんだ。見た目に反して凄腕の大人なんだよ」
サルムは、どこか憧れを抱く少年のようなキラキラした目で、彼女のことを語る。
あーそういや彼は、回復魔法の使い手になりたいんだっけか。
と、サルムの褒め言葉を聞いて有頂天になったのか、年齢不詳の見た目無免許医が、ふんすと薄い胸を張った。
「ふふん、そういうことさ。あっちは、凄い魔法医なんだよ。跪くがいい、はっはっはー!」
どうでもいいけど、地味にサルムが失礼なことを言っているのに気付いていないようだ。
意外と単純な頭の構造をしているのかもしれない。
そう思った瞬間、勘だけは妙に鋭い彼女からチョップが飛んで来たのは言うまでもない。
――。
「あ、そうそう。あんたエルザ生徒会長の弟だろう?」
俺の触診を終えて(どうやら、ザックリ斬られた傷を治してくれたのも彼女らしい。本当に凄腕だった)、ルチル先生は思いだしたようにそう切り出した。
診察があるからと保健室を追い出されたフラン達は、「じゃあね」と告げて先に帰っていった。
もう夕方だし、今日の学内決勝大会は終わったのだろうか?
そう思う俺だったが、そもそも想定外の召喚獣襲撃というトラブルで、ひとまず中止になったことなど知るよしもない。
だって、ただのサプライズイベントだと未だに誤認しているのだから。
「そうですけど、それが何か」
「あんたが寝てる間、保健室で治療を受けていったけど、相当傷付いていたよ。後処理があるとかなんとか言って、最低限の治療と魔力回復施術だけ受けて出てったけど……何かあったのかい?」
「さあ……」
俺は、首を傾げる。
姉さんの分身とは戦ったけど、それ以外は何もしていない。
「まあいいさ。今日は昼間もいろいろあったみたいだからね。今日一日で何人治療したか……」
ルチル先生は、見た目的に凝りそうにない肩を回しながら毒突く。
昼間というと、学内決勝大会とか、サプライズイベントか。怪我をした人が何人かいても不思議じゃない。
「何が起きたかはあっちも知らんけど……ひょっとしたら明日、全校集会でとんでもないことが知らされるかもしれないね」
「はぁ……」
俺は曖昧に答えるしかない。当然、全校集会を行う理由など思いつかないからだ。
そして――翌日に行われることになる臨時全校集会で、俺は退学はおろか、とんでもないことを耳にすることとなる。
94
お気に入りに追加
420
あなたにおすすめの小説
いずれ殺される悪役モブに転生した俺、死ぬのが嫌で努力したら規格外の強さを手に入れたので、下克上してラスボスを葬ってやります!
果 一
ファンタジー
二人の勇者を主人公に、ブルガス王国のアリクレース公国の大戦を描いた超大作ノベルゲーム『国家大戦・クライシス』。ブラック企業に勤務する久我哲也は、日々の疲労が溜まっている中、そのゲームをやり込んだことにより過労死してしまう。
次に目が覚めたとき、彼はゲーム世界のカイム=ローウェンという名の少年に生まれ変わっていた。ところが、彼が生まれ変わったのは、勇者でもラスボスでもなく、本編に名前すら登場しない悪役サイドのモブキャラだった!
しかも、本編で配下達はラスボスに利用されたあげく、見限られて殺されるという運命で……?
「ちくしょう! 死んでたまるか!」
カイムは、殺されないために努力することを決める。
そんな努力の甲斐あってか、カイムは規格外の魔力と実力を手にすることとなり、さらには原作知識で次々と殺される運命だった者達を助け出して、一大勢力の頭へと駆け上る!
これは、死ぬ運命だった悪役モブが、最凶へと成り上がる物語だ。
本作は小説家になろう、カクヨムでも公開しています
他サイトでのタイトルは、『いずれ殺される悪役モブに転生した俺、死ぬのが嫌で努力したら規格外の強さを手に入れたので、下克上してラスボスを葬ってやります!~チート魔法で無双してたら、一大勢力を築き上げてしまったんだが~』となります
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
スキルを極めろ!
アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作
何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める!
神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。
不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。
異世界でジンとして生きていく。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる