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恋敵登場-ミナトside-
新入生(1)
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恋敵は高校1年生で同じサッカー部のユウジだ。
サッカーのテクニックは悔しいけど俺よりも上で、タカシと同じAチームに所属している。1年生でAチームに選ばれたことで当然、うちのサッカー部では期待のエースとして評判だ。
身体も俺よりも体格も良くパフォーマンスも高い。そして、俺よりも・・・イケメン。サッカー部っぽい体育会系な顔立ちで、ツーブロックがよく似合っている爽やかイケメンだ。
そんなユウジがなぜ恋敵になったかというと、やたらタカシに絡んでいるからだ。
まるで俺とタカシの関係を邪魔するかの如く。
例えば、俺とタカシで自主練習をやろうとすると、必ずユウジも参加させて欲しいと声をかけてくる。もちろん、自主練習だから俺とタカシ、2人っきりでやりたいのに、ユウジはなかなか引いてくれない。タカシもユウジから言い寄られているようで実のところは困っている。
俺とタカシの関係が男女だったら、正々堂々と説明できるのに、男同士の恋愛となると簡単に打ち明けられないのが辛いところだ。
「えー、タカシ先輩ってミナト先輩といつも一緒にいるじゃないですか?ホントのところはデキてるんじゃないですか~?」
ユウジは時々、俺が1人で部室で待っていると、そうやって試してくる。
「えっ!?そんなことある訳ないじゃん。タカシも俺も女の子が好きだよ」
俺はカモフラージュとしてそう答える。
しかし、ユウジは一歩も引かない。
「そうですかね?タカシ先輩もミナト先輩もイケメンで、女子から告白されてるって他の部員から聞いてますよ。なんで付き合わないんすか?」
「今はサッカー部に集中したいからさ。俺だってユウジと同じAチームに入りたいからだよ」
「それはタカシ先輩と一緒に試合に出たいからですよね?」
「一緒に試合に出られたら嬉しいけど、俺だって頑張っているんだから、自分の目標としてAチームに入ってチームに貢献したいんだよ」
「ふ~ん。そうなんですね」
ユウジは俺に対して疑いの眼差しを向ける。
「何だよ、ユウジ。その目は?」
「俺、タカシ先輩のこと、ぶっちゃけ気になってます。それは先輩としてじゃなく、恋人として。そして、そこに邪魔になっているのがミナト先輩なんです。だから、これ以上、タカシ先輩に近づかないでください」
俺は突然の宣戦布告に驚いた。
俺はタカシと付き合っていることを隠しているのに、ユウジは自分はゲイであることを俺に対して告白している。さらに、タカシのことを狙っていることも打ち明けたのだ。
俺はなんて答えたら良いかわからず、ユウジと視線を合わせたまま無言になった。
その瞬間、部室のドアが開いた。
サッカーのテクニックは悔しいけど俺よりも上で、タカシと同じAチームに所属している。1年生でAチームに選ばれたことで当然、うちのサッカー部では期待のエースとして評判だ。
身体も俺よりも体格も良くパフォーマンスも高い。そして、俺よりも・・・イケメン。サッカー部っぽい体育会系な顔立ちで、ツーブロックがよく似合っている爽やかイケメンだ。
そんなユウジがなぜ恋敵になったかというと、やたらタカシに絡んでいるからだ。
まるで俺とタカシの関係を邪魔するかの如く。
例えば、俺とタカシで自主練習をやろうとすると、必ずユウジも参加させて欲しいと声をかけてくる。もちろん、自主練習だから俺とタカシ、2人っきりでやりたいのに、ユウジはなかなか引いてくれない。タカシもユウジから言い寄られているようで実のところは困っている。
俺とタカシの関係が男女だったら、正々堂々と説明できるのに、男同士の恋愛となると簡単に打ち明けられないのが辛いところだ。
「えー、タカシ先輩ってミナト先輩といつも一緒にいるじゃないですか?ホントのところはデキてるんじゃないですか~?」
ユウジは時々、俺が1人で部室で待っていると、そうやって試してくる。
「えっ!?そんなことある訳ないじゃん。タカシも俺も女の子が好きだよ」
俺はカモフラージュとしてそう答える。
しかし、ユウジは一歩も引かない。
「そうですかね?タカシ先輩もミナト先輩もイケメンで、女子から告白されてるって他の部員から聞いてますよ。なんで付き合わないんすか?」
「今はサッカー部に集中したいからさ。俺だってユウジと同じAチームに入りたいからだよ」
「それはタカシ先輩と一緒に試合に出たいからですよね?」
「一緒に試合に出られたら嬉しいけど、俺だって頑張っているんだから、自分の目標としてAチームに入ってチームに貢献したいんだよ」
「ふ~ん。そうなんですね」
ユウジは俺に対して疑いの眼差しを向ける。
「何だよ、ユウジ。その目は?」
「俺、タカシ先輩のこと、ぶっちゃけ気になってます。それは先輩としてじゃなく、恋人として。そして、そこに邪魔になっているのがミナト先輩なんです。だから、これ以上、タカシ先輩に近づかないでください」
俺は突然の宣戦布告に驚いた。
俺はタカシと付き合っていることを隠しているのに、ユウジは自分はゲイであることを俺に対して告白している。さらに、タカシのことを狙っていることも打ち明けたのだ。
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その瞬間、部室のドアが開いた。
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