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卑劣で恐怖の練習メニュー(3)
しおりを挟む「残り7球」
先輩が痛みをこらえて球を受ける体勢を取り、間髪入れずに投手が鋭い球を投げた。
あえてのワンバウンドに見えた。
そして、その球は先輩の股間を直撃した。
「うぎゃぁぁぁあぁぁぁぁぁっっ!!!」
先輩は股間を両手で抑えながらその場に倒れた。
それを見ていた捕手たちからは、
「今のはわざとだろ・・・・えげつない試験だ」
「あんなに速いファウルチップを股間に受けたら、これの金玉は潰れるよ・・・」
「あいつ、大丈夫か・・・?特注のファウルカップでも今の球は防ぎようがないはずだ・・・」といった先輩を憐れむ発言が飛び出した。
俺自身も野球人生の中で何度も股間にファウルチップを受けたことがあったが、そのたびに全身から力が抜けて、激痛の走る股間に意識が集中する感覚はどれも同じであった。
特注のファウルカップを製作してもらってからは、実は一度も受けたことはない。
どれだけ俺の大事なチンコと金玉が守られるのかは興味があるが、あの感覚は味わいたいものではない。
ただ、これまでも投手のコントロールはすべて整っていることから、あえて股間にワンバウンドで直撃させたとしか思えない。
だとしたら、先輩も俺と同じ特注のファウルカップを装着してあの苦しむ姿だから・・・きっと俺も・・・。
俺は自分の順番が来た時のことを想像し、ファウルカップに自然と手が動き、そして少しでも衝撃を緩和させようとポジションをユニフォームの上から修正した。
先輩は引き続き、地面に倒れて言葉にならない声を発していた。
そして、コーチが「こいつはダメだな。次!他の候補者はこいつをどけろ!」と言い放った。
怪我人に対しての態度には思えなかった。
俺は真っ先に先輩のもとに駆け寄り、もう一人駆け寄ってきた捕手の肩も借りて、大柄ら先輩を2人掛かりでキャッチャーボックスから出して、一塁側に横にならせた。
「先輩、大丈夫っすか・・・・?」
「大丈夫なわけ・・・・ないじゃん・・・・。特注のファウルカップでも守り切れないな・・・」
先輩は両手で股間を抑えながら消えそうな小声で呟くと、意識を失ってしまった。
あまりの激痛に耐えられなかったのだろう。
アイシングスプレーなんてものはここには無いだろうと思い、股間の腫れが心配になった俺は先輩のユニフォームを脱がそうとベルトに手をかけた。
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