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卑劣で恐怖の練習メニュー(1)
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「それでは練習メニューを発表します。まずは投手の球を受けるキャッチング練習です。投手は彼らが担当します」
そうコーチが言ったとき、20人ほどのスタッフなのか、その1人が手を挙げた。ピッチャーには見えない2mはありそうな大柄な人物だった。まるでメジャーリーガーだ。
更にコーチは話を続ける。
「キャッチング練習ではキャッチャーミットは使用しません。今回はボールを身体で受ける練習です」
その話が出たとき、俺を含めて捕手たちはざわついた。
「そんなことできるわけがない」
「危険すぎる」
「怪我するぞ」
俺ら捕手たちの話を遮るようにコーチは拡声器で話を続ける。
「えー、怪我の話がありますが、怪我が怖くて日本代表の正捕手が務まりますか?この練習では皆さんの度胸を試します。10球を受け止めることができればクリアです。辞退するのであれば、帰ってもらって結構です」
その言葉に、一部の捕手からは「こんな危険な練習に付き合ってらんねーよ」「帰ろうぜ」という話が出てきたが、コーチはそれを遮るかの如く、
「ただ、ここで帰った選手は2度と日本代表に呼ばれることはないでしょうね。また、送り出してくれた球団に対しても・・・どう顔向けするのでしょうか。それは私には分かりません」
なんて卑怯なんだ。
捕手たち全員が静まり返った。
それはそうだ。
今後の日本代表からお呼びがかからないことも十分辛いが、自分の出身球団や出身大学に居辛くなるかもしれない。今後の展開が脳裏をよぎる。
「それでは最初は・・・・威勢の良かった君から。練習は参加で良いかな?」
先輩が指名された。
そして先輩は「よろしくお願いします、コーチ」と言い、ヘルメットを外して頭を下げた。
そうコーチが言ったとき、20人ほどのスタッフなのか、その1人が手を挙げた。ピッチャーには見えない2mはありそうな大柄な人物だった。まるでメジャーリーガーだ。
更にコーチは話を続ける。
「キャッチング練習ではキャッチャーミットは使用しません。今回はボールを身体で受ける練習です」
その話が出たとき、俺を含めて捕手たちはざわついた。
「そんなことできるわけがない」
「危険すぎる」
「怪我するぞ」
俺ら捕手たちの話を遮るようにコーチは拡声器で話を続ける。
「えー、怪我の話がありますが、怪我が怖くて日本代表の正捕手が務まりますか?この練習では皆さんの度胸を試します。10球を受け止めることができればクリアです。辞退するのであれば、帰ってもらって結構です」
その言葉に、一部の捕手からは「こんな危険な練習に付き合ってらんねーよ」「帰ろうぜ」という話が出てきたが、コーチはそれを遮るかの如く、
「ただ、ここで帰った選手は2度と日本代表に呼ばれることはないでしょうね。また、送り出してくれた球団に対しても・・・どう顔向けするのでしょうか。それは私には分かりません」
なんて卑怯なんだ。
捕手たち全員が静まり返った。
それはそうだ。
今後の日本代表からお呼びがかからないことも十分辛いが、自分の出身球団や出身大学に居辛くなるかもしれない。今後の展開が脳裏をよぎる。
「それでは最初は・・・・威勢の良かった君から。練習は参加で良いかな?」
先輩が指名された。
そして先輩は「よろしくお願いします、コーチ」と言い、ヘルメットを外して頭を下げた。
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