50 / 51
修行2日目
那覇ステイ(1)
しおりを挟む
僕が降機するまで藤咲さんに見送られ、ボーディングブリッジに足を下ろした瞬間、僕の名前の書かれたA4用紙を持った地上スタッフが、僕をチケットカウンターに案内してくれる。
藤咲さんに感謝されたので、僕としては感無量だった。
チケットカウンターに着くと、折り返しの便は1時間後に出る、もしくは翌日の便への変更するか、どちらにするか尋ねられる。
今から羽田便に搭乗すると、どうしても帰宅が終電間際になってしまい、最悪の場合は間に合わない。そのリスクを考慮すると、明日の朝の便が良いと判断する。どうせ日曜日ではあるが、特にやることはないので帰宅が明日の日曜になっても問題ない。
「明日の午前便に変更していただけますか?」
「かしこまりました。それでは本日は弊社側にてホテルをご用意させていただきます。バスを出しますので、カウンター前のベンチでお待ちいただけますか?」
「分かりました」
そう言われ、僕の初めての那覇ステイが決まる。
ホテルは航空会社系で那覇市内の中心部にある。国際通りに近い立地だ。ただ、ひとりで飲みに行く性格ではないので、ホテルに入る飲食店、もしくはコンビニ飯を想定した。
ベンチに30分ほど座っていると、僕以外の乗客数名も同じホテルに宿泊するのか、僕と同じようにチケットカウンターで何やら話しをしている。皆、男性一人なので、おそらく修行僧で折り返しの羽田便に搭乗予定だったが、帰宅が間に合わないのでホテルステイに変更したのかと察する。
それ以外の乗客は皆、沖縄旅行を日帰りではなく宿泊で楽しむはずなので、航空会社が手配するホテルに泊まる必要はない。そのため、チケットカウンターを素通りしてゆく。
全員の手続きが終わったのか、地上スタッフが僕らを到着ロビーに案内してくれる。到着ロビーは大混雑で、今日の滑走路閉鎖の影響を各旅行会社や受け入れするホテル側も混乱している様子を感じた。しかし、航空会社の地上スタッフは慣れた様子で僕ら”修行僧”を到着ロビーから離れた出入口へと案内し、外に横付けされたバスへと案内した。
バスには既に何人か乗っている様子が外から分かったので、他の便の乗客もいたのかと思って乗り込む。
するとそこには、先ほどの遅延した便のキャビンアテンダントたちが乗っていたのだ。もちろん、そこには藤咲さんもいた。
藤咲さんに感謝されたので、僕としては感無量だった。
チケットカウンターに着くと、折り返しの便は1時間後に出る、もしくは翌日の便への変更するか、どちらにするか尋ねられる。
今から羽田便に搭乗すると、どうしても帰宅が終電間際になってしまい、最悪の場合は間に合わない。そのリスクを考慮すると、明日の朝の便が良いと判断する。どうせ日曜日ではあるが、特にやることはないので帰宅が明日の日曜になっても問題ない。
「明日の午前便に変更していただけますか?」
「かしこまりました。それでは本日は弊社側にてホテルをご用意させていただきます。バスを出しますので、カウンター前のベンチでお待ちいただけますか?」
「分かりました」
そう言われ、僕の初めての那覇ステイが決まる。
ホテルは航空会社系で那覇市内の中心部にある。国際通りに近い立地だ。ただ、ひとりで飲みに行く性格ではないので、ホテルに入る飲食店、もしくはコンビニ飯を想定した。
ベンチに30分ほど座っていると、僕以外の乗客数名も同じホテルに宿泊するのか、僕と同じようにチケットカウンターで何やら話しをしている。皆、男性一人なので、おそらく修行僧で折り返しの羽田便に搭乗予定だったが、帰宅が間に合わないのでホテルステイに変更したのかと察する。
それ以外の乗客は皆、沖縄旅行を日帰りではなく宿泊で楽しむはずなので、航空会社が手配するホテルに泊まる必要はない。そのため、チケットカウンターを素通りしてゆく。
全員の手続きが終わったのか、地上スタッフが僕らを到着ロビーに案内してくれる。到着ロビーは大混雑で、今日の滑走路閉鎖の影響を各旅行会社や受け入れするホテル側も混乱している様子を感じた。しかし、航空会社の地上スタッフは慣れた様子で僕ら”修行僧”を到着ロビーから離れた出入口へと案内し、外に横付けされたバスへと案内した。
バスには既に何人か乗っている様子が外から分かったので、他の便の乗客もいたのかと思って乗り込む。
するとそこには、先ほどの遅延した便のキャビンアテンダントたちが乗っていたのだ。もちろん、そこには藤咲さんもいた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる