7 / 51
僕が修行僧になったきっかけ
出発~着陸
しおりを挟む
搭乗して10分ほどが経ち、僕が乗った飛行機は動き出した。
エンジンが始動した時は機内に大きな音や振動が響き、何だか緊張する。
飛行機は空港内をグルグルと移動して滑走路へと向かう。
窓からは遠い座席であることから空港内のどこを移動しているのかは全くわからなかった。
更に5分ほど経ち、ようやく飛行機は滑走を始めた。
エンジンが始動した時とは比べ物にならない大きな音と振動を立てて滑走を始めた。
まるでジェットコースターに乗っているような感覚だ。
座席に身体が押し付けられるような感覚の後、ふわりと機体が浮き上がり、僕は初めての空中浮遊を経験した。
身体が慣れてきたのか、重力を感じなくなった頃にシートベルト着用サインが消灯し、飲み物が配られ始めた。
新幹線では自分で駅内の売店でお茶やコーヒーを購入しなければならない一方、機内では無料でアルコール以外の飲み物が配られることはちょっとした魅力に感じた。
僕はアップルジュースを選択し、相変わらず両隣の乗客の態度の大きさに辟易しながら一気に飲み干した。
飛行時間は2時間ほど。
仕事が終わってからの移動だったので、僕は眠りについた。
どんな姿勢や場所でも比較的眠ることのできる点は僕の長所だ。
こんなことくらいしか長所がないのは残念この上ないが、新幹線や飛行機で眠りたくても眠れない話や枕の違う宿泊出張が嫌だという話はよく聞くので、その点は良かったと感じている。
目を覚ました時には、テーブルの上のコップは回収され、テーブルも収納されていた。
そして、シートベルト着用サインが点灯し、窓からは街の明かりが機内に入り込んでいた。
「1時間以上眠っていたのか」
そう感じた瞬間、ドスンという大きな音と共に飛行機は着陸した。
東京から福岡まで2時間ほどということで、新幹線とは大きな時間差をつけている。
そのため、スピードも飛行機のメリットの一つだと感じた。
飛行機がゲートに到着し順番に降機が始まる。
両隣の乗客がテキパキと上の棚を開けてキャリーバッグを取り出し前方へと向かう。
しかし、僕は途切れることのない列にうまく割り込めず、降機は最後の方となった。
降機の途中、ビジネスクラスの横を通過すると、そこに誰もいなかった。
おそらく最初の方に降機したと僕は想像した。
ビジネスクラスの様子を見て驚いたのは、民度が低そうに見えた“跡“だ。
ブランケットがぐちゃぐちゃにされて座席の上に置かれ、床には上質そうに見えるスリッパが散乱していた。
ここまで荒らせる程のアメニティが与えられ、広さも普通席の3倍近くあるように思えた。
そこに座る人というのはお金持ちであるはずなのに、どうしてこんな雑にできるのか不思議だった。
そんな余計なことを考えていると、搭乗時に一目惚れした白い制服の女性がこちらを見ていた。
「ご搭乗ありがとうございました」
この一言でまた僕は藤咲さんに一目惚れしたのだった。
エンジンが始動した時は機内に大きな音や振動が響き、何だか緊張する。
飛行機は空港内をグルグルと移動して滑走路へと向かう。
窓からは遠い座席であることから空港内のどこを移動しているのかは全くわからなかった。
更に5分ほど経ち、ようやく飛行機は滑走を始めた。
エンジンが始動した時とは比べ物にならない大きな音と振動を立てて滑走を始めた。
まるでジェットコースターに乗っているような感覚だ。
座席に身体が押し付けられるような感覚の後、ふわりと機体が浮き上がり、僕は初めての空中浮遊を経験した。
身体が慣れてきたのか、重力を感じなくなった頃にシートベルト着用サインが消灯し、飲み物が配られ始めた。
新幹線では自分で駅内の売店でお茶やコーヒーを購入しなければならない一方、機内では無料でアルコール以外の飲み物が配られることはちょっとした魅力に感じた。
僕はアップルジュースを選択し、相変わらず両隣の乗客の態度の大きさに辟易しながら一気に飲み干した。
飛行時間は2時間ほど。
仕事が終わってからの移動だったので、僕は眠りについた。
どんな姿勢や場所でも比較的眠ることのできる点は僕の長所だ。
こんなことくらいしか長所がないのは残念この上ないが、新幹線や飛行機で眠りたくても眠れない話や枕の違う宿泊出張が嫌だという話はよく聞くので、その点は良かったと感じている。
目を覚ました時には、テーブルの上のコップは回収され、テーブルも収納されていた。
そして、シートベルト着用サインが点灯し、窓からは街の明かりが機内に入り込んでいた。
「1時間以上眠っていたのか」
そう感じた瞬間、ドスンという大きな音と共に飛行機は着陸した。
東京から福岡まで2時間ほどということで、新幹線とは大きな時間差をつけている。
そのため、スピードも飛行機のメリットの一つだと感じた。
飛行機がゲートに到着し順番に降機が始まる。
両隣の乗客がテキパキと上の棚を開けてキャリーバッグを取り出し前方へと向かう。
しかし、僕は途切れることのない列にうまく割り込めず、降機は最後の方となった。
降機の途中、ビジネスクラスの横を通過すると、そこに誰もいなかった。
おそらく最初の方に降機したと僕は想像した。
ビジネスクラスの様子を見て驚いたのは、民度が低そうに見えた“跡“だ。
ブランケットがぐちゃぐちゃにされて座席の上に置かれ、床には上質そうに見えるスリッパが散乱していた。
ここまで荒らせる程のアメニティが与えられ、広さも普通席の3倍近くあるように思えた。
そこに座る人というのはお金持ちであるはずなのに、どうしてこんな雑にできるのか不思議だった。
そんな余計なことを考えていると、搭乗時に一目惚れした白い制服の女性がこちらを見ていた。
「ご搭乗ありがとうございました」
この一言でまた僕は藤咲さんに一目惚れしたのだった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる