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僕が修行僧になったきっかけ

上級会員専用ラウンジ

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20分ほど列に並び手荷物を預け、次に向かったのは保安検査場だ。
危険物を所持していないかをチェックする関所で、ハサミやカッターなど鋭利な刃物が対象であった。僕はその類の物は一切持っていなかったので、そのまま通過することができた。

手荷物検査後は搭乗口と書かれたロビーで1時間ほど待つ。

「早めに空港に着いていたから、時間が余っちゃったなぁ。しょうがないからどこかでコーヒーを買って、明日のプレゼン資料の最終チェックでもしよう」

僕はそう考え、搭乗口近くのカフェを探した。
しかし、あいにく近くには無いようで随分と歩かされた。

その途中、手荷物預入カウンターで見かけた“GOLD“のプレートを再び発見した。
そのプレートの横にはラウンジとの記載があった。

「へぇー、金持ちは専用の待合室があるんだ。中はどうなっているんだろう」

興味をそそられて扉から出てくる人を眺めていると、荷物を預けた後に颯爽と謎の扉に入っていった女性が出てきた。

「なるほど!あそこで荷物を預けた乗客はこのラウンジに入ってくつろいでいるんだ。金持ちの待遇は違うなぁー」




格の違いを見せつけられ、僕はその場を後にし、自分の乗る便の搭乗口からかなり離れたカフェへと入った。

そしてコーヒーを注文しようとした時、価格に驚いた。

「こ、コーヒー1杯が500円!?高い・・・」
観光地価格というワードは知っていたが、空港も同じようにぼったくりの値段になっていることを、この時初めて知った。

キャンセルしてさっきのゲートに戻るのは気が進まなかったため、しょうがなく“高級“コーヒーを注文した。
すぐにレジから提供されたコーヒーは都内の安価なカフェチェーン店で出てくるような見た目と味で、とても500円のクオリティーには達しておらず、場所代と自分に言い聞かせながら資料に目を通した。
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