ゲイのキャビンアテンダントはイケメンリーマンがお好き?

藤咲レン

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Chapter④ 同棲生活 ~タカシside~

ヒロキとシュン(10)

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乾杯の後、最初に口を開いたのはシュンだった。
「さて、今日ははっきりさせておきたいことがあるということで、タカシさんからこの場を設けたいと提案がありました。タカシさんが何を言うかは現恋人の俺すら知りません。さ、勿体振らずにさっさと言ってください、タカシさん?」

そして、シュンとヒロキの視線が俺に集まる。

俺は緊張しつつも、手元にあるビールをグイッと飲み干して、話を始めた。


「まずは・・・俺の曖昧な態度でお二人にはご迷惑をかけてしまい、本当にすみません!」
俺は二人に対して頭を下げた。

そして、頭を上げるとヒロキは突然の謝罪にびっくりしている様子だった。一方で、シュンは腕組みをしながら俺の方を見ている。

俺は話を続けた。

「今、俺が大事にしたいと思っているのは・・・隣に座っているシュンです。色々と考えましたが、やっぱりシュンのことが今でも好きです。なので、ヒロキさん、ごめんなさい!ヒロキさんとは付き合えません」

俺はキッパリと答えた。

すると、ヒロキはうっすらと目に涙を浮かべ始める。
「はい・・・分かりました・・・。ハッキリと振ってくれてありがとうございます・・・」
そう言い残すと、涙が頬を伝わってテーブルに落ちた。

すると、シュンが「店員さん、ビール2杯ください!」と大きな声で言って、オーダーを通した。

そして、今度はシュンが話し始める。
「うちのタカシが優柔不断でごめんなさい。あと、俺とタカシの不仲に巻き込んでしまって悪かったと思っています。だから、今日は二人の奢りにさせてください!もしくはタカシの奢りということで」

「なんで俺の奢りにするんだよ?」

「元々はお前の優柔不断な行動がこうやって周囲を惑わしたことがわかっていないの?全く・・・ヒロキさん、今後はこのようなことがないよう、私が責任を持って指導しておきますので、引き続き、ビジネスパートナーとしては優秀なタカシをお願いしますね?」

そのタイミングでビールが3杯が運ばれてきた。
シュンはその場を仕切るように、「じゃあ、乾杯!」と言って、改めて3人で乾杯をすることになった。

乾杯と同時にシュンもヒロキもビールグラスを一気に空にした。その瞬間、シュンがヒロキに対して、「何かこいつに言いたいことは?」と伝えた。

俺はシュンに対して、何を言っているんだこいつは!と考えたが、すぐにヒロキから「タカシさん、もう・・・こんなイケメンの俺を振って後悔させてやりますからね!」と言って笑顔を取り戻した。

その直後、シュンがヒロキの隣に移動し、ヒロキの頭をヨシヨシと撫で始めた。
当然、優しくしてもらったヒロキは再び泣き始めてしまったのは言うまでもない。
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