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Chapter④ 同棲生活 ~タカシside~
取引先の新担当者(4)
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俺はシュンの一言にイラッとした表情をしたんだと思う。
俺がシュンの肩に手を回そうとした時、「今日はいいや」と言い残し、先にベッドに入ってしまった。
俺だって一生懸命働いているのに、何だよあの言い方は…。
そう思いつつ、俺はシュンが飲みかけのまま置いていた缶ビールを一気に飲み干した。
翌朝、俺が会社に行く時、シュンはもうベッドにはいなかった。
多分、早朝ランニングだと思う。
シュン自身こそ、俺の起きる時にそばに居てくれても良いじゃん。
そう思いながら俺は身支度をして家を出た。
家を出て取引先のあるオフィスへと向かう。
オフィスに着くとヒロキが一番最初に声をかけて来た。
「おはようございます!って、佐藤さん、なんかお疲れですね?」
「あ、おはようございます・・・そうですかね?顔に出てます?」
「めっちゃ出てますよ!俺で良かったら話聞きますよ?」
そう言ってヒロキはニコッと笑った。
その笑顔で俺とヒロキとの距離はグッと縮まった。
その日の夜、俺はヒロキに飲みに誘われた。
「お疲れ様です!良かったら佐藤さん、今夜飲みに行きませんか?来週のプレゼン準備も順調ですし、やっぱり元気のない佐藤さんを見ていたら心配になりました・・・」
「それなら・・・せっかくなので飲みに行きましょうか!」
そして、俺とヒロキはオフィス近くの小洒落たバーへと行き、半個室の店内で乾杯をした。
「お疲れ様です!佐藤さん・・・今日はタカシさんって呼んでもいいですか?」
グイグイと距離を縮めてくるヒロキに俺はお酒が回る前から心を許し始める。
「いいですよ!じゃあ俺も今日はヒロキさんって呼びますね」
お互い下の名前で呼び始めた時、単刀直入にヒロキが切り出した。
「タカシさんの悩んでいることって恋人関係ですよね?」
ヒロキは鋭い視点を持っていることは仕事を通じて感じていたが、やっぱり気付かれたかと思った。ここで嘘をつくほどの関係ではないので、とりあえず、“彼女“ということで俺は打ち明けることにした。
「まぁ、そんなところですね。同棲しているんですが、昨日の夜に喧嘩しちゃって・・・」
「そんな感じしましたよ~。いつもならもっとエネルギッシュで男らしいタカシさんが、今朝はどこか頼り甲斐のない女性に見えました」
笑いながらヒロキが話すが、どこか引っかかる部分がいくつもある。
「何ですか~、女性って・・・!女性差別ではないですが、俺は男ですよー」
「わかってますって!オーラがそう見えたっていう例え話ですよ!」
笑いながらヒロキは話を続けるが、俺はゲイバレしないか気掛かりだった。そのため、手元のグラスに入ったビールをぐっと飲み干し、俺はおかわりを注文した。
「あ、ビール2つで!」
ヒロキもビールを飲み干して、俺の酒のペースについてくる。
そして、「今日はとことん、飲みましょう」と言ってくれる。
もしシュンと付き合っていなかったら、きっとヒロキに甘えていたかもしれない。
俺はそう感じた。
俺がシュンの肩に手を回そうとした時、「今日はいいや」と言い残し、先にベッドに入ってしまった。
俺だって一生懸命働いているのに、何だよあの言い方は…。
そう思いつつ、俺はシュンが飲みかけのまま置いていた缶ビールを一気に飲み干した。
翌朝、俺が会社に行く時、シュンはもうベッドにはいなかった。
多分、早朝ランニングだと思う。
シュン自身こそ、俺の起きる時にそばに居てくれても良いじゃん。
そう思いながら俺は身支度をして家を出た。
家を出て取引先のあるオフィスへと向かう。
オフィスに着くとヒロキが一番最初に声をかけて来た。
「おはようございます!って、佐藤さん、なんかお疲れですね?」
「あ、おはようございます・・・そうですかね?顔に出てます?」
「めっちゃ出てますよ!俺で良かったら話聞きますよ?」
そう言ってヒロキはニコッと笑った。
その笑顔で俺とヒロキとの距離はグッと縮まった。
その日の夜、俺はヒロキに飲みに誘われた。
「お疲れ様です!良かったら佐藤さん、今夜飲みに行きませんか?来週のプレゼン準備も順調ですし、やっぱり元気のない佐藤さんを見ていたら心配になりました・・・」
「それなら・・・せっかくなので飲みに行きましょうか!」
そして、俺とヒロキはオフィス近くの小洒落たバーへと行き、半個室の店内で乾杯をした。
「お疲れ様です!佐藤さん・・・今日はタカシさんって呼んでもいいですか?」
グイグイと距離を縮めてくるヒロキに俺はお酒が回る前から心を許し始める。
「いいですよ!じゃあ俺も今日はヒロキさんって呼びますね」
お互い下の名前で呼び始めた時、単刀直入にヒロキが切り出した。
「タカシさんの悩んでいることって恋人関係ですよね?」
ヒロキは鋭い視点を持っていることは仕事を通じて感じていたが、やっぱり気付かれたかと思った。ここで嘘をつくほどの関係ではないので、とりあえず、“彼女“ということで俺は打ち明けることにした。
「まぁ、そんなところですね。同棲しているんですが、昨日の夜に喧嘩しちゃって・・・」
「そんな感じしましたよ~。いつもならもっとエネルギッシュで男らしいタカシさんが、今朝はどこか頼り甲斐のない女性に見えました」
笑いながらヒロキが話すが、どこか引っかかる部分がいくつもある。
「何ですか~、女性って・・・!女性差別ではないですが、俺は男ですよー」
「わかってますって!オーラがそう見えたっていう例え話ですよ!」
笑いながらヒロキは話を続けるが、俺はゲイバレしないか気掛かりだった。そのため、手元のグラスに入ったビールをぐっと飲み干し、俺はおかわりを注文した。
「あ、ビール2つで!」
ヒロキもビールを飲み干して、俺の酒のペースについてくる。
そして、「今日はとことん、飲みましょう」と言ってくれる。
もしシュンと付き合っていなかったら、きっとヒロキに甘えていたかもしれない。
俺はそう感じた。
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