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Chapter② セフレ以上恋人未満 ~タカシside~
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当日になり新宿三丁目の百貨店の前で待ち合わせをする。待ち合わせ時間は19時。俺は仕事をテキパキとこなし、今日だけは出張を入れないように調整もして金曜日を迎えた。金曜日の新宿三丁目は人通りが激しく5月ということでGWが終わり次の長期連休までしばらく時間があるという状況で、みんな飲みに出て仕事疲れを発散したいという感じかなと思っていると、シュンが登場した。
「お待たせ」
「いや、俺もちょうどきたところだから」
シュンはブルーのスキニージーンズに白のシャツを着てジャケットを羽織っている。高身長と細身のスタイルがよく出ている格好でとてもかっこよかった。俺は仕事帰りなので、ネクタイとスーツを着ているので、お互いフォーマルな感じで良かった。
合流して店に着くと、シュンも過去に系列店に来たことがあるようで、テキパキと好みのビールを選ぶ。一通りのチョイスが終わると、いよいよ乾杯のドリンクと各テーブルへ巡回しながら肉が提供されるのを待つのみとなった。
「シュンもこの店には来たことあったんだ?」
「昔ね。恋人と一緒に・・・。あ、元恋人ね」
「そうだったんだ・・・」
俺は少し気まずくなった。まさかの嫌なクジを引かせちゃったなぁ。俺は咄嗟に「その記憶を今日で上書きするから安心して!」と言う。するとシュンは笑いながら、「そんなこと、今更気にしていないから大丈夫だよ」と答える。
一言二言会話をしていると、乾杯のビールが運ばれてきた。
「じゃあ乾杯ー」と俺が声を発して乾杯し、俺はグラスの半分くらいまでビールを飲み干す。
今週は出張したり会議が多かったり、今日のために調整したので実はハードワークだった。なのでビールが進む。
「いい飲みっぷりだね?ケンタはよく飲みに行くの?」
「そうだね。仕事でもプライベートでも外に飲みに行くことは多いなー。週7で飲んでいた時期もあるくらいだし」
「それは俺よりも飲んでるね。けど、お酒飲める人、好きだよ?」
俺は不意にシュンから聞かされる好きというキーワードにどきっとする。そして、残っていたビールを更にグイッと飲み干した。
「すいません、ビールもう一杯もらえますか?」
「はっはっはっ!そういう意味じゃなかったのに~」
「ついつい、飲みっぷりを褒められるとグラスを開けるのが習慣になってて・・・」
「タカシは仕事に一生懸命だよね。そういうところ、すごく良いと思うよ。俺も仕事に対しては真剣だから、そういうところは似てるね、俺たち?」
シュンとプライベートの会話を店でしていることがすごく新鮮だった。
今までは単なるセフレの関係だったので、家の中でたわいもない話をして解散するだけだったのに、今はこうやってお店でグラスや美味しい料理を食べながら話をしている。それが俺にとってはシュンとの関係性が一つ近づいたと思って、嬉しかった。
シュラスコということで、次々と色々な部位の肉が席へと運ばれてくる。個人的には肉続きの舌をリフレッシュさせるパイナップルが大好きだ。
「俺、ここのパイナップルが好きなんだ」
「俺も!美味しいよねー」
そう言いながら、俺とシュンは会話を続ける。途中、ワインのボトルも入れて、お互いほろ酔いになってきたところで俺は会話の話題を変えた。
「ところでさ、元恋人はどういう人だったの?もし良かったら話してよ?」
「えっ?・・・・」
「あっ、いや、話したくないなら話さなくてもいいよ!ごめん、まだ早かったかな?」
「ううん、すごく絶妙なタイミングで聞かれたから、ホント、ケンタって遊んでるなぁと思って」
「遊んでないよ!俺はいつだって真剣だから。さ、それなら話してよ」
そう言ってシュンは元恋人の話を始めた。
「お待たせ」
「いや、俺もちょうどきたところだから」
シュンはブルーのスキニージーンズに白のシャツを着てジャケットを羽織っている。高身長と細身のスタイルがよく出ている格好でとてもかっこよかった。俺は仕事帰りなので、ネクタイとスーツを着ているので、お互いフォーマルな感じで良かった。
合流して店に着くと、シュンも過去に系列店に来たことがあるようで、テキパキと好みのビールを選ぶ。一通りのチョイスが終わると、いよいよ乾杯のドリンクと各テーブルへ巡回しながら肉が提供されるのを待つのみとなった。
「シュンもこの店には来たことあったんだ?」
「昔ね。恋人と一緒に・・・。あ、元恋人ね」
「そうだったんだ・・・」
俺は少し気まずくなった。まさかの嫌なクジを引かせちゃったなぁ。俺は咄嗟に「その記憶を今日で上書きするから安心して!」と言う。するとシュンは笑いながら、「そんなこと、今更気にしていないから大丈夫だよ」と答える。
一言二言会話をしていると、乾杯のビールが運ばれてきた。
「じゃあ乾杯ー」と俺が声を発して乾杯し、俺はグラスの半分くらいまでビールを飲み干す。
今週は出張したり会議が多かったり、今日のために調整したので実はハードワークだった。なのでビールが進む。
「いい飲みっぷりだね?ケンタはよく飲みに行くの?」
「そうだね。仕事でもプライベートでも外に飲みに行くことは多いなー。週7で飲んでいた時期もあるくらいだし」
「それは俺よりも飲んでるね。けど、お酒飲める人、好きだよ?」
俺は不意にシュンから聞かされる好きというキーワードにどきっとする。そして、残っていたビールを更にグイッと飲み干した。
「すいません、ビールもう一杯もらえますか?」
「はっはっはっ!そういう意味じゃなかったのに~」
「ついつい、飲みっぷりを褒められるとグラスを開けるのが習慣になってて・・・」
「タカシは仕事に一生懸命だよね。そういうところ、すごく良いと思うよ。俺も仕事に対しては真剣だから、そういうところは似てるね、俺たち?」
シュンとプライベートの会話を店でしていることがすごく新鮮だった。
今までは単なるセフレの関係だったので、家の中でたわいもない話をして解散するだけだったのに、今はこうやってお店でグラスや美味しい料理を食べながら話をしている。それが俺にとってはシュンとの関係性が一つ近づいたと思って、嬉しかった。
シュラスコということで、次々と色々な部位の肉が席へと運ばれてくる。個人的には肉続きの舌をリフレッシュさせるパイナップルが大好きだ。
「俺、ここのパイナップルが好きなんだ」
「俺も!美味しいよねー」
そう言いながら、俺とシュンは会話を続ける。途中、ワインのボトルも入れて、お互いほろ酔いになってきたところで俺は会話の話題を変えた。
「ところでさ、元恋人はどういう人だったの?もし良かったら話してよ?」
「えっ?・・・・」
「あっ、いや、話したくないなら話さなくてもいいよ!ごめん、まだ早かったかな?」
「ううん、すごく絶妙なタイミングで聞かれたから、ホント、ケンタって遊んでるなぁと思って」
「遊んでないよ!俺はいつだって真剣だから。さ、それなら話してよ」
そう言ってシュンは元恋人の話を始めた。
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